北海道過疎化と演歌そば
私が子供の頃には、身の回りに演歌が溢れていた。
北海道の外れの小さな小さな町内会でも、お祭りには出店が並び、人が溢れ、20時ころから始まる老人会主催のカラオケ大会で、神社の横にある地域一番のステージで、幼い私は祖母に促されるまま細川たかしの北酒場を唄わされた。
ゆるゆるのジャージのズボンの腰回りに、見慣れたおじいさんにおひねりをねじ込まれ、ステージの最前列で泣きそうな目でこちらを凝視している祖母にだけ焦点を合わせて、ひたすらに今自分ができる(北酒場を唄い切る)ことを全うし