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家庭交響曲(R.シュトラウス)

ようこそ、CLASSIC BAR VERSTECKへ。


さて、"本日のオススメ"は、R.シュトラウス作曲の『家庭交響曲』です。(数字は2-261・名曲解説全集第2巻-P261)


R.シュトラウス先生。1864年-1949年(85歳)の、ドイツの作曲家でしたね。

おとめよ、どんなにかくしてもの回交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」の回以来、3回目の登場ですね。


本日の曲は、『家庭交響曲』。

先生、39歳の時の作品です。

5年前に『交響詩「英雄の生涯」』を完成させ、2年後に『楽劇「サロメ」』で大成功を収めます。これまでの間に、『ドン・ファン』『ティル~』『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』『交響詩「ツァラトゥストラはかく語り」』もすでに発表されており、この後の大規模な管弦楽作品は、『アルプス交響曲』で、もっぱら楽劇を書いていくことになる、そんな時期です。


この時の「家庭」は、奥さんの「パウリーネ」さんと、長男の「フランツ」さん。それまでの激しめの音楽にかわり、のびのびとして穏やかな雰囲気。『英雄の生涯』が自伝的な曲だったのに続き、『家庭交響曲』も先生自身のプライベートを扱っています。

曲は1つの楽章で作られており、標題も持っているので交響詩のようでもありますが、4つの楽章に相当する部分からできいて、でも実際の演奏は、切れ目なく続けて演奏される、というなんとも説明がつきにくい曲です。


主人の主題から始まり、妻の主題、子どもの主題など設定し、それぞれの人物自体を表現したり、また感情面なども表現したり、入れ代わり立ち代わりでそれぞれのやり取りを表現していきます。

第1部では、それぞれの人物の性格・特徴が紹介され(主題)、第2部では子どもが遊び、母が子どもを寝かしつけ、第3部では愛の情景、子どもを心配する母を経て、子どもが起きると、第4部は両親のいさかい、3人が激しくやりとをしていくも、仲直りし、明るい笑いとともに円満に終わる。

というのを、標題音楽として作ったそうです。


いやー、面白いですね。英雄の生涯と家庭交響曲の間に、オペラを2曲書いていますが、パットせず、この過程を経て、『サロメ』で成功。この後の好局は『アルプス交響曲』。なるほど、なんか一本につながっている感じがしますね。


曲はとても良い曲です。表情がとても豊かな感じで、上記の内容を加味しながら聞くと、より楽しめます。


本日の音源はこちらからどうぞ。


本日もご来店いただきまして誠にありがとうございました。

またのお越しをお待ちしております。

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