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人生の目的はお金だ。なのでもっとお金を刷ってくれ。口座に印字でもいいか。

映画『BADLANDS』。
新宿と日比谷、映画館で2回、観ました。

姉弟が向かう先は“天国”か“地獄”か?
予測不能のクライムサスペンス
エンタテインメント!

映画『BADLANDS』

好きなんです、安藤サクラさん。
とくに”犯罪モノ”の彼女が好きで、『万引家族』はアマゾンプライムを含め5回くらいは観たか。

観るとたいていコロッケを食いたくなる。
あとカップ麺のうどんだ。

でね、『BADLANDS』の舞台は大阪の西成だ。
シビレます。
そしてカネ。
じつはオレも“カネの亡者”なのでビンビンにシビレます。
奪おう。
ぐはは。

だが。
紙幣(つまり紙)を誰から奪う(誰かが所有しているからね)となるとたいへんだ。
なので、預金口座に印字してもらおう。
『BADLANDS』の主人公ネリ(サクラさん)も最後は”印字”で逃げ切る。


1.貨幣は町銀行が“印字”している(信用創造)

・・・は?
と、学生のころ、オレも最初はそう思った。

ではここで、我々のナリワイ(宅建業)でちょこっと考えてみますと。
不動産取引でというと、まず物件ありき。
そんで、たとえば売買。
買いたいという人が現れ、カネはどうするかという話になり、まぁたいてい資金調達という体で銀行から融資を受ける。
いわゆる「住宅ローンとして5,000万円を銀行から借りました」ということなるんだが。

でさ。
「5,000万円を借りました」と言っているあなたに問う。
現金で5,000万円(つまり5,000枚の“紙”ですね)を借りたのでしょうかね。

そうじゃなくて、預金口座に印字してもらった。
実際、5,000枚の紙を目の前にドンと積まれても困るしな。
重たい(らしい)。

そんで、銀行の“融資”ということなんだが、実際は通帳に印字だ。
そうです、その昔、経済学の単位をとったあなた。
覚えてらっしゃいますか。
これが『預金通貨』っていうやつですね。

ちなみに“紙”のほうは町中の銀行(町中華っぽくいえば町銀行)が刷ったものじゃなくて日本銀行(中央銀行)のしわざだ。

念のためだか。
オレたちが“紙”を偽造するとえらい目にあう。
罰金刑では済まないぜ。

刑法第148条【通貨偽造及び行使等】

  1. 行使の目的で、通用する貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者は、無期又は三年以上の懲役に処する。

  2. 偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。

話を“印字”に戻しますと、世の中に貨幣を供給するとしたら(借りたいヤツに貸すとすれば)、町銀行がいわば勝手に印字すればいいので、われわれも現物のやりとりというめんどくささから開放され、つまり銀行振込で済ますことができたりするので便利だ。

あ、すみません、文脈上“勝手に”と言ったが、無尽蔵というわけでもないらしい。
ただし、少なくともこうではない。

【誤】銀行の手持ちのおカネから貸し出している。

そんなんじゃ、兌換券の時代とおんなじだ。
貨幣経済のいま、兌換券制度(限界あり)だと“資金需要(=カネを貸してくれ)があるところに、ドーンとカネを盛大に(ある意味無尽蔵に)貸し出すこと(融資という名の創造)ができないでしょ。

ご存知のとおり、日本も兌換券(金本位制)の時代もあって、そんときの貨幣を学生たち(某大学で1年生相手に宅建講座を担当していたこともあった)に見せるとけっこう盛り上がった。

貨幣が兌換券だったころのお札、コインショップのサイトですがご参考まで。

1942~1946年(昭和17年~昭和21年)とあるので戦前ですね。
紙幣をよく見て見ると『此券引換に金貨千圓相渡可申候也』と書いてある。
金と交換。兌換だね。
なので、“紙”自体に価値があるのではなく、この紙を国家に持っていけば『金貨』と交換してくれるということが、この"紙”の『信用の元』であった。

いまは何を『信用の元』にしてるんでしょうかね〜。

2.はじめから5,000万円なんてなかった。

町銀行は印字で貨幣を供給している。
そういったことで、この預金通貨のことをコジャレて『キーストロークマネーと言ったりしている人(そんときの教授)もいた。
教授から聞いた話だが、今みたいにパソコンがない時代は『万年筆マネー』と言ったりしたみたいだよ。
手書きの時代ならではだね。

かくして。
住宅ローンとして5,000万円を印字してもらったら、その印字(預金通貨)を売主の口座に移す。
自分の口座から5,000万円の印字(預金通貨)が消える。
そして彼は、フラット35だったら35年に渡って世の中から通貨(給料として振り込まれれば預金通貨)を集めて、それを町銀行に人生をかけて返済する。

最後はどうなるか。

町銀行が創造した5,000万円は、彼が5,000万円を返済することにより相殺。この世から消える。
だって、はじめから”5,000万円”なんてなかったもんね。

いえーい。
詐欺っぽ〜い(笑)

貨幣債務論っすね。
これ好き。

あ、そうそう、町銀行と『闇金ウシジマくん』や『ナニワ金融道』の帝国金融とのちがいはこのへんだね。
ウシジマくんや帝国金融は貨幣を作れない。
作れないので、誰かが持っているお金を金利を払って借りる。
金主だ。
金主から集めてきたお金を貸す。

金主は誰だ。
●●組だ。
・・・みたいなストーリー。

彼らの金利は高いという話だが、そりゃそうだ。
金主に払う”金利”から暴力で奪う”金利”の差額が彼らの粗利だからだ。

3.かのイングランド銀行、かく語りき。

我々も業界人ですので、スキルアップとして『顧客対応・住宅ローンセミナー』という類を受講したりしますが、もちろん実務的には「どういう段取りでどんなふうに審査を入れて、融資限度額はこんなもんで月々の支払額はこれくらいがいいので・・・」などなど、そんな感じでいいんだけど、大人になってしまったみなさんは『そもそも住宅ローン(預金通貨)ってなんだ?』という思いを馳せたりするのも一興かと。

抽象概念を一段上げておくと、その一段分、世の中が愉快に見える。

・・・と、なぜそんなふうに思ったかというと、最近、この新刊を買って読んでみたからです。
思い出したんですよ、学生時代のころを。
なんでもそうですが、若いときのベンキョーってぜんぜんつまんなかったりしますけど、歳を重ねてからあらためて取り組んでみると、なるほどそうかとね。

お時間ありましたら書店で立ち読みしてみてちょ。

ワタクシごとですが、来年の2月で還暦を迎えます。
なので、人生テーマは”還暦”らしく、原点回帰。
原点に戻って『ダイナマイト道』を精進していきます。

人生は爆弾だ。
”正しさ”をぶっとばせ!!

Back to the Egg。いえーい!!


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