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書籍『うんちの行方』と「下水道につながる排水管が損傷したら?」

新宿生まれの新宿育ち。

キャンプをしたことがない。
野宿もない。
すべて、夜はインドア。
シャワーを浴びて、冷暖房完備。
もちろん焚き火なんてしたことがない。
なので、野糞もしたことがない。

自称:元シティーボーイのワタクシは、おそらくたぶん、“都市計画の恩恵”をたっぷり受けている“市街化区域”でしか生きていけない。都市計画の恩恵、つまり都会生活を支えてくれているインフラが震災で崩壊したら、なすすべなし。

・・・という弱点がある。

ちなみにですが、元シティーボーイ&元シティーガールたちの“夜遊び場”でもあったギロッポン(←バブル用語・六本木のこと)がある港区には高層マンションが林立している。

そんな都内有数の高層マンションの街であることもあって、港区では「在宅避難のすすめ・港区マンション震災対策ハンドブック」を発行している。

かつてマンション管理士として稼業していた時代に、ちょくちょく(あんちょことして)お世話になっていたハンドブックだ。


下水道につながる『排水管が損壊』したら?

震災のとき、果たして高層マンションのトイレは使えるのか。

もちろん街の下水道システムが大崩壊してしまったら元も子もないんだけど、我が“大都会の市街化区域”だったら『下水道の耐震化』も進んでいるみたいなので、まぁそこそこだいじょうぶだろうと思われる。

ところがね。
下水道システムは地震に耐えたとしても、一方、下水道につながる高層マンション内の排水システムはどうだろうか。

大地震が発生すると排水管の損傷などがあり、それに気づかない高層階の住民がトイレを使用しちゃって低層階で下水があふれだし大騒動になる、という話は、まぁ仕事がらよく聞くが、でもこれって当の住民たちは意外と知らなかったりするらしい。

なのでハンドブックにはこう書いてある。

〈トイレの水を流さないことは、あまり認識されていないのが現状です〉と。

そして〈区内の高層住居居住者を対象にアンケート調査の実施したところ、大地震発生時の心得として「エレベーターを利用しない」は9割程度と広く認識されているのに対し、「トイレ等に水を流さない」は4割程度と低くなっています〉と続く。

そもそも下水道が損壊したら

高層マンション内の排水管ではなく、そもそも下水道システムが大崩壊したら、こりゃもうしばらく収集がつかないわけで。

下水道が損壊している状態でうっかり排水しちゃうと、トイレや道路のマンホールから、誰かの汚水(下水)があふれ出す。

で、そもそも論だけど、下水道管って地下に埋設されてるでしょ。なので、復旧はとてもたいへんみたいで、地面を掘り起こすなどの大規模な工事が必要とのこと。

どうにかなりませんかね、うんち。

だったらこの手はどうだ。

うんちが5分で飲用水に。
2018年に、かのビル・ゲイツが飲みましたよね。

え、と思った方は、どうぞごちらの書籍を。
そして『もしタワマン全戸で一斉に流したら?』

宅建講師稼業のみなさんもぜひ。
『都市施設』あたりの話に深みがでます。
「だいじです、覚えてください、暗記してください」という“つまんない講義”から脱出できますよ。

第6章が「災害時に切実なトイレ対策」です。

流した後はどこへ? どう浄化される? そのために誰が、どんな苦労を? 鉄道や船はどう処理している? もしマンション全戸で一斉に流したら? あらゆる疑問を徹底取材。
下水を嗅ぎ、汚水処理場に潜り、「5分でウンチが飲料水になる」最新技術に触れ、トイレメーカーを質問攻めに。さらに元作業員が語った貴重な証言とは。
フタを開ければ、思わず唸る驚きと素朴な感動がてんこ盛り、奥深い世界へご案内!

うんちの行方 (新潮新書)

インフラに頼らなければよし

下水道もそうだけど、なんで都会にインフラが必要なのかと言えば、端的に言えば「人が多いから」ということになる。
衛生面でもエネルギー面でも、すべてインフラ頼みというのが実態。
なので都会人はいざとなったときの“生きる力”が脆弱だ。

・・・なんていうことをつらつら考えていた矢先、書店でこちらの本に出会いましてさっそく購入しました。東京新聞の書評でも紹介されています。

「生きる力ってなんだろう?」セルフビルドしながら問い続けた6年間の軌跡
40代で母親になって考えた。「この子に残せるのは、“何かを自分で作り出せる実感”だけかも」。そこから不器用ナンバーワンの著者による小屋作りが始まる。コスパ・タイパはフル度外視。規格外の仲間たちと手を動かすほどに「世界」はみるみるその姿を変えていき……。暮らしと思索が響き合う、軽快ものづくりエッセイ。

自由の丘に、小屋をつくる

第16章が「快適なトイレへの道」で、第17章も「トイレなんか、青いバケツで十分だ」です。

『コンポストトイレ』が出てきます。
微生物の力で排泄物を分解する仕組みです。
水がなくてもだいじょうぶ。
なのでキャンプ場(←行ったことないけど)や人里離れた山小屋(←行ったことないけど)で使われる(←って書いてありましたこの本に)。

野宿という手もある

もっと自由になるとすれば野宿だ。
帯がおもしろかったので買いました。

旅コミ紙「野宿野郎」編集長が遠まわしにおススメするHOW TO NOJUKU!!!!

P.58が「トイレはどうしよう」です。
引用します。

のぐそができればトイレがないところでも野宿ができるから、野宿の幅も広がるはずだよ! のぐそせんせいに「正しいのぐその仕方」を教えてもらおう。

あたらしい野宿(上)

・・・って書いてありまして、そこで紹介されている「のぐそせんせい」の本がこちら。
ここまできたら話の流れがあるので(←って自分が勝手に作っている流れだが)、この書籍も購入しました。
新品がないみたいだったのでブックオフにて。

第8章が『伊沢流「正しい野糞法」』です。
さすがに都会での野糞はむずかしいでしょうから、来る「首都直下地震」を生き延びることができて、かつ、水もない僻地に疎開したときのために、正しい野糞法をみんなで会得しておきましょう。
ワタクシもあらためて読み直しておきます。

今回は震災サバイバルをテーマに、都会のインフラについてあれこれ考えてみました。
最後までおつきあいくださいましてありがとうございます。

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