プロジェクトマネージャの役割に悩んだら
「プロマネってどういうことをする人ですか?」
こう問われて即答できる人は意外と少ないんじゃないかなと思います。私の周りでも以下のような意見に分かれます。
(1) プロマネは全ての作業工程を経験した人がやるべきだ!
(2) プロマネは管理職がやるべきだ!
(3) プロマネはコミュニケーション力の高い人がやるべきだ!
そのため、コミュニケーションの取れないプロマネが任命されたり、社内管理業務だけが得意でプロジェクト管理なんて全く知らないプロマネが任命されたり、コミュニケーション力だけが高くて開発知識ゼロのプロマネが任命されたり・・・。
こうして任命されたプロマネが運営するプロジェクトの未来は、まぁ、だいたい想像がつきますよね。
プロマネの役割を理解するなら、オーケストラの指揮者をイメージすると良いです。
・異なる役割(楽器)を演じるメンバーをまとめる
・チームが作り出す音(コンサート)に責任を持つ
・全ての楽器を演奏できなくてもよいが知識は持つ
・コミュニケーションを介してリーダーシップをとる
これが指揮者の役割ですが、プロマネにも同じことが言えます。
・異なる役割(設計やプログラム)を演じるメンバーをまとめる
・チームが作り出す成果物(納品物)に責任を持つ
・全ての作業工程を実施できなくてもよいが知識は持つ
・コミュニケーションを介してリーダーシップをとる
見比べてみると、プロマネと指揮者の役割には重なる部分が多いのが良くわかりますよね。
失敗プロジェクトの振り返りをしたときに、プロマネやプロジェクトメンバーが非難されることがありますが(これ自体がおかしなことだと思いますが)、プロマネを任命した側が非難されたのを私の職場ではみたことがありません。
私の感覚としてはプロマネを任命した時点でプロジェクトの成否の多くは決まってしまっている気がします。
もちろん、任命したプロマネのスキル不足を認識し、そこに対する教育計画、リスクマネジメントがなされているなら問題はないのですが、会社の経営層がふわっとした理由でプロマネを任命し、ふわっとした感じでプロマネがプロジェクトをマネジメントしています。これでは成功するものも失敗するでしょう。
「プロマネは指揮者である」
プロマネを任命する側、プロマネを任命される側には今一度「プロマネの立ち居振る舞い」というのを認識していただきたいなと思います。そのうえでプロマネを任命する、プロマネの業務に取り組む、それだけで防げる炎上もあるはずです。
ちなみに、「プロマネは指揮者」というのはPMBOK第6版に書かれています。もうすぐ第7版が出ますが(日本語版は未定)、PMBOKガイド第6版のリンクを貼っておきます。
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