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自分たちの常識を捨てることで要求を引き出す

SEとしてもっとも楽しくてクリエイティブな工程はお客様から要求事項を引き出す工程ではないでしょうか。私はこんなに想定外のことが起こる工程は他にはないと思います。

何が想定外として起こるかというと「要求事項は正確に出てこない」ことです。正しくはこちらが「要求事項にある行間を正しく読み取れない」ということですね。決してお客様が悪いわけではありません。

■ Excel運用のWEB化

私の経験で驚いたことの一例ですが、「Excelで運用している日次の管理業務をWEBシステム化したい」という要求事項がありました。ExcelのデータをDBに移行する必要があるため、Excelからデータを抽出してSQLを吐き出すマクロを作ろうと考えていました。

しかし、お客様と打ち合わせをしていると、ある時突然「紙に手入力しているんですけど・・・」と言われました。(; ̄Д ̄)ナンデスト

つまりExcelで用紙のフォーマットだけを作り、それを印刷して手書きしているとのこと。それをExcelで運用してるって言うのか。。_l ̄l○lll ガクッ

■ 自分たちの常識が相手の常識ではない

SEをやっているとこんな経験いっぱいありますよね。でもお客様が悪いわけではありません。お客様はシステムに関する知識はありませんし、システム屋の常識を知っているわけでもありません。この認識相違を埋めて、要求事項を引き出すのがSEの仕事です。

そのために私が実施していることは「気付きのきっかけをより多く与えること」です。方法はいくつもありますが主に以下です。

・顧客との会話の機会を多くする(定例会議を頻繁に設けるなど)
・完成イメージを見せる(資料でも良いし、プロトタイプでも良い)
・疑問に思ったことは全て質問事項として明記する

当たり前のことなんですけど、この当たり前を頻繁かつ積極的に実施することが大事だと思っています。

例えば、上記のExcel運用の話では、お客様は「入力フォーマットをExcelで作ったこと」をExcel運用だと思い込んでおり、私は「Excelにデータを入力して運用していること」をExcel運用だと思い込んでいました。この思い込みによる認識齟齬が発生しました。

■ 思い込みはコミュニケーションでしか解決しない

この間違いに気付く方法はお客様とのコミュニケーションです。お客様との会話の機会を増やし、途中段階でも良いから完成イメージを共有することでお客様が「あれ?自分の意図した通りに伝わってないぞ。」と気付きます

従いまして、お客様の要求事項を正確に引き出す方法は「当たり前のことをどれだけ深くできるか」がもっとも最短ルートになるのではないかと思います。

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