見出し画像

「学生の問題」と「社会人の問題」、この違いに苦しんでいる人はいませんか?

社会人になって私が苦しんだ壁の1つに、学生と社会人の違いがありました。仕事で起こる問題は、学生の思考では解けません。学生の問題と社会人の問題は根本的に違うんです。

私と同じように苦しんでいる人もいると思いますので、私が毎年新人にその違いを説明するために出題している問題をご紹介します。みなさんも解いてみてください。

■ 社会人と学生の問題の違い

問題1: 以下の[ ]に入る数字はなんでしょうか?

100 + 200 =[ ]




答えは 300 ですよね。

では、次の問題です。

問題2:以下の[ ]に入る数字はなんでしょう?

 [ ]+[ ]= 300

きっと悩むと思います。悩む理由は答えが複数あるからですよね。この2つの問題の違いが、学生と社会人の問題の違いです。

学生までの問題は1つの絶対的な答えに辿り着くもの

全員で1つしかない答えを導き出すのが学生です。しかし、社会人は違います。問題の答えは複数存在し「1つの絶対的な答え」というものはほとんどありません。

いくつもある「正解っぽい答え」から「もっとも正解っぽい答え」を複数人で模索するのが社会人です。だから容易に答えは出ませんし、どれを自分たちの答えとするか悩むことになります。

では、問題に戻ります。先程の問題では、きっと色々な答えが思いついたと思います。私が毎年新人たちに出題してきた中ではほとんどが以下のどちらかの回答です。

150 + 150 = 300
100 + 200 = 300

その答えの理由を聞くと、前者は「なんとなく」「半々にしてみた」、後者は「前問と同じだから」という回答です。

では、私の答えはこれです。

300 + 0 = 300

答えの理由は「計算が簡単だから」です。

150 + 150 = 300 ⇒ 理由:なんとなく/半々にしてみた
100 + 200 = 300 ⇒ 理由:前問と同じだから
300 + 0 = 300 ⇒ 理由:計算が簡単だから

この中から1つの答えを選べと言われたら、どれをこの場の答えとして選択しますか?きっと 300 + 0 = 300 を選びますよね。

どの答えも間違いではありません。しかし、その中で「もっとも正解っぽいもの」を模索すると、「計算が簡単」というのが「もっとも納得できる理由」だから、これがこの場での答えになります。

これが社会人の問題です。現場で出てくる問題に対する答えも、決して間違ってはいない答えが多く出てきます。しかしその中で「もっとも正解っぽいもの」を選びます。選ぶ方法は、その答えの理由に納得できるか出来ないかです。自分が出した答えを正解としたいなら、相手を納得させる力が必要です。

この問題、毎年新人が納得してくれます。ぜひ皆さんも新人教育で試してみてください!

最後まで読んで頂きありがとうございました! いただいたサポートは全て執筆活動の資金としてありがたく活用させていただきます。