足部の機能解剖2 〜距骨下関節運動連鎖〜



・距骨下関節のもう一つの特徴は運動連鎖の拠点となる

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距骨下関節が回外していると下腿骨は外旋、大腿骨は内旋、骨盤は前傾する。

距骨下関節が回内していると逆に下腿骨は内旋、大腿骨は外旋、骨盤へ後傾する。

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・歩行時における運動連鎖 (heel contact)

踵接地時にSTjtは回外している。回外から回内することで衝撃吸収をする。さらに、STjt回内することで、下腿骨が内旋する。下腿骨の内旋はscrew home movementで外旋して膝関節を伸展でロックしている状態を解除して、膝関節を屈曲させる。

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・歩行時運動連鎖(toe off)

立脚中期から推進期にかけて推進力を得るために足部を硬い足にする。(STjt回内からSTjt回外する)この回外は足部を硬くする他に、下腿を外旋させることでscrew home movementを引き起こし、膝関節を伸展し、より強い推進力を生む。

・距骨下関節の回内・外のみかた

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距骨下関節全可動域の1/3が回内で2/3が回外となります。最大回内位から全可動域の1/3の位置がNeutralとなります。その他には外顆のカーブを見る方法があります。詳細はセミナーで

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距骨下関節の変化には末梢部からの変化と中枢部からの変化がある。距骨下関節の動きは①距骨(距骨と下腿)の変化によるもの、②踵骨の変化によるもの、③距骨と踵骨の変化によるものがある。

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①〜③のどの変化によるものかを見つけていく必要がある。

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後足部内反の代償→内反角度<回内可動域であれば、代償が可能である。    内反角度>回内角度の場合は部分的な補償となる。

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後足部外反の場合は2°以内であればそのままの立位となる。2°以上の回内の場合は回内可動域最大まで回内する。

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中枢部からの問題でも足部に影響は起きる。下行性運動連鎖である。下腿の動きは距骨との関係性が高い。下腿の変位=距骨関節の変化である。上述した運動連鎖をもとに考えていくと良い。

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足部は回内の代償パターンを取ることが多い。よって、見た目が回内であっても、原因は様々だあることを頭に入れておこう。回内が引き起こす問題は足部の剛性(安定性)↓により、筋緊張(足部安定化のため)↑、足部の動き↓、上行性運動連鎖により中枢部に問題を引き起こす。特に歩行時には推進能力の低下が起きる。

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詳細は斉藤の足関節機能解剖学セミナーで

理学療法士  斉藤 嵩