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菜の花のレモンクリームパスタ

この前の土曜日、美術館へ行ってきた。
長く続いているどんよりした気分は、春服を着て美しいものを観れば晴れるような気がしていた。
でもその期待とは裏腹に土曜日はあいにくの雨だった。

普段のわたしだったら雨の日は出かけるのをやめてしまうことも多いけど、今回はチケットを買っていたので準備を始めた。

気分が落ちて家にこもりがちな時はこうやって先にチケットなどを用意しておくのが本当に良い。

春服は諦めて、黒いロングブーツを履き、黒いニットの上にコートを着たけど、せめてもの抵抗にミニスカートを履いて出かけた。

雨はしとしと降りつづけているのに、生ぬるい風に春が近づいているのをたしかに感じた。
もしかしたら黒よりももっと明るい色の服の方がこの曇り空に映えていたかもしれないなと、オシャレでもないのにオシャレっぽいことを考えていた。

呑気にそんなことを考えていると、気づけば入場可能な時間がもうすぐ終わりそうになっていたので少し走った。
1人で六本木を美術館に向かって走るなんておかしいなと思った。

この時点でもう、ひさしぶりに過ごす自分の好きな時間に心が躍っていたんだと思う。

国立新美術館で開催されている「ルーブル美術館展 愛を描く」という展覧会が今回の目当て。
週末ということもあってか混雑していたけど、時間ごとに入場しているし、中は広いからひとつひとつの絵を近くでよく観ることができた。
今回はひさしぶりに音声ガイドもつけてみた。

いろんな形の愛が描かれていて、たくさんの「愛とは」に触れた。
自分自身にとって「愛とは何か」について、考えさせられることは、、、特になかった。
正解はないし、ぜんぶ正解だと思うから。ということにしておく。
だからこそこんなにもたくさんの愛を描く作品があるのだとも思う。

当時の時代背景というか、価値観というか、文化というか、そういうものが大きいのだろうけどハッピーエンドで終わらないものが多いのがわたしはなんとなく好きだった。

頭が熱くなるくらい集中して絵を鑑賞していたのだけど、終盤は集中力が続かなかった。
美術館を出ると2時間半ほどが経っていた。

13時半。お腹が空いているのに気がついた。
少し移動して、昼食はパスタを食べた。前回この美術館に来た時も別のお店でパスタを食べた気がする。今回は菜の花のレモンクリームパスタと生姜が効いたシャンディガフをカウンターでいただいた。

ほろ苦い菜の花は黄色の小さな花もついていた。鮮やかな緑と輪切りのレモンが綺麗で上に削りかけられたふわふわのチーズも素敵だった。

最近、家でも春野菜を食べるのにハマっている。春野菜に限らず野菜をたくさん買って冷蔵庫がカラフルになるとなんかうれしいし、野菜でお腹いっぱいになるのが気持ちいい。あと、満腹にもなるし節約にもなるのがありがたい。

ちなみに日曜日は春キャベツと菜の花のグラタンを作って食べた。

そういえば、このお店の店員さんはみんなもうマスクをつけていなかった。いろんな考えがあって当然だしわたしもなんだか不思議な感じがしたけど、カウンターの中で料理をしている店員さんどうしが笑顔でやり取りしているのを見れたのがわたしは単純に嬉しかった。

お腹も満たされたあとは新宿に行って、取り置きしてもらっていたコスメを買って、テンションあがってCDショップに無駄に寄って、でもやっぱり人が多くて、自分の体力の底を突然明確に感じたのでそそくさと帰ってきた。

綺麗なもの、美味しいもの、季節を感じること、誰かの笑顔、かわいいコスメ。

小さなことで消耗されてしまうわたしの心を満たすのはこれまた小さなことだったりする。


追伸
探したら前回のパスタの日記もありました

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