【ガールズバンドクライ】トゲナシトゲアリの楽曲考察 後編 ギター歴20年の元バンドマンが勝手に選ぶ楽曲ランキング3 空白とカタルシス 空の箱 声なき魚
お疲れ様です。タキタロウです。
今回の記事は元バンドマン、ギター歴20年のオッサン視点から見た、
トゲナシトゲアリのおススメ曲をランキング形式にして発表しつつ
それらの曲に焦点を当てながら考察していきたいと思います。
この記事を制作しているのが24年6月15日なのですが、
いやー11話激熱でしたね。
個人的には8話を超えてきたと思います。
このnoteではギターや音楽を軸に時にはアニメやゲームを絡めながら
マニアックな内容を語っていく記事を配信しています。
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それでは本編スタートです!
■前回の記事のおさらい
まずは少しだけ前回のおさらいをしていきましょう。
前回の記事ではガールバンドクライに登場する楽曲を、ストーリー、ターゲット、楽曲モチーフの3点に基づいて考察してきました。
その中で、ターゲットは20代後半~30代前半、楽曲モチーフは2種類あり
初期のボカロ曲と邦ロックの影響を受けているとお話しています。
まだ、未読の方はよければURLを載せておきますので
こちらもご覧くださいませ。
早速、曲の紹介に移りたいと思います。
■第3位 空の箱
まず、第3位
「空の箱」
空の箱は1話のラスト。ストリートライブで演奏された曲です。
桃香さんがダイダス時代に作曲した曲で、ガールズバンドクライを象徴する曲と言っても過言では無いかと思います。
歌い出しのこれぞシングルコイルと言わんばかりのバッキングギターが
個人的にお気に入りです。
他の曲と比べるとペースはゆっくり目。
テンポがゆっくりということもあり、それだけに歌詞に注目があつまるように意図されて制作されていると感じました。
先程もお伝えした通り、この楽曲はガールズバンドクライを象徴する曲でもあり、バンドを脱退し、地元に帰ろうとしていた桃香さん、対して高校を中退し独り上京してきた仁菜の2人が物語の中心に展開されていきますよ。
という制作陣の意味が恐らく込められています。
桃香さんと仁菜が歌う空の箱は薄い歪みのシングルコイルギターのバッキング、フレーズが印象的で比較的シンプルな味付けになっているのに対して
後々ダイアモンドダストが演奏する「空の箱」はゴリゴリのハムバッカーで歪ませつつ、分かりやすく何本もギターを始めとした楽器を重ねて
編曲した仕上げになっています。
この対比も面白く、もう少し深堀りすると川崎駅前で生きるか死ぬかぐらいの気持ちで歌っている仁菜に対して
東京ドーム満員の観客に対して笑顔で歌っているダイダスの新ボーカルのヒナ。
仁菜目線で考えると絶交したヒナが歌っていることに加えて、自分の心情を体現してくれて救われた曲を、決して笑顔で歌うような曲ではないのに笑顔で歌い多くの人から声援を受けているのが相当気に喰わなかったことが伺えます。
加えてギターソロのアプローチを比較すると桃香さんバージョンは、音数が少なく言い方を変えれば曲全体に寄りそうようなフレーズになっているのに対してダイダスバージョンの場合はギターソロに行く前の小節で緩急を付けつつ音圧上げた太い音で音数が多いメタル的なフレーズでソロが強調されるようになっています。
どちらが良いか悪いかは置いておくとして、桃香さんの方はここ数年のヒット曲のアプローチ、ダイダスは15年、20年くらい前のアニソン的なアプローチに近いと感じました。
使っているギターもジャスマスタータイプに対してESPのメタル系のギターと方向性としては間違っていないと思います。
恐らく対比を目立たせる、作中を盛り上げるために意図した編曲でしょう。
また11話にてダイダスのライブシーンがあるのですが、曲演奏前のBGMに
空の箱が使われているのが印象的でした。
8話を経て桃香さんの置き土産として置いていった曲に頼らなくても自分たちは人気と実力があるという意思表示とも受け取れますね。
人によってはこの曲を1番に推す人もいると思います。
楽曲のURLを載せておきますので是非聴き比べてみてください。
https://www.youtube.com/watch?v=KBlG6yj5oHk
第3位「空の箱」でした。
■第2位 声なき魚
それでは続いて第2位
「声なき魚」
「声なき魚」は3話の仁菜にとって
初ライブとなるシーンで歌われた曲となります。
こちらもシングルコイルのギターらしい、
ジャキジャキの疾走感のあるバッキングギターが際立つ曲ですね。
ただ、3位で紹介した空の箱とは方向性が大きく異なります。
空の箱が悩み、そこで立ち止まって自分を見つめなおすような曲とするならば声なき魚は、その段階を経て走り出した初期衝動を体現した曲と言えます。実在するどんなバンドでもある、1枚目のアルバムにしか存在しない、まっさらなエネルギーを感じます。
ダイヤモンドダスト時代の曲作りではメジャーで通用しないと
考えていた桃香さんが試行錯誤の上のアプローチなのかと想像しました。
それは自身のギタープレイは極力バッキングに徹しつつ、バンドに置いてリードパート弾くようなフレーズをキーボードが担当。
その代わり自分がボーカルやコーラスに入ることでバンドとしての厚みを出すをことを狙っているのかなと想像しました。
似たようなアプローチのギタリストとしてLUNA SEAのINORANさんがいますね。
そういえば、INORANさんのメインもジャスマスターでした。
これは狙ったものなのでしょうか?
話を戻しましょう。
そんな試行錯誤、実験的な要素のある曲の1発目として「声なき魚」を聴くとまた、違った解釈ができると思います。
ギターソロはオルタネイトピッキングを用いたオーソドックスなオクターブ奏法。
テクニカルな速弾き、単音引きのフレーズより勢いが出せつつ、ライブ時
ソロの終わりから歌に戻ることを考えてのオクターブ奏法の選択と感じました。
個人的にはガルクラの曲の中で一番コピーしてみたい楽曲ですね。
また、伝わるかどうか分からないのですがタキタロウの好きなバンドでアシッドマンというバンドがあるのですが、ギターのアプローチはそのアシッドマンの3枚目のアルバム「equal」が近いと感じました。
更に具体的には言えば「FREAK OUT」や「colors of the wind」でしょうか。
これらも概要欄に楽曲URLを載せておきますので是非聴いてみてください。
Acidman/Freak Out
ACIDMAN - colors of the wind
第2位の「声なき魚」でした。
■第1位 空白とカタルシス
それではいよいよ第1位の発表します。
第1位は「空白とカタルシス」です。
細かいことは何も言いません。まずは11話を見て頂ければと思います。
はい。大丈夫でしょうか?
ここからは11話を最後まで見た方前提でお話していきます。
まずは脚本、ライブ映像、そして楽曲すべての要素があわさっての正に見ている人へのカタルシスを演出していると感じました。
本当に、本当にラスト3分の映像にこれまでのすべてを集約させてきましたね。
このままだと、ただのタキタロウの感想文に
なりそうなので楽曲の考察に入ります。
「空の箱」で物語がスタートして、方向性の模索として「声なき魚」が生まれその途中で「視界の隅 朽ちる音」や「名もなき何もかも」を経て
集大成的な位置づけとなっているのが
「空白とカタルシス」になっていると思います。
「声なき魚」のところでも紹介した通り、
桃香さんは曲作りについて試行錯誤していることが伺えます。
ですが、この曲いい意味で空の箱の文脈を残しながら、
新しい形へ昇華された楽曲となっています。
空の箱のところで「桃香さんバージョンの場合、薄い歪みのシングルコイルギターのバッキング、フレーズが印象的で比較的シンプルな味付けになっている」と解説しました。
こちらの方が好きという人もいると思います。
ただ作中では多くの人には支持されなかった。
ではどうすればいいのか?でもダイダスのような方向性には行きたくない。
そのための方向性の模索でした。
改めて聴きなおして頂ければと思いますが、「空白とカタルシス」は
自身のギタープレイは極力バッキングに徹しつつ、
バンドに置いてリードパート弾くようなフレーズをキーボードが担当。
その代わり自分がボーカルやコーラスに入ることで
バンドとしての厚みを出すをことを狙っている
こちらを体現した楽曲になっています。
(とは言え、冒頭のルパさんの歪みベースの掴みは虚を突かれました)
そして、ギターソロでも工夫が見れますね。
シングルコイルのギターを歪ませるだけではどうしてもパワーが足りない。
そんな状態でただソロを弾いてもインパクトに欠けてしまう。
そこで桃香さんはワウペダルを導入していました。
定番機であるcry babyかVOXかは分からないですが、映像でもしっかり確認できますね。
売れる曲というより、現代的に言えば各種SNS的に複数回再生されるような曲を狙うならばごく短い4小節や8小節の中に音数を増やし、印象的なフレーズをこれでもかと入れることが鉄則になりつつあります。
それはある種「空の箱」や10から20年前の邦ロックとは別方向のアプローチです。それでも自分たちが良いと思う音楽はこれだ!多くの人にも伝わる形にするにはどうすれば良いのか?を考えた末での作中でのアンサーが「空白とカタルシス」だとタキタロウは受け取りました。
【ガールズバンドクライ】第11話挿入歌「空白とカタルシス」
さて、ここまで読んで頂きましてありがとうございました。
今回前編を含めて考察するにあたって、リリースされているガールバンドクライの楽曲はすべて網羅したのですが、やはり好きになる曲というのはストーリーに紐づく曲になりましたね。
大昔から音楽とストーリーには綿密な関係性があり同時に発展してきた経緯があるだけあって、人の心を動かすために必要不可欠なものなのど再認識しました。
また、いちクリエイターとしてヒットしているものを分析し、そこに傾倒していくのか、自分が良いと思ったものを信じ突き進むのかは恐らく一生のテーマとなってくるのですが、タキタロウの中ではまだ答えは出ていません。
ごく短期間局地的にヒットしてあっという間に忘れられていくものより、長く人に愛されるようなものを作りたいとは考えていますが、いやはや難しい。
すいません。少し話が逸れましたね。
今回の記事は元バンドマン、ギター歴20年のオッサン視点から見た、トゲナシトゲアリのおススメ曲をランキング形式にして発表しつつそれらの曲に焦点を当てながら考察していきました。
見てくれた皆さんのお気に入りは入っていましたでしょうか?皆さんの1番の曲もコメントで教えて頂ければと思います。
いつも通りですが、今回話してきた内容はもちろんタキタロウのいち解釈ですので、いやいや全然違うしみたいな意見あればこちらも教えて頂けると幸いです。
それではタキタロウでした!バイバイ!
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■コピーライト&引用元
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