見出し画像

賢い講義、とくにゼミの選び方

滝川沙希です。
ツイッターの更新などはしておりませんが、書き溜めた原稿を投稿することがあります。

よろしくお付き合いください。

大学の先生の生態

皆さんが想像している以上に、大学の教員は、大学を行き来します。
受験でなんとなく思っている皆さんの「大学の序列」とは、しばしば関係がありません。

異動の理由は、人事上の理由(仲が悪い、いじめられる、昇格させてくれない等)、研究環境(海外に出してくれない等)、報酬立地条件(田舎だと研究者での集まりに参加しにくい)、定年家庭の事情(親の介護等)・・。

逆に考えると、有名大学だから必ずしも有力な学者・研究者を揃えられるとは限らないということです。

ここで、憲法学者であった阪本昌成博士の場合を紹介しましょう。多くの大学名が載っていますね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%AA%E6%9C%AC%E6%98%8C%E6%88%90

九州大学を去るときの一言は、こちら。
http://www.law.kyushu-u.ac.jp/general/news/006/6-4-5.PDF

学生からの視点

卒業して数年たつといなくなるどころか、皆さんと一緒に「卒業」する先生、さらに、皆さんより先に「卒業」する先生もいます。そうした場合、ゼミの集まりなどは非常に困難になります。

かつて学んだ大学を訪れたところで、そこに先生がいるとは限らない訳です。20年もたてば、知った先生さえいないでしょう。

こうした視点を強調すると、ある程度「ドライ」に考えることができます。ある程度の実力がある先生であれば、大学をヴィークル(乗り物)のようにわたっているのが実態ですので、皆さんの方でも、「わが師」としてウェットな感情を持たなくてもよいと割り切ることができます。

こうした視点をあえて述べるのは、私の周りで、師弟関係がこじれた例が多かったからです。
とくに大学院(研究大学院)に進学したい学生にお伝えしたいのですが、その先生を人格的に信頼できるかどうかは、大変重要な問題だと思います。

自分が勉強したい分野に近いからという理由だけでその先生の門をたたく必要はありません。別の大学院に行っても良いわけです。

基礎演習でお世話になったからと言って、その先生の下で卒業論文・演習を行う義理もありません。

さらに、それなりのところであれば、法科大学院の場合はどうでもよいでしょう。合格率が高いところ、学費が安いところ、家から近いところなどの基準でよいでしょうね。

人格的に信頼できる先生の下で、自分が好きな研究をすることができるかが重要です。教授の中には院生に、自分の仕事の下請けをさせることがよくありますが、そのボリュームが多い場合は、自分の研究などできるわけはありません。また、必要に応じて相談に乗っていただける先生が良いですね。

海外の場合、特定の先生からの影響が強くなる弊害を避けるために、主任の先生を複数配置するところがあるようです。しかし、これも善し悪しで、先生同士が互いに遠慮して結局、「放任状態」に等しくなることもあります。

重要なことは、自分の力量を正しく見極めることです。あまりにはやくアピールする必要はありませんが、GPAは高いことが必要です。あなたを取り立ててやろうという教員が、他の教員に説明しやすいでしょう?

まとめ

智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに、人の世は住みにくい。

できればサポートお願いします。法律学の勉強の苦痛から少しでも皆様が解放されるように活動しています! 新規六法の購入費用に充てていきます(笑)