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テラスは街を変えるか

グランドレベルが大事だと、日本のジェーン・ジェイコブスこと田中元子さんが訴えに訴えて、ウォーカブルのまちづくりを国が推進し、色々な都市の中心部で道路空間のリノベーションが進む。
とはいえ、まちなかのベンチは悲しくなるほど少ないし陳腐だし、ウォーカブルとかいって、やってることは歩道を広げてベンチ置くかマルシェだし、となかなかその本質的なところまでたどり着いていないように思う今日このごろ。
そんな折、わが青春の天王寺ミオにたまたま立ち寄ったとき、ミオガーデンテラスなるものが出来ていることに気がついた。調べてみると、もう2年も前に出来ていて、ほんますんませんという感じだが、壁一面のセレッソの広告も相まって(天王寺ミオさんはスポンサー)、とても素晴らしい。
向かいの近鉄百貨店を見れば一目瞭然だが、大体こういうハコモノ商業施設は、1階が一番賃料がとれるので、ここにハイブランドや化粧品店を入れる。人を吸い寄せる目的的な書店やレストランは上層階に、デパ地下は立ち寄ってほしいから駅から近い地階に。というリーシング第一で、ご飯を食べたり、本を読んだり、人と待ち合わせたり、みたいな街に表れてほしいシーンをグランドレベルにデザインするというのが恐ろしく軽視される。1階はカッコいいディスプレイどん!である。カッコいいかもしれないが、それでは街への愛着は生まれない。
と、ここまでミオさんが考えたわけではなく、目の前のバス待ちの人たちに、1階店内にある食物販を買い食いしてもらうためにつくられたかもしれないが、それでもストリート文化あふれる天王寺にふさわしい街路空間になっていると思う。(かつて天王寺といえば、ストリートミュージシャンの聖地みたいなところだった)
こういうストリートテラスみたいなものがあればあるほど、街路空間は魅力的になるし、ここに座り、街を眺めれば眺めるほど、そこに出会いが生まれ、発見が生まれ、愛着が生まれるはずだ。
そして、テラス席でふと見上げると、香川の精悍なポスター。今週末セレッソの試合でも行ってみようかしらとなってくれたら、最高ぉじゃないか。

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