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【物とのご縁】~ギリシャ製シルバーアクセ購入編~

指輪を購入しました。それも自分では選ばないボリュームのあるシルバーアクセサリー。「ご縁」というものは人と人だけではなく、人とモノとの間にも存在するのでしょう。呼ばれたという表現がぴったりの出来事でした。

昨日、清水寺の夜間拝観を見たいと思い立ち、京都に行きました。腹ごしらえのために立ち寄ったジェイアール京都伊勢丹で、まだ時間に余裕があったので店内を見て回ることにしました。
いつもは通りすがりに眺めるだけなのに、ショーケースに並んでいるアクセサリーが気になってふと立ち止まりました。そこに期間限定で出店していたのが、ギリシャ製シルバーアクセサリーを販売されている「ウエルダ」さんでした。

ギリシャの伝統的なモチーフを使ったモダンなデザインのアクセサリーの数々は、ギリシャ人の奥様が日本人に似合うアクセサリーを探して販売されているそう。接客してくださったご主人が教えてくださいました。
伝統的なモチーフにはすべて意味があり、どんぐりは「幸運」、渦巻(ギリシャ雷文とも呼ばれる)は「魔除け」と「幸運」。(もっとたくさん教えていただいたのですが覚えきれず…。)

ヨーロッパではアクセサリーは母から娘へ、娘からまたその娘へと受け継がれていくもので、実際に奥様が使っていらしたネックレスを今はお嬢さんが楽しまれているそうです。幸せになってほしいと思いを込めて受け継がれていくなんて素敵。

「ちょっと遊んでいきませんか」と色々な指輪を試着させていただいた中に、とてもしっくりくる一本がありました。ギリシャの職人さんが一枚の板をハンマーで叩いて成形し、波模様を刻んだ指輪。
波は水と風、自然が起こすもの。人の一生もまた、自分の力ではどうしようもないことが起こるもの。ギリシャ女性は「人生に良い波が寄せますように」という願いを込めて、波モチーフを身に着けるそうです。

サイズは一番手が綺麗に見える中指にピッタリ。素材はスターリングシルバー。ギリシャのシルバーは黒ずみをほとんどせず、お手入れは年に一度布で拭くだけ。ズボラな私にも安心して扱えます。
基本的にサイズ直しはしないそうで、サイズが合うのも、ボリュームがあるのに着けていてしっくりくるのも、お手入れいらずなのも、ぎりぎり手が届くお値段なのも、めぐり合わせと言わずして何と言うのか。
何より普段は華奢なアクセサリーしか着けないのに、鏡を見た時に違和感がなくて驚きました。「指輪が呼ぶことがあるんですよ」と聞いて、これはご縁だと購入に至りました。

指輪は、お嫁に出すからと丁寧に箱に納められました。「ウエルダ」のご両親の愛情を感じられて、身が引き締まる思いで受け取りました。今のところ子を持つ予定はないけれど、年老いて墓場に行くまで、もしくは大切な誰かに譲り渡すその日まで愛情を込めて大切にします。

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「アクセサリーは個性なんです」

日本とヨーロッパのアクセサリーに対する考え方の違いを話してくださる中で、仰っていた言葉です。アクセサリーは自分を表現するものだと。
30代半ばを過ぎてファッション迷子の私。みんなと同じような服を着て、同じようなものを持って、同じようなアクセサリーを着けて。似合っているのかどうかもわからず、流行に流されて。私らしさって何だろうと悩んでいるタイミングのこの言葉にドキッとしました。この指輪はきっと私らしさを見つける第一歩なのでしょう。

腹ごしらえをして、清水寺に向かおうと店を出ると外は雨。昨日に限って折りたたみ傘を持っていなかったので、夜間拝観は諦めることにしました。
これもまた、ご縁。

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