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日記;20240210 Homecomings、御所の木は太い

 起床、丸太町まで行こうとしている昼までできることないねと言いつつも、実家近くにある昔はタバコプンプンの来たい人だけ来れば感があったのに、わたしが上京したあとオシャカフェ路線へイメチェンしたカフェに行き、前日分の日記を書いた。

 HomecomingsのライブはKBSホールだった。メンバーが薦めてくれたお店にも行きたかったけれど、今回は母とそば屋「花もも」へ。すだちそば(温)を食べた。びっくりするほどおいしい。花ももはなんだかんだ2回目で、源さんが来たことある、というふれこみでの初訪問だったけど2回目はただただおいしかった。京都の、御所の南。丸太町通り沿い。裁判所横。ぜひ。

 そのあと、かもがわカフェで時間つぶすか?と言いながら河原町を少し入ったところを上がっていると母が誠光社を見つけた。母の知らない本屋、わたしの大好きな本屋。誠光社はマジで東京に欲しいくらいの選書の良さと空間のちょうど良さ(蟹ブックスくらいの広さで縦に長い)。荷物になるし今月は本を買いすぎているので、わたしは買わなかったけど、母がめっちゃうれしそうに文庫本を2冊買っていた。なんか自分が文学部に入ったことによって母が目を輝かせる機会が増えたような気がする。母的には学費を払ったぶんの見返りの一種になるのだろうか。母は京都の町中華の本と源氏物語京都弁訳本を買っていた。両方大垣書店にも置いてありそうな本だけど、ここだからあっさり手に取ることができたのかなとか思う。次の帰省では恵文社も行きたいな。

 いい時間になり、KBSホールへ向かう。御所を西から東へ突っ切った。少年野球にいそしむこどもたちが遠巻きに見えて、自分の人生においてあの中の一部だった瞬間があること、その先も6年くらいは野球をした事実のことを思う。そして少年野球というのは親の参加を求められるもので、となりにいる母もまたそこにいたのだ。

 人生が次々積み重なっていく、フェーズが変わっている。小学校卒業および両親離婚までがファーストシーズン、高校卒業までがセカンドシーズン、大学卒業までがサードシーズン、そして11月末までがフォースシーズンだと思っていたけど、多分まだフォースシーズンが終わり切っていない。地続きだ。それを結婚とかのような分かりやすいマイルストーンにするつもりはないけど、フォースシーズンの終盤の到来というのはいかなる感じで、など思う。御所の木の幹はどれも太く、頼りになる。

 Homecomings "New Neighbors FOUR Won't You Be My Neighbor?"このイベントをもって、ドラムのなるみさんは卒業される。初のKBSホールでの自主企画イベント、ゲストにはなんとくるり。それもあって、今回はわたし一人ではなく、くるりファンの母とともに参戦である。1曲目が『ブレーメン』で母は両手で顔を覆っていて少女みたいだった。ホンマに好きなんやな。『琥珀色の街、上海蟹の朝』feat. 畳野彩加さん(Homecomings)がレア過ぎてすごい。彩加さんの声は「透明感」なんて一言にまとめてよいものではなく、複雑さをはらんだものだと思う。まっすぐ、ズドンと心に到来することもあるし、ユーミンを思わせる「揺れ」もある。そんな彩加さんの上海蟹。ユカリさんによる原曲のコーラスは溶けいるようで明らか夜だけど、彩加さんで聴くと朝、という感じだ。夜明けというより、朝。朝が持つ美しさは朝焼けだけに限らず、1日の始まりを告げるまっすぐな日の光というのもまた美しいのである。『Remember Me』も初めて聞けて良かったな。あと、母と「やはりCalifornia coconutsは名曲だ...」で一致した。

 そしてHomecomings。一曲目から『Songbirds』!泣いちゃうよ~。その後も『Cakes』来るし。やはり最後だからなるみさんのドラムを見ちゃう。めっちゃ力強く叩く。すごい。その力強いドラムによる『Euphoria』がこの日一番良かった。ホムカミは明らかにやさしい、のだけれど歌唱もプレイもけっこう力強くて、やさしくあるために全力で戦ってる人たちなんだということが伝わってくる。2021年冬のイベントではじめてライブを観てからちょくちょくホムカミのライブには足を運んでいるけれど、福富さんは見るたびにギターヒーローになっていくなあ。

 岸田さんが「ホムカミを紅白に連れて行ってあげていってください」と言ってた(まずあんたらが出てくれ)がほんとうにそんな日がきたらいい。

 ダブルアンコールでようやく『HURTS』。ダブルアンコールは予定になかったらしく(けっこうホムカミのライブでは起こりがちだが)、何と撮影OK。温かい雰囲気、というのはこれのことで、福富さんが「なるの卒業をお祝いにきてくださってありがとうございます」と言っていたように、これはまさしく「卒業ライブ」だと思った。ホムカミは京都精華大学の部室から始まったバンドということを、幕が上がったKBSホールのステンドグラス、その前で4人向かい合っている姿を見て思い出した。バンドサウンドというのはギターやドラムをかき鳴らしさえすれば永遠を生み出すことができるけれどいつかそれを終わらせなきゃいけない、終わりなきものなんてない、でもホムカミ自体はまだまだ続く。

 ライブが終わって、後ろの方で見ていた母と合流。母は2018年頃に同志社のホールで開催されたホムカミと岸田繫のイベントでホムカミを見ていて、「あの子らがこんなに立派に...」と謎に親目線だった。インスタを見たら3人だけのアー写がアップされていた。けれどもその腕には4つのぬいぐるみ(ホムカミのマスコットも)が抱かれていてすごく良かった。「さみしいけれど前に進む」ということをあらわすのにこれ以上のものはないと思った。すごい。

 今出川の「松乃屋」に行こうとしたけどやっておらず、二条まで戻って天下一品二条店で食べた。母、めちゃくちゃ食べていておもろい。ここは学生時代の思い出の地らしい。帰宅して、次の日ある程度早いので眠った。

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