激しいのに、泣ける。 9mm Parabellum Bullet 8thアルバム 『DEEP BLUE 』全曲語り倒します
初めまして。9mmを聴くために生まれてきた男、たきみつくんです。
大好きなアルバム『DEEP BLUE』。語らせてください。
1.このアルバムについて
9に愛されたバンド、9mm Parabellum Bulletが2019年9月9日に発売した8枚目のアルバム。(惜しい!9枚目ならロイヤルストレートフラッシュ)
はかなさと重厚感をかね備えたサウンドで、言うなれば美しいメロディーが容赦なくぶん殴ってくる感じ。
激しいのに、泣けます。
■みつおくんの注目ポイント-滝さんのギターの音色-
「Beautiful Dreamer」「Mantra」などで聴ける、特徴的なオルガンサウンドがもはや異次元。ギター辞めてる。
2.各曲レビュー
※愛が強すぎて大変長文になっています。
M1. Beautiful Dreamer
いわゆる名盤と呼ばれるアルバムは、一曲目を聴いた瞬間「はいキタ。最高。」となるものである。この曲も例外ではない。
荘厳なイントロも束の間、ダカダカダッとキメたらそこからは滝さんの独壇場。
新必殺オルガンサウンドで異次元なリフを弾きまくる。(ここで僕は死んだ)
卓郎さんの力強くも儚い歌声に惹き込まれながら楽曲は進む。
和彦さんのシャウトも健在。サビ前にそんなことされたらテンションやばい。
かみじょうちひろさんのドラムのスピード感は、三拍子だと悟らせない意地を感じる。
(9mmほど三拍子がかっこいいバンドはいないと思う)
このMVが公開された日はとある思い出がある。
その日、僕は鶯谷のライブハウスでキツネツキのワンマンライブを観た。
最高のライブだった。
感想をだれかと共有したいところだが、語り合う友人もいない僕は、
余韻に浸りながら1人帰路についた。
ライブの途中、卓郎さんがMCで言った、
「9mm Parabellum Bullet というバンドが、今日新しいMVを公開するらしいよ」
という言葉に胸を膨らませながら。
家に着き、パソコンを開き、ビール片手に初めてこの曲を聴いた。
脳天直撃のかっこよさに、50回くらいリピートした。(誇張はしていない。10回目以降は、お酒が進みすぎてニヤニヤしながら泥酔状態で画面を眺めていた。)
今後9mmのライブで、観ているみんなが「You’re Beautiful Dreamer!」と声を合わせて叫ぶんだろうな、と興奮した。
こんなにも「激しさ、美しさ、儚さ」を兼ね備えたバンドがいるでしょうか。
生まれてきてくれてありがとうございます。
■みつおくんの大好きポイント
2:29〜 2人が織りなすハーモニー
「見せてくれ」の卓郎さんと滝さん。とっても美しいです。尊い。
M2.名もなきヒーロー
「誰もがみんな、名もなきヒーローとして戦っているんだ」と歌ってくれた、応援ソング。
2019年3月(MV公開時)当時、この曲がこんなにも僕たちに勇気を与えることになると誰が思ったでしょう。
明るい未来じゃなくたって
投げ出すわけにはいかないだろ
また明日 生きのびて会いましょう
2021年になった今も、世界はかのウイルスと戦っています。
そんな僕たちに「また、生きのびて会いましょう」と歌ってくれていたこの曲。
救われたという方も多いのではないでしょうか。
「誰もがみんな、名もなきヒーローとして戦っているんだ」と歌ってくれた9mmが、僕にとってはヒーローです。
もちろん、卓郎さんの歌は素晴らしいですが、他にもこの曲の見どころはたくさんあります。
まず、曲の構成がなんとも面白い。
イントロのギターがサビのメロディになっているんですが、イントロ以降そのフレーズが出てこないんですよね。
だからサビを聴いた後には、なかなか気づけない。
2度目を聴くと「あ、サビのメロディだったんた」となる仕掛けが面白いと思いました。
そして、MVの滝さんがかわいい。
少年のようにつぶらな瞳がもう。(末期)
■みつおくんの大好きポイント
3:04〜 ズクズクジャーー!ギューーーーン!
静かなサビからのブレイク、そしてこのキメ。
初めて聴いたとき、かっこよすぎて笑っちゃったのを覚えています。
9mm MOBILE名誉会長兼スーパーギタリストの武田さんも、これをおかずに飯が食えると言っていました。
M3.カルマの花環
9mm Parabellum Bullet はV系の要素があると言われますが、それを体現しているのがこの曲でしょう。
変なフレーズ、変な音色に、怪しい歌詞。何より頭が振りやすい。
これは LUNATIC FES に呼ばれるのも不思議ではないです。
サビを始めて聴いた時、隣でバンギャがヘドバンしているのかと思いました。
(アウトロで、みんながバチっと止まるブレイクを連発してくるの、シュールすぎませんか?僕は笑ってしまいました)
■みつおくんの大好きポイント
ド変態&ド直球なベース
この曲のベース、とにかく聴いていてめちゃくちゃ気持ちいい。
変態フレーズと疾走フレーズが折り重なる展開がクセになります。
また、随所でかましてくるグリッサンドは絶頂不可避。(ブゥーンってやつ)
M4.Getting Better
\ぽっ!/
■みつおくんの大好きポイント
1:20〜 \ぽっ!/
(ベースが最高です。もっとベースをフューチャーした曲作って欲しい…)
M5.夏が続くから
卓郎さんが、ソロで爆発させた歌謡感引っ提げ9mmに舞い戻ったかのような、哀愁や懐かしさが素敵。まさに菅原・アダルティック・卓郎降臨の一曲。
■みつおくんの大好きポイント
0:15〜 風景の広がりを感じる歌詞
誰かの声に 振り向いて飛ばされた 麦わら帽子は
気にもとめずに サンダルを脱ぎながら かけ出す砂浜
この曲を聴いている人の目線は麦わら帽子を探しにいっているのに、曲の中の登場人物は、気にもとめず砂浜へとかけ出していってしまいます。
その「ふと置いていかれた感」が、曲の導入から哀愁を演出しています。
よっ。名作詞家、菅原卓郎。
M6.21g
「21gってなんの重さか知ってる?」
「魂の重さらしいぜ」
こんな会話が容易に想像できる、中2ど真ん中のタイトルからは想像できないほどの名曲がここにあります。
特にBメロからサビへの広がりは、まさに宇宙の果てまで辿り着けそうな開放感。
宇宙の果て
誰もがいつか消えちまうなんて
地球のすみ
命に重さがあるだなんてさ
遥か遠く宇宙の果てから、この地球のすみっこへ。
こういう対比の遊びが効いてる歌詞、大好きです。
■みつおくんの大好きポイント
シングル版『名もなきヒーロー』に収録されている、
カオスの百年2018@札幌のLIVE音源のサビ
卓郎さんの絞り出すようなサビがとってもグッときます。おすすめです。
M7.Mantra
とんもない音圧の中、「大人たちが何かを叫び続けるているだけ」という恐ろしい楽曲。
この破壊的で暴力的な、たった1分の刹那さに、初期から流れる9mmの魂を感じずにはいられません。
ライブでは「みんな、なんでも好きなものを叫んでね。アンパンとか。」と迷MCをかまされるので(うろ覚え)、皆さんも好きなものを叫びましょう。
私は「滝滝よしみつーー!」と叫びました。(末期)
■みつおくんの大好きポイント
0:01〜 叫び
あなたも一緒に叫びましょう。
M8.Ice Cream
アルバム随一の極悪サウンド。
あれ?血みどろベルサイユ宮殿?と勘違いしてしまうほどです。
こんなボブ・サップみたいな曲が不意に現れても、アルバムに溶け込んでしまうのが9mmの音楽性の広さを表していると思います。
溶け込んでしまうんです。アイスだけにね!!!!
ドロドロに溶けて ダラダラこぼれて
元に戻れないのに 愛を
叫ぶつもりも ないでしょう
アイスクリームで愛をスクリームする男、菅原卓郎。
■みつおくんの大好きポイント
3:09〜 遊びゴゴロ満点のギターソロ
一見とっても愉快なギターソロなのに、笑顔の仮面の下で泣いているピエロが見えるのは僕だけでしょうか?
ストーリー性を感じるギターソロですよね。
M9.DEEP BLUE
MVが泣ける。
多くは語りません。
ひとりじゃ何もできなくなりました
君と出会ったばかりに
僕も、9mmと出会ったばっかりに、
彼らのライブ無しでは生きられなくなってしまいました。
■みつおくんの大好きポイント
MVを観て泣く
在りし日の9mmと、これからの9mmに想いを馳せて泣きましょう。
M10.君は桜
こんなところに、最高にエモい卒業ソング。
君は桜…?
\命をー!燃やしー!尽くせー!!/と叫んでいた彼が?
何をヤワなこと言っているんだ…
と思ったそこのあなた。それは大きな間違いです。
この曲には、おおよそ世界にある8ビートのエモパターンが全部入っています。
しかも、それはもうドラマチックに。
曲の構成、最強の美メロで舞うボーカル、どこを切り取っても最高の一曲です。
こんな名曲がアルバムの片隅に隠れているとは、9mm恐るべし。
それにしても、ここまで「君は桜」としっかり言い切られると、「僕は桜なのかもしれない」と思ってしいますね。アンパンマンは君さ以来の衝撃です。
■みつおくんの大好きポイント
圧倒的にドラマチックなドラムの展開
特にサビのドラムパターンが毎回かっこいいです。
何度も言いますが、この世にあるエモいパターン全部乗せです。
かっこよくないわけがない!
M11.いつまでも
疲れている時に聴きたい、優しさが染みる一曲。
何もやる気がない、でも眠れるわけでもない。
何をするわけでもなく、ただ天井を眺めるだけの夜。
そんな夜がきっとあなたにもあるでしょう。
そんな時はこの曲を聴いて卓郎さんの優しい歌声に包まれることをおすすめします。気づいたら涙が溢れていますよ。
■みつおくんの大好きポイント
2:42〜 優しさの卓郎→渾身のギターソロ
優しさに包まれたら状態になれること間違いなしのCメロから、滝さんのギターソロ。こんなの涙なしでは聴けません。
遠く離れても すぐそばにいても
変わらないものを 見つけたいね
きっと神様も とがめはしないよ
僕たちがそれを 信じたって
9mmが得意とする極悪三拍子ではなく、優しさの三拍子がここにあります。
M12.キャリーオン(Album ver.)
アルバムの最後を飾るのは、スーパークールな三拍子ロックナンバー。
9mmの必殺三拍子は、「The World」「Wanderland」や「命ノゼンマイ」「生命のワルツ」などなど、キラーチューンがたくさんあります。
それでも、9mmの三拍子はダークでヘビィ、荒廃的な印象の曲が多かった。
しかし、この曲はかなり爽やかで、その疾走感はポカリ飲みながら走り出したくなるよう。
(9mmばかり聴いていると、他人と「爽やか」の基準がズレているように感じます。ここでは9mmの楽曲の中では爽やか、ということにしておきましょう)
それは歌詞からも感じることができて、
翔び去ってく 渡り鳥は
白い羽根を広げて
高鳴ってる 胸の音に
合わせ歩き出そうぜ
出だしからこれ。
めっちゃ爽やか。(卓郎さんの歌詞、鳥類出過ぎ問題)
あと、かみじょうちひろさんのドラムがやばい。
シンプルに速い。シンプルすぎて気づかないくらい速い。
バスドラ気持ち良すぎ。
9mmの楽曲に共通する大好きな要素があって、
ものすごい速さ(テンポ)なのに歌が急いでないんだよね。
ちゃんと耳に残るというか。
しっかり歌謡の要素がある。そのバランス感が大好き。
(この野音、観に行ったなあ…)
■みつおくんの大好きポイント
2:22〜 サビ終わりのキメ→アウトロ
キメからアウトロに突入するのも、9mmの必殺技ですね。
一瞬のブレイクをぶち破って突入する瞬間、アドレナリンが出まくります。
3.総評
前作『BABEL』と比べると、かなり研ぎ澄まされた、歌モノ感の強いアルバムに感じました。
この『DEEP BLUE』は、本当に卓郎さんのボーカルが良いんです。
儚いのに、力強い。繊細なのに、芯がある。
唯一無二の存在感を獲得しているのではないでしょうか。
歌詞の面でも、「前向きに、勇気を持てよ!!」とポジティブを正面からぶつけてくるのではなく、卓郎さん自身の内面を打ち明けながら、一緒に寄り添ってくれている感覚になります。
押し寄せる不安だとか
プライドは手強いね
(手強いです…)
初めて9mmを聴いて、ライブを観て、とにかくフルパワー、嵐のように全てぶっ壊して通り過ぎていく印象がありした。
そのパワーはそのままに、
よりバカテクになった楽器陣と、その上に舞う卓郎さんの歌声。
激しいのに、泣ける。
そんな素晴らしいアルバム『DEEP BLUE』への愛を語らせていただきました。
長文、お付き合い頂きありがとうございます!
(卓郎さんの歌声も、もはや難しいことをやっていると感じさせないレベルの楽器隊も健在。これからも応援しています!)
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