「最後の本」は、「自分」のために作りました。/今週の、いちばん。48
「退職月 マジで一番 忙しい」
というわけで、FB等々でつながっている方にはほぼ周知の事実ですが、私、滝啓輔は、今月末で約10年間勤務した日本実業出版社を退職します。
で、企画の引継ぎ、退職関係の事務作業、新しい会社への交渉事(まだ全然やってないけど)、送別会ラッシュなどで、本当に忙しくて。
まあ「退職者川柳」の一句でも詠みたくなるわけですよ。
それはさておき、本日、僕が日本実業出版社で企画からフィニッシュまで携わった「最後の本」が発売になります。「今週の、いちばん。43」などでも触れていた、
今日はこの本にからめて、「企画」について少し書きたいと思います。
よく、なかなか企画が浮かばない新人編集者に、「自分が読みたい本を考えてみなよ」とアドバイスする人がいます。
不特定多数の読者について考えるよりも身近な一人、しかもそれが「自分」なら、読者のニーズもクリアに見えてくる。
事実、僕も昔は、自分が関心がある「時間の使い方」「コミュニケーション」「企画術」などのテーマの企画をよく考えていました。
けれど、ある程度編集者として経験を積むと、この考え方ではマンネリになるなと思ったんです。
というのも(めちゃくちゃ幅広い好奇心がある人ならまだしも)、僕のような凡人の場合、「自分が読みたい」ものだけ考えていると、似たような企画ばかりになってしまうので。
そこで、僕はある時期から「自分の身近にいる誰か」にプレゼントするような気持ちで、企画を立てるようにしました。
『子連れ離婚を考えたときに読む本』は、数十年前の僕の母へ。
『「働くパパ」の時間術』は、他社のイクメンMくんへ。
『がんばった分だけ認められる 女子の仕事術』は、ひたむきに働く女友達へ。
こんな感じで、身近な「他人」を対象読者に本を作ることは、なかなか大変でしたが、自分の企画の枠を広げることに役立ちました。
けれど、今日発売の『100%、「好き! 」を仕事にする人生』は、原点にかえって、やはり「自分」のために作りました。
「編集」という大好きな仕事に巡り合えたけれど、それでも日々、いろいろな葛藤があり、働き方にも、ひいては人生にも迷いがある。
36歳という、干支を三回りするような年でも、「これでいいのか」という問いをいつも心に抱えている。
そんな「自分」の人生を、たとえ1ミリでも変えられたらと思って作った「最後の本」。そんな本が、今日から書店に並んでいきます。
身もふたもないお願いですが、書店で見つけたらぜひ手に取ってください。ネット書店で見かけたら、商品説明をご覧ください。
そして、少しでもいいなと思う箇所があったら、ご購入いただけたら嬉しいです。
「好き!」の気持ちを大切にすることが、人生を大きく変えると思うので。
「自分」のために作った本ですが、「自分」の後ろには何千、何万とこの本を待つ読者がいると信じています。
今週のいちばん、「自分」がワクワクしている瞬間。それは3月19日、(まだチェックできてませんが)どこかの書店に、『100%、「好き! 」を仕事にする人生』が並んだ瞬間です。
*「今週の、いちばん。」は、その1週間で僕がいちばん、心が動かされたことをふりかえる連載です(下の「このマガジンに含まれています」のリンクから全部の記事が読めます)
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