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「もう、いいよ」と思ったあとに、僕らはどれだけ粘れるか。/今週の、いちばん。43

最近、われながら泣き言が多い。
といっても、聞かせる相手もいないから、ひとりきりのオフィスでつぶやいているだけなのだけど。
3月中旬に出る予定の担当作『100%、「好き! 」を仕事にする人生』が、なかなか手間のかかるつくりで、連日、結構な時間まで働いてるのだ。
ただ、ここでその多忙ぶりをグチグチ書く気はない。
むしろ、この本の編集を通じて、「すごい人にはこういう特長があるのかも」と思ったことについて書きたい。

先日、この本のカバーに使う予定の写真を、著者の方の会社のショールーム、リグナテラス東京で撮影してきた(今週の、いちばん。41のロケハンはこのためのものだ)。
僕とカメラマンは下見もしているし、僕自身にはカバーのイメージも当然あって、撮影がスムーズにいくのではないかと思っていた。
ただ、実際の現場はそうではなかった。
撮影場所、服のパターン、ポーズ、著者の方からその場でいろいろな提案をいただき、その都度判断して、結局200枚以上の写真を撮影した(それに加えてブツ撮りでも200枚以上撮影した…)。

一例を挙げれば、服だけでも以下のように変えた。

こちらが素直に考えた起業家らしいスタイル(白シャツに青いタイ)

著者の方の提案でもう少しラフなスタイル(緑のシャツにグレーのタイ)

そして著者の方の再提案でタイを戻した(緑のシャツに青いタイ)
*ちなみに撮影場所も移っている

僕は下見のときに何枚か写真を撮られて思ったけど、カメラマンの指示のとおりに撮影されるのは、けっこうな肉体労働だ。
手の位置やら、首の傾きや、口角の上りぐらいといった微妙な調整をくり返す中、どこかで「もう、いいよ」と言いたくなっても仕方ないくらいである。
けれど、今回の著者の方からは、その言葉は出ない。
彼は、下手したら編集者の僕が満足していまいそうなタイミングからでも、何枚でも何十枚でも粘って、ときには新しいアイデアを出し、「本当のいい」にたどりつこうとしている。
成功者にはこの粘りが必要なのかもなと、この本を作っている期間、何度でも思った。

デザイナーズ家具オンラインショップ「リグナ」創業者の初の著書、
『100%、「好き! 」を仕事にする人生』
「本当のいい」を手に入れようと、日々あらゆるところで粘って、鋭意編集中である。
この本の「いちばん最初の読者」である僕は、皆様に先んじて、今もまた大事なことを学んでいる。
(ただし、校了したらノンビリ温泉とかに行きたいです…)

今週のいちばん、「粘る」大切さを学んだ瞬間。それは2月3日、茅場町の「リグナ」ショールームで、撮影に立ち会った瞬間です。

*「今週の、いちばん。」は、その1週間で僕がいちばん、心が動かされたことをふりかえる連載です(下の「このマガジンに含まれています」のリンクから全部の記事が読めます)

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