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仕事で、「サービス」してますか?/今週の、いちばん。63

約3ヶ月ぶりに、休日出勤をしている。
前職のときは、それこそ毎週のように土日もオフィスに出ていたけど、転職後はその習慣を改めたくて。
けれど、どうにも仕事が積み重なって、高田馬場まで来てしまった。
おかげさまで、多少仕事ははかどったけど、何かに負けたような気がしてならない。

そんなこんなで、以前よりも忙しい日々を送っている。
「納期」やら「生産性」という言葉がつねに脳内をぐるぐる回ってるような気分で、なかなかハードな毎日だ。
こういうとき、忙しさと引き換えに、失われていくものがある。
僕の場合(まあ、本当にいろいろなものがこぼれ落ちつつあるのだが)、いまはいちばん「サービス」というものを失いかけている気がする。

今週、サンクチュアリ出版で行なわれた「タイプフェイス渡邊民人&フリーランスデザイナー井上新八によるdesign × design」というイベントにお邪魔した。
お二人とも非常にお世話になっているデザイナーで(なお新八さんについては、このnoteでも紹介したことがある)、でも改まって仕事の話を聞く機会もそうそうないので、とても楽しみにしていた。
実際のカバーラフをもとにしたお二人のデザイン論はとても勉強になったのだけど、それとは別に、ふと新八さんが口にした言葉が刺さった。

「僕、デザイナーってサービス業だと思ってるんですよ」

実際、新八さんって、一流のホテルマンのように、どんどん先回りしてサービスをしてくれるのだ。
打ち合わせをしたら驚くような速さでラフを送ってくださったり、こちらが想定しきれなかったパターンのデザインも気を利かせて用意してくださったり、(僕はそこまで雑な依頼はしないけど)帯コピーの類が足りないときは勝手にそれらしい言葉を入れてくださったり。
同席していた民人さんが、「新八さんは、やさしすぎるよ」と言うのもわかるくらい、サービス精神にあふれている。

本来、こういったサービス精神は、どの仕事でも多かれ少なかれ発揮されるべきものだと、僕は思う。
……なんて言っておきながら、いまの自分は正直、余裕がなくて「頼まれたことしかやらない(というか、やれない)」状態だ。
以前の僕は(いまより暇だったというのもあるけれど)、もう少し「サービス」していたような気がして、悔しいというか、恥ずかしいというか。
あれだけ売れっ子の新八さんが、そこまでしているのに、もう。

すぐに改善できるようなことでもないと思うけど、たとえスパイス程度の量であっても、自分の仕事に「サービス」を入れ込みたい。
それを続けていくことで、僕も、もうちょっとましな仕事ができるはずだから。

今週のいちばん、「サービス」不足を自覚した瞬間。それは7月8日、千駄ヶ谷のサンクチュアリ出版で、新八さんと民人さんの仕事の流儀にふれた瞬間です。


*「今週の、いちばん。」は、その1週間で僕がいちばん、心が動かされたことをふりかえる連載です

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