食と、わたし

  さっきTiktokを開いたら「男で料理する奴なんなん??生産性がなさすぎ」っていうネタ動画??を見かけて、「これを本気で言ってるとしたら、わたしはまだまだ世間知らずなんだなぁ。」と思ったわたしです。

 今日、「お店何年やってるんですか??」と聞かれて、「7年くらいっす」と答えたら、「長いですね!!」と言ってもらって、ちょっとびっくり。まぁそうか、飲食の70%は3年で閉店するとか言うもんな。なんだかんだで、色んな人に助けてもらいながらも、頑張ってる方なのかもなぁ、わたし。まぁそもそも飲食店じゃなくね??っていうツッコミもあるけど(笑)。

 一応、肩書としてはギタリスト/ギター講師ではあるんですけど、結構料理をします。全てを知ると「えっ、そんなに料理してんの!?」ってみんながビックリするくらいだとは思います。お酒も大好きなので、こだわってます。グラスを冷やすために新しく冷凍庫を買い足したくらい、というとなんか大げさですけど、グラスはギンギンに冷えてた方が絶対美味しいからさ、これからの季節なんかは特に。なんか「せっかく来てくれるんだから、来てくれた人に対してわたしが出来る限りの事はしてあげたいぜ」っていう感じ。ウイスキーは安いニッカだけど、ちゃんと作ればニッカでも十分美味しいからさ、「ちゃんと作ってる美味しさ」があって、なおかつそんなに高くないっていう店にしたいなぁっていう。いい酒を使っても作り方が雑だと美味しくなかったりするじゃん。

 料理も「ちゃんと作ってる」ってのを大事にしたいなぁって思ってるんですよね。手間を掛けすぎてしまって失敗する事もあるんだけどさ、そういう反省を一つ一つ克服して、「ちゃんと作ってる」を継続したい。だからとにかく手間が掛かる。だからオープンマイク営業の時とか、お待たせしちゃう事も多々あるし、内側があからさまにバタバタと慌ててしまう事もある。

 そう考えると、「自分が客だったら、こういうのあったら嬉しいな」が全ての根本なんだなって思ったり。料理に関しても、雰囲気に関しても、音響に関しても、お酒に関しても、値段に関しても。

 もっといえば「こんな人間だったら、自分は仲良くなりたいな、面白い奴だって感じるな、こんなギターを弾く奴と友達になりたい、こんな料理をする奴と飲みたい」を体現しようとしているのかも知れない。わたしが好きな人間を、目指してる??

 ちょっと困るのは、お金儲けが下手くそ過ぎる事。1万円のPDF教材を100人に売れば、手間を掛ける事無く100万円稼げるというセミナーを卒業したのに、1000円のDVDを1000個作って、お金と時間と手間を掛けまくって結局そんなに儲けにならないっていう。でも前者みたいなお金の稼ぎ方をする奴は、わたしは好きじゃないんだという事。

 今もわたしは、わたしの歌を探している気がします。わたしの音を探している気がします。つまりは、わたしを探している気がします。これは一生続くのでしょう。

 ウタイストの、うちの相方、石河美穂ことみっちゃんが以前こんな事を申してました。「ツアーで長期間出かけると、外食が多くなって、作られた味に嫌気が差しちゃって、誰かが作ったご飯が食べたくなる」だそうで。全然、それ、理解できん。わからん。そんな事、微塵も思ったこと無い。わたしは毎日コンビニ弁当で十分幸せだ。そのくらいに全くその価値観は理解できないけど、偶然、わたしは凄く料理が出来るので、じゃぁせっかくだから作らせてもらえたら嬉しいな。それ、出来るので。

 出来る事で、誰かが喜んでくれるなら、出来る事を増やしたい。そんな事を思って色々頑張ってきたけど、そろそろ時間のキャパシティが許容範囲を超えているので、捨てる勇気を持てる大人にならなければなと思う近頃でございます。選ぶとは、捨てること。

 つまり、本当はすごくすごく時間が欲しい。


おわり


もしお気に召して頂けましたら投げ銭などはいかがでしょうか。1000円貯まると僕がサイゼリアでベルデッキオを注文出来る様になります。飲ませて下さい、ベルデッキオ。