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YONEX CARBONEX SLD試乗

最近発表されたばかりの軽量バイク、YONEX CARBONEX SLDを試乗させてもらってきた。


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【基本スペック】

フレーム:XSサイズ
ステム:ワンバイエス・スージーステム?
ハンドル:Vibe superlight 38cm?
シートポスト:Vibe carbon
サドル:シマノプロの金属レール(シマノプロのサドル詳しくないのでごめんなさい…)
コンポ:9200デュラーエース
ホイール:デュラーエース WH-R9200-C36-TL
タイヤ:IRC Formula pro 25c TLR

重量:6.39kg(ペダルレス)、6.63kg(ペダル込み:SPEEDPLAYステンレス軸、WAHOO以前のもの)

備考:サイコンマントなし、ボトルケージなし(ボルトはあり、素材不明)、ブレーキローターはフロントRT-MT800(フロント)、リアSM-RT800(廃盤になった方のアルテ)

写真は順番にペダル込み、ペダルレス。

重量的には、ワンバイエスのステムや、シマノプロの金属レールサドル、チューブレスタイヤなど、そこまで軽くないパーツを含めてのペダルレス6.39kgなので軽量パーツと言っていいパーツと言ったらvibe superlightハンドルバーくらいで、ステム、シートポスト、サドル、ホイール、タイヤには軽量化の余地があるなという感じだ。

そこで、自分がエクセルで計算してみた感じでは、フレーム、コンポ以外の要素を片っ端から軽量化して、フロントシングルにしたら常識的なブランドのパーツで揃えてもペダル込み6.2kg程度が射程圏内だなという印象だ。(この計算はシーラントの重量を適当に入れてるし、正確に計算できてない部分は多少あるが)

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【インプレ】

・乗り心地はすごく良い。

タイヤはチューブレスとは言っても25cタイヤで、おまけにタイヤを触ってみると割としっかり硬かった。そのセッティングでDOGMA Fに履かせたら結構硬いだろうなと思う空気圧だ。その空気圧セッティングでもDOGMA Fよりも乗り心地が良く、荒れたアスファルトを踏んでも振動がすごくマイルドだったので、バイクの乗り心地はかなりいいと考えられる。

・手で持っても明らかに軽いと感じる。

今乗っているDOGMA Fと比較しても約800g、試乗車なのでツールボトルやボトルケージ、サイコンマウント、ライトもなく、実際は1.5kg以上軽いと思うが、その状態ではバイクを持ち上げるだけで明らかに軽いと感じるレベルに軽かった。

・登ってみた感じは相当軽い

都内なのでろくな上り坂がないが、短い上り坂を登ってみた印象ではシッティングで登っているとバイクの軽さを体感できるくらいには上りを軽く感じる。

・剛性はそこまで高くない(?)

ショップで他に試乗した方はCERVELOよりも硬いと言っていたらしいが、自分の剛性の基準となる普段乗っているDOGMA Fと比較すると柔らかいフレームだなと感じた。具体的には、スプリント時によじれる感覚があるなと感じた。(ポジションが合ってないのと、借り物のバイクだからコケないようにリミッターが働いたところもあるとは思う)最初、yonexを乗ってみた当初は軽いからフニャフニャかなと思っていたが、意外と普通に走れることに拍子抜けしたが、帰宅時にまた自分のDOGMAに乗って軽くもがいてみたときにYONEXの柔らかさを改めて思った。

・タイヤクリアランスは公称通り、28cまでだと思う

フロントフォークを見ると25cタイヤとフォークとの距離も十分に広く、タイヤとダウンチューブも十分に距離があるので30cくらいまで入るのではと思う。しかし、リアのチェーンステー周りを見てみると結構狭いなと感じるので、やはり公称の28cというのが現実的な運用だろう。(28cにしてもフレームは狭めな印象を受けるので、タイヤのヒゲは念の為切っておくのが無難だろう)


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・平地はそこまで速くない?(空力はよくなさそう)

Venge並に空力が良いDOGMA Fと軽量バイクを比較するのは酷というものだが、やはり平地はあまり得意なバイクではないと思う。試乗なので、そこまでガチで走れたわけじゃないが、平地で早いバイクという感じはしなかった。もちろん、このバイクの趣旨は軽量化なので空力を求めるのは野暮だろう。

・ハンドルの切れ角制限はなし

【重量測定】

・フレームの公称重量はSサイズで塗装前540gと、ディスク,リム関係なく最軽量クラス。

・実測の測定では、XSサイズ、9200デュラエース、他上記スペックの状態で、ペダルレス6.39kg、ペダル込み6.63kg。

・スルーアクスルの重量を測定させてもらったが、Pinarello DOGMA F Diskは前後で52.8gだったのに大して、YONEXは前後で76gとそこまで軽いものではなかった。フレームセットの付属品の状態は分からないが、スルーアクスルに着脱式レバーなどはなかった。DOGMA FのスルーアクスルはSPECIALIZEDのAethosのスルーアクスルとほぼ同重量だったが、例えばTarmac SL7のスルーアクスルは前後で67gらしく、それらと比べてもスルーアクスルは重いなと思った。軽量バイクなのだから、スルーアクスルも軽量に作っても良かったのではないだろうか。

1枚目:ヨネックスのスルーアクスル

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2枚目:DOGMA Fのスルーアクスル

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【その他細かいところ】

ヘッドパーツはピナレロ製に負けず劣らず、かなり肉抜きされて軽量に作り込まれていて、頑張っているなという印象を受けた。

yonexの方も、ヘッドパーツの玉押しは樹脂製だったりと、ちゃんと最近のフル内装の軽量バイクのトレンドは押さえていた。

1枚目:ヨネックスCarbonex SLDのヘッドパーツ(HPより引用)

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2枚目:ピナレロのDOGMA Fのヘッドパーツ

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【総合評価】

自分はこれまでYONEXのロードバイクを所有したことはないが、国産、フレ単540gと最軽量クラス、完成車重量6.5kg未満が見込めるなど、ロマンあふれるバイクだなと思うので、予算があれば2台目,3台目のサブバイク(ヒルクライム専用機)として所有してみたいなと思っている(なかなかそこにたどり着けず、エアロロードを買ってしまうのだがw)

気になった点としては、乗り心地がいい割にタイヤクリアランスが狭いことが挙げられる。ヒルクライム目的なら28cまで入ればいいかなって感じだが、今後30cのチューブレスなどを検討しようとなったときにあのクリアランスのリアには入らないと思うので、バイクの将来性という点でどうなのかという問題はあると思う。ブリジストンのRP9といい、国産ロードバイクは全体的にフレーム設計があまり将来を見据えてる感じがしないのが欠点だ。25cが主流となってもヒルクライムでは23cが使われていた時代もあったが、今となっては28cでヒルクライムをしている人すら普通にいるし、予算に余裕ができて2,3年後に買おうかなって思ったときにタイヤクリアランスがその時のタイヤに即していないということは大いにしてあるなと思った。

自分がこのバイクを組むならば、シートポストはRovalのアルピニストシートポストや、dedaのSUPERLEGGEROなどの軽量なシートポスト、一体型ハンドル、フロントシングル、アルピニストCLX、TPUチューブなどを使用してペダル込み完成重量6.4kg程度を目標にバイクを組むのが楽しそうだなと思った。

自分はしばらくバイク組む予算ないので、無理だが、宝くじでも当たれば組んでみたいな...(まあ、宝くじなんて買ってないのだが)



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