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『人生の大切なことをゲームから学ぶ展』 開発効率化の影にはAIと体験者の声

展示紹介と自己紹介

記事をご覧いただきありがとうございます。
たきコーポレーション[ ZERO ]テックラボ所属の薄葉と申します。

現在グッドデザイン賞などで知られる公益財団法人日本デザイン振興会と弊社の共催で『人生の大切なことをゲームから学ぶ展』を開催しています。(開催期間2024/3/15〜2024/4/14)
IDEALという弊社の中で特にUI/UXを専門としているカンパニーが中心となりゲームとUXにまつわる展示を企画しました。

僕は今回の展示で二つのゲームの開発に携わりました。

「ASTRO SURVIVOR」と「めざせ!カンフーマスター」

普段はARやVR、体験型コンテンツ、たまにWebの開発をしています。
ゲームに近しいツールは使いつつもゲーム開発者かと言われると当たらずとも遠からずというプログラマーです。

また弊社に関してもグラフィックやWeb,UI/UXなどデザイン全般を強みとした広告制作会社のためゲーム制作を普段やっているわけではありません。

そんなゲーム会社ではなく、ゲーム開発者でもない僕が実装期間ほぼ2ヶ月でどんな事をしたのかについてザッとお話しできればと思っています。

はじめが肝心

企画が採択されてから実施までに時間がかなり限られていたので、どう効率的に組んでいくかというのを常に考えていました。

まず担当のゲームの方向性が決まった段階で、AIに使用するライブラリーやアーキテクチャーの指定をし、予想されるフォルダ構造をツリー構造で出してもらう作業を行いました。

その上でこの先どんなゲーム仕様になっても変わらないであろう根幹部分を予想してできるところから実装を始めました。

最初期モック

関数も事前にAIに予想させる

ゲームの詳細が決まり出してくると今度は実装に必要な関数の洗い出しも行いました。
先んじて必要なクラスやフォルダ構造をAIに仮でも出しておいてもらう事が全体の把握の為にも良い作業でした。

この後も未確定の要素が追加されるので、ガチガチに作り込みすぎず仕様変更に対応できる状態を保ちながら実装を進めていきました。

実際に修正や追加実装が必要になった際、すぐに対応できるようになっていました。

絵素材も同時進行のため、AIに仮素材を作ってもらう

今回はオフラインで体験するものなので、動くものを触ってより本番に近いモックで検証をしていきたいところです。

ですが絵素材も同時進行で作り始めるため、仮素材をAssetStoreのものを混じえつつ一部AIに用意してもらうことにしました。
TileMapに使用するマップチップや障害物、回復薬、ライトなど仮素材とはいえ一つ一つ探す手間が省けてかなりの時間短縮になりました。

AIで生成した仮素材

プレ展示

体験型のコンテンツは実機で遊んでみて細かい調整を行いますが、作ってる側は何回もプレイするため初見ユーザーの感覚がわからなくなっていくのはあるあるです。。笑

普段の案件ではほぼできませんが、2月に社内や関係者、学生に向けてプレ展示を行いました。
初見の方の反応をたくさん見ることができたことで、本番への調整の解像度がグッと高くなったのはとても印象的でした。

案外みんなクリアしていく!?っとなりました。

多くの人の反応とアンケートのおかげで残タスク、課題の洗い出しを一気に行い開発スピードが加速しました。
難易度は展示の学びにも直結してくるので、少し理不尽な要素も入れたり逆に難易度を下げたり調整が行われました。

社内プレ展示

SNSで反応を見ていると学びを実感している声も多く見受けられプレを通しての調整が生きていると感じます。

まとめ

以上本番までに僕がやったことで印象的なことを書いてみました。

今回筐体やゲーム内のイラストも含め多くのところでAIを利用しています。
会社の文化的にゼロから全部作るという熱いクリエイター魂を持つ方々が多いのですが、そんなクリエイターがAIを積極的に使って一つの展示を完成させている点もかなり斬新であると思いました。

筐体やデザインに関しては僕は深く関わっていないため、また他の方の記事でその辺の裏話が聞けることでしょう!

人生の大切なことをゲームから学ぶ展』もまだ半月ほど開催しています。
是非GOOD DESIGN MARUNOUCHIに足を運んでゲームから学びを得てみてください!