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【OBS / NDI】ローカルネットワークで簡単iOSストリーミング

虎徹のタキです。
工夫次第でいろいろ使えるローカルエリア(今回もインターネットを超えないよ)でのストリーミングTipsです。
最後におまけで、Adobe Premiereから直接iOSへ画音を飛ばしてみました。

今回はNDIを使用します。

NDIとは?

NDI®(ネットワークデバイスインターフェイス)は、米国NewTek社によって開発されたIP利用における新しいライブビデオ制作ワークフロー支援プロトコルです。このNDIテクノロジーを活用することで、一般的なギガビットイーサネット環境においても、映像、音声、メタデータを、NewTek社TriCasterやIPシリーズなどのシステム間だけでなく、NDI互換のさまざまなシステム、デバイス、PCなどとのリアルタイムによる相互伝送を可能とします。

NDIはデバイス側で物理的なルーティングが不要なのでかなり撮影現場向きです。僕が担当する撮影現場でも現場編集のモニタリング等で採用しています。

用意するもの

○ OBS Studio
○ OBS - NDI Plugin
○ iOS版 NDI Monitor
○ WiFi

手順

① WiFiに接続したPC(Mac / Win / Ubuntu/Debian)を用意し、OBSがインストールされた状態にする

② OBS - NDI Pluginをインストール
パッケージはこちらからダウンロード
https://github.com/Palakis/obs-ndi/releases
Macでコマンドを叩く場合はターミナルを起動し、

git clone https://github.com/Palakis/obs-ndi.git
cd obs-ndi
mkdir build && cd build
cmake -DLIBOBS_INCLUDE_DIR=<path to the libobs sub-folder in obs-studio's source code> -DLIBOBS_LIB=<path to libobs.0.dylib> -DOBS_FRONTEND_LIB=<path to libobs-frontend-api.dylib> -DQt5Core_DIR=/usr/local/opt/qt5/lib/cmake/Qt5Core -DQt5Widgets_DIR=/usr/local/opt/qt5/lib/cmake/Qt5Widgets ../
make -j4
# Copy libobs-ndi.so to the obs-plugins folder
# Copy libndi.dylib from the NDI SDK to the obs-plugins folder too

インストールが成功しOBSを再起動すると、

スクリーンショット 2021-09-12 18.41.13

となって、

スクリーンショット 2021-09-12 18.40.30

と、なります。

③ iOSデバイスでNDI Monitorをインストール
NDI Monitor - ¥1,200(2021/9/12現在)
https://apps.apple.com/jp/app/ndi-monitor/id1196221514
もっと安いNDIビューアーもあるのかも

tvOS版もあります。ちょっと高いけど、テレビに出すならこちら。
https://apps.apple.com/us/app/ndi-monitor-tv/id1489088858

④ iOSデバイスを送信元のPCと同じネットワークに接続し、NDI Monitorを起動

画像3

画像4

わさわさっとソースがでてきます。tこの場合は(OBS)となっているものが今回送信元となっているPCです。

画像5

できました。
送信ビットレートを監視してみると、絵柄によりますが大体2-3MB/s程度でした。
あれ?NDI HX?と思ったものの、遅延はほとんど感じられませんでした。

おまけ(Adobe PremiereからNDI出力)

NDI Toolsをインストールすると、AdobeアプリケーションからNDI出力することができるようになります。

NDI for Adobe Creative Cloud
https://tricaster.jp/ndi-central/ndi-tools#adobe_cc
アスクさんのページとてもわかりやすいです

スクリーンショット 2021-09-12 21.07.26

相変わらずオーディオデバイスは択一です。
これどうにかしてほしいですね。
また、macOS版NDI Video MonitorでキャプチャしたNDIソース(SHQ2コーデック)はPremiereでインポートでき、その他のフッテージ同様に編集できる、ということらしいのですが、当方の環境(iOS NDI TestPattern - macOS MDI Video Monitor)では音声がキャプチャできず、その問題は解決できませんでした。

おわりに

こういう規格って「AirPlayでいいじゃん」とか「所詮、圧縮規格でしょ?」とかいっちゃうひとには向いてないとおもいます。
撮影現場でやりたいこととそこにある機材が折り合わない状況などで、ひとつの武器になる感じかなと思います。

一方、視点を変えて、CMやMV・映画の撮影現場はいまだにベースバンドで構成されているのがそもそも時代遅れだなと思います。
その瞬間、モニターの前にいる人が【何を観たいか】なんて当然違うわけで、こっちが割り振ってるのもあほらしいなと常々。

そんな突然の前向きな愚痴で締めますが、いつかモニター側(ネット越しも含めたユーザー側)で勝手にルーティングできる撮影インフラが構築できたらいいなーと期待しちゃう、そんな技術の紹介でした。

参考元:
○ 株式会社アスク様  https://tricaster.jp/ndi-central/ndi-tools
○ NewTek NDI® Tools https://ndi.tv/tools/

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