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ビジネスの現場でiPadを使い倒してみた話

 突然ですが、あなたはタブレットを使っていますか?

 この質問には、多くの方がイエスと答えるのではないでしょうか。
 その便利さから私の周りでは持っていない人はいないぐらいになりましたし、やはり普及率の高さを感じます。

 では仕事でタブレットを使っていますか? と聞かれてイエスと答える人は、クリエイター以外では中々いないのではないかと思います。

 この記事はエンジニア職の私がビジネスの現場でiPad Pro(11’ 3th)をMagic Keyboard、Apple Pencilと一緒に使い倒してみた経験をもとに、つらつらとその所感を書いてみたいと思います。

Microsoft製品との親和性

 前述の通り、私はクリエイターではないので使うアプリはより実務的なものになります。
 会社での標準PCはWindowsで、アプリはMicrosoft(以下、『MS』)Office製品がほとんど。そんな状況で気になるのは各アプリとiPadOSとの親和性や振る舞いです。

 私が使っているものに限られてしまいますが、一つひとつ見ていきましょう。

PowerPoint

 言わずと知れたプレゼンツール。デスクワーカーで使ったことがないという方の方が少数派でしょう。

 まずこれは他のOffice製品群にも言えることですが、作りこむには向いていません。何故なら正常に表示をすることはできても、デスクトップ版とあまりに操作性が異なる為です。

 ショートカットキーは制限されますし、メニューも縮小されて表示されるものの結構送らないと使いたいアイコンが出てこない等、使い勝手に難があります。

 ではまったく使えないかと言うと、プレゼンの場ではそんなことはありません。

 ちょっと資料を確認してもらう時はプリントアウトをする必要はありませんし、各スライドを映すのは非常にサクサク動きます。メモを直接資料に書き込めるのが特に便利で、「ここをこう直しますよー」と情報共有しながら仕事を進めることができます。

 Teams会議でOneDrive上のファイルをノートPCから画面共有し、iPadからOneDrive上にある同じ資料を開く→スライドに手書き注釈を共有する、なんて使い方もできます。

Excel

 こちらも所感はPowerPointと同じで、ガッツリ資料を作るのには向いてません。

 やはりショートカットキーがデスクトップ版に比べて貧弱ですし、何よりマクロに対応していないのも痛手です。

 関数使用時の参照先等は独自のUIで上手く見せていると思いますが、ちょっとした入力ぐらいでしか使えない、というのがExcelの印象です。

Outlook

 予定表の確認や会議通知の発行を含めほぼ全ての機能が使用できます。デフォルトでスレッド表示になるので、返信が続くメールはまとめられていてデスクトップ版のデフォルトより見やすいです。

 カラーデザインはOS設定に準拠していますが、ポップアウトした返信画面ではダーク/ライト表示が切り替えれるなど中々の親切設計。

 よく使うのは、仕事始めでメインPCを立ち上げている間のメール閲覧。iPadでどんどんメールを捌けるので、これは電源を入れっぱなしでいいタブレット端末の強みと言えるでしょう。

 ただ通知には一癖あり、メールをフォルダに自動振り分けしている場合、サブフォルダに振り分けられた分は通知件数(アプリアイコン右上の数値)には数えられません。今の時代メールが緊急通知に用いられることは少ないので実害はありませんが、上司や同僚、取引先からのメールに気付くことが遅れる可能性はあります。

Teams

 Teamsもデスクトップ版と遜色ないレベルで使える印象です。
 タスクはOS標準アプリの「タスク」と同期が可能で、もちろんTeamsデスクトップ版やiPhone版とも同期が可能。
 どのデバイスからタスクを登録しても全デバイスでシームレスに通知を受け取れるのは便利です。ただ、時刻設定しておくとOUTLOOKとOS標準のリマインダーのどちらでも通知が来るのがちょっとしつこいです。

 またAVに力を入れている端末だけあって、通話品質はモバイルデバイスとしては最高峰の仕上がりです。相手が私と同じモデルのiPadから参加したテレビ会議では、まるで相手がその場にいるかのような音声の自然さには驚きました。しかも後から聞いたら、走行中の車内から会議に出ていたらしいです。ノイズキャンセリングの利きのよさはOS側とアプリ側のどちらに依るものかは分かりませんが、非常に快適です。

 当然Teamsチームにアップロードされたファイルにもアクセスでき、メンバーから送られてきた各種ファイルを参照することが可能です。

OneNote

 最近使う人が増えてきたなーと思うのが、このMS標準のノートアプリ。
 書き込む内容が増えてもすぐレイアウトを直したり、下方向右方向にスライドするだけで使用領域を増やせるので、メモアプリとしてかなり使えます。

 恐らくタブレットの強みがもっとも活かせるアプリで、私はよくアイデアをまとめるのにPencilで書き込んだり、メモや議事を取ったりと使いまくっています。
 これはどんな手書きメモアプリでも同じだとは思いますが、書き込んだ後にそのメモを好きな位置に移動できるのは本当に便利です。ただOneNoteはオブジェクトの回転に対応していないのが難点ですね。

 Office365に入っていればこちらもデスクトップ版と同期でき、状況によりますが書き込んだ内容は大体一秒ぐらいの遅延で同期されていきます。
 この機能が光るのはTeamsなどを用いたテレビ会議で、手元のiPadで書き込んだ内容をテレビ会議で使用中のPCで表示させてホワイトボード代わりにするというもの。
 Teams標準のホワイトボードもありますが、管理のしやすさからもっぱらOneNoteを使ってしまいますね。

 難点はまだ動作が不安定で、テキスト入力中にカーソル移動がおかしくなったり描画がおかしくなる点。別アプリに切り替えて戻ってくるだけで直ったり直らなかったり、動作は安定してほしいところです。

OneDrive

 こちらも言わずと知れたクラウドでのファイルストレージサービスで、iPadでも利用が可能です。
 OneDrive上から使用するファイルを選んでPCと同時に編集することが可能で、Teams上にアップロードされたファイルと同様に共同編集のような状態を作ることができます。

 またモバイルアプリ版にはカメラ機能があるので、どんどん写真を撮って開いているフォルダ保存することが可能。もし「○○現場確認」なんて予定が入っている時間帯に撮ると、ファイル名も「○○現場確認_日時」みたいなファイル名になってくれるのが便利です。
 しかしカメラを立ち上げた時の標準モードが写真ではなくドキュメント(PDF)になっているのはやめて欲しいところです。

Safari

 これはEDGEやChromeでも同じですが、非常にレスポンスがいいです。重たいページもサクサク開いてくれるので、PCで重たい処理をしながらブラウジングする必要がある場合はよく使います。

 セルラーモデルだと出先でもテザリング無しで使え、5Gが入る場所だと本当に快適です。

その他のアプリ

 Wordはほぼ使わないので今回の記事からは省かせてもらいます。

 よく使用するのはRD ClientというMSのリモートデスクトップアプリで、社内ネットワーク上にDNSがある場合(コンピュータ名で接続できる場合)はIPを指定することなく接続が可能。PCを立ち上げておく必要はありますが、PCにしかないデータやWindowsでしか動作しないアプリを出先で使いたい時に重宝します。

 またメインPCを使っている時はspacedeskというアプリを使えばiPadを無線でサブディスプレイ化することが可能です。これは同じネットワークセグメント内にいる必要がありますが、出先でサブディスプレイが欲しい時に使えます。

出張をiPadだけで行ってみた。

 ノートPCは重たいし、iPadで充分じゃね? と思ってデバイスはiPhoneとiPadだけもって出張に行きました。結果から言うと、やはりiPad一台あれば十分だったという感想です。

 まずセルラーモデルだとネットワーク環境を別途用意する必要がないのが非常に便利。起動しっぱなしでもノートPCより圧倒的にバッテリーが持つのは、タブレットならでは利点でしょう。ノートPCよりも場所を取らないのも楽です。

 それ以来仕事で外出する際は全部iPadだけで行ってますが、がっつり出先で資料を作るなんてことがない限りこれで十分です。商談で資料を見せたり、UIのイメージを伝えるのにさっと図を描いて見せたりなんて時はノートPCよりずっと利便性があります。

まとめ

 ビジネス現場でのiPadレポートはいかがだったでしょうか。

 ざっくりまとめると、資料を作るならノートPC、出先に持って行くならiPadです。主催ではない会議に参加する時はほとんどiPadだけで行きます。
 またこれは必然なのかも知れませんが、資料を紙に印刷する機会がほとんどなくなりました。体感では印刷する枚数が以前の十分の一以下に減った感じです。

 社内で使うには会社の制度的にも使えるようになっている必要がありますし、リースでも買い切りでもそこそこのお金がかかります。しかし、使いこなせれば強力なツールになることは間違いありません。

 それでは最後までお読み頂きありがとうございました。
 この記事が参考になれば幸いです。

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