秋ノ宮 陽菜

はじめまして。秋ノ宮 陽菜(ひな)と言います。 物語をつづるのが好きで、ずっと書き溜め…

秋ノ宮 陽菜

はじめまして。秋ノ宮 陽菜(ひな)と言います。 物語をつづるのが好きで、ずっと書き溜めてきました。ひとの温かさ、優しさ、笑い、風変りなひと、古めかしい時代、人生の残酷さや痛みまでも、描き出せるようになれればと願っています。エッセイも書きます。どうぞよろしくお願いします。

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    長編連載小説『六花と父ちゃんの生きる道』を集録しています。

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執筆の裏事情(自己紹介にかえて)

 小説を書き始めるようになったきっかけは、もう16年も前のはなしだ。ひとに言われたのだ。 「小説でも書いてみたらいいのに。」と。  彼は軽い気持ちで言ってみただけだったのかもしれない。SNSに載せた文章がおもしろいから、と。  けれど私にとっては、真っ暗な世界のなかに、一条の光が差したも同じだったのだ。当時の生活は、八方ふさがりで、逃げ道がまったくみつけられていなかったのだから。  寝る間も食事もめんどうなほどにのめり込んで、書き上げた最初の10作の長編小説は、一部のひ

    • おはようございます。noteにおける小説の年内予約投稿はすべて完了。つぶやきとかエッセイは書くかもしれないけど。来年はもう少しのんびりやります。書かないと💦読まないと💦

      • 【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第十三話 たこ焼きパーティー

         父ちゃんの気分が上々のまま、たこ焼きパーティーが始まった。父ちゃんの手さばきは、やっぱり見事で。お仕事がなくなったら、たこ焼き屋さんをやって食べていけばいいよね、とふと考えた。お仕事、と言えば。 「父ちゃん、会社から全然電話とか入ってないの?」  と訊いた。父ちゃんは不思議そうな顔をしていたが、はっと我に返って、畳の部屋へスマホを取りに行った。充電しっぱなしだったようで、スマホは生きていた。 「すごいぞ、六花。九十八件も着信履歴がある!」  六花は驚いた。そして焦る

        • 「六花と父ちゃん」終わりが見えてきました。第十五話で完結です。お付き合いいただいているみなさま、ありがとうございます。火曜と金曜に投稿のはずなのに、月曜の昨日にうっかり投稿してしまった。予約投稿なのに、なんで間違ってまうんやろ。すみませーん。

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        執筆の裏事情(自己紹介にかえて)

        • おはようございます。noteにおける小説の年内予約投稿はすべて完了。つぶやきとかエッセイは書くかもしれないけど。来年はもう少しのんびりやります。書かないと💦読まないと💦

        • 【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第十三話 たこ焼きパーティー

        • 「六花と父ちゃん」終わりが見えてきました。第十五話で完結です。お付き合いいただいているみなさま、ありがとうございます。火曜と金曜に投稿のはずなのに、月曜の昨日にうっかり投稿してしまった。予約投稿なのに、なんで間違ってまうんやろ。すみませーん。

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        記事

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第十二話 煮込む

           机の上に置かれたレジ袋のなかに、お母さんの元カレたちが切り刻まれて入っている。ここまで刻めば、復元することは不可能だろうと思った。そう思ったのに。  気が付くと六花は、一階のキッチンに立ち、鍋に少し水を入れて、切り刻んだ写真を全てそこに入れて、男たちを煮込んでいた。  よく、わからない。だって、やなんだもん。どうしても嫌なんだもん。  煮立ってくると、やがて写真表面の印刷が剥がれて浮かび上がる。菜箸でそれをぐるぐるとかき混ぜる。猟奇的な殺人をやっている気持ちになってい

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第十二話 煮込む

          【短編小説】 翻訳

           物心ついたときにはすでに、外国の児童文学に育ててもらっていたような気がする。  日本に生まれ、日本に住み、日本の文化しか知らない私にとって、外国の物語はファンタジックなあこがれの世界であった。  聞いたことないような名前をもつ物語の登場人物たちは、流暢な日本語を語り、日本語で考え、行動した。あまりにもなめらかに入ってくる訳のせいで、もともとは外国語が書かれたものなのだということには、全く意識がいかなかった。  幼少期はスウェーデンの作家、アスリット・リンドグレーンの作

          【短編小説】 翻訳

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第十一話 魚政

           六花は一旦二階に降りて、自分のスマホを手に、屋根裏部屋にもどった。  お母さんのスマホは、叔母さんが解約してくれているはずだ。お母さんの身体が粉々になるような事故だったのだ。スマホが無事だったとは思えない。  魚政と町名を入れて検索すると、行きつけのお店のホームページが出てきた。  電話なんてめったにしないし、相手はお店、しかも用件は謝罪なのだから、緊張してどきどきする。  それでも謝らなければ。魚政は、いいお魚を仕入れている高級店だし、イベントのときにはスペシャル

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第十一話 魚政

          ようやく一作書きあがった。随分と時間がかかってしまった。1万5000文字ほど。案外、短いな。徹夜してしまった。早く寝ないと!

          ようやく一作書きあがった。随分と時間がかかってしまった。1万5000文字ほど。案外、短いな。徹夜してしまった。早く寝ないと!

          【エッセイ】咳をしても、ぎっくり

           石川啄木、いいこと言いますね。  「咳をしても、ぎっくり。」  まさにその通り。  どうでもいい話ですが、ぎっくり腰になりました。土曜日に日用品の買い出しに行って、重い荷物を持って階段あがったのがよくなかったみたい。  え?  石川啄木の言葉、間違ってますって?  ああ、そうそう。  「ぎっくりしても、ひとり。」  でしたよね。いやあ、お恥ずかしい。あんな有名な言葉を間違ってしまうなんて。  どちらにしても、真理を捉えていますねえ。さすが、偉人となるお方は違いますね。

          【エッセイ】咳をしても、ぎっくり

          自分は草食動物系だな、とつくづく思う。鼻がいい、耳がいいと、ものすごく生きづらい。神様! 自分を含む、鼻が良すぎる人間の鼻にティッシュを! 耳が良すぎる人間の耳に耳栓を! 女子高生のお口にチャックを!

          自分は草食動物系だな、とつくづく思う。鼻がいい、耳がいいと、ものすごく生きづらい。神様! 自分を含む、鼻が良すぎる人間の鼻にティッシュを! 耳が良すぎる人間の耳に耳栓を! 女子高生のお口にチャックを!

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第十話 受け取り損ねたプレゼント

           その言葉を聴いたとき、六花とお母さんは並んでソファに座っていた。座って、ドラマを観ていて、直前まで、父ちゃんも並んで観ていたのだ。  父ちゃんは、ソファで脚を抱えて、箱ティッシュも抱えて、鼻をすすりながら頑張ってはいたのだが、次第に声が漏れ始め、嗚咽が抑えきれなくなり、しまいには大声で泣き出した。そう、あれは哀しいドラマだったのだ。 「父ちゃん。」  お母さんが言う。 「うるさい。」  六花が言う。  父ちゃんは、ティッシュの箱を抱えたまま立ち上がり、 「君たちは、

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第十話 受け取り損ねたプレゼント

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第九話 お母さんの恋路

           もっとも、とても簡単な錠前だったし、鍵はびっくりするほどすぐ見つかった。棚の上のガラス瓶のなかに、鍵ひとつだけが入っていた。たぶんこの鍵で間違いない。  まるで見つけてくれと言わんばかりに、置いてある鍵。じゃあ、なんのための鍵? 六花に見つけてもらいたかったのだ、と、お母さんが言っている気がした。  瓶から鍵を取り出し、恐る恐る差し込むと、あっけなく鍵は開いた。六花は恐ろしくなり、心臓がばくばくと音を立てる。お母さん、一体なにを残したの?  机に置いたアルバムの上に、

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第九話 お母さんの恋路

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第八話 お母さんの秘密の小部屋

           家に着いて電気を点けると、父ちゃんは相変わらず畳の部屋で布団を被っていた。さっきと体制がちょっと違っているし、布団は呼吸するようにわずかに動いていたから、六花は安心する。  冷蔵庫に行ったら、残りわずかだった食料がなくなっている。父ちゃんは大丈夫。六花はエコバッグに入っているコンビニの商品のことを思った。  そんなつもりじゃなかったけど、随分長いこと持ち歩いてしまった。傷んでいるかもしれない。冷蔵庫に入れるのは危険だ。  いまの父ちゃんは、腐ってるとか腐ってないとか、

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第八話 お母さんの秘密の小部屋

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第七話 憧れのお店、そして祈り

           エコバッグは使ってしまっていたから、三円払ってビニール袋を買った。  変な世の中だ。コロナ撲滅キャンペーンが下火になったと思ったら、CO2削減ごっこが始まった。  地球の温暖化については、いろいろ思うところがあって、六花なりに本を読んでいたりして、プラスチックを減らすことに効果があるかどうかについては懐疑的。  地球と太陽とのお付き合いはものすごく長くて、その間、太陽は常に一定のぬくもりをもたらしてくれたわけではない。  氷河期や弱氷河期のように寒いときも幾度もあっ

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第七話 憧れのお店、そして祈り

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第六話 六花のともだち

           そのひとは六花のかごを取り上げて下に置き、両手を両手で包んできた。あまりにも真剣なおばさんの表情に、六花はとてもびっくりして固まってしまう。 「どうしたの! いままで、どうしてたの? うちの哲司が『六花ちゃんが学校に来てない』って言うから、心配してたのよ? ちゃんと食べてるの? 少し痩せたんじゃない? お父さんはどうしてるの?」  矢継ぎ早の質問に、どう答えたらいいか困惑していると、 「つらいだろうけど、みんな心配してるのよ? 学校に行くのが怖いんでしょう? みんなの

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第六話 六花のともだち

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第五話 卵ってなに?

          第一話 第二話 第三話 第四話  六花は向かいの卵売り場に向かう。卵十個パック、六個パック、四個パック。どれにしようか迷う。お得さで言ったらもちろん十個だけど、とても食べきれるとは思えない。六個か、四個か。間を取って、六個にしようか。そう思って、かごに入れた。  幼い頃、卵のなかには命が入っているのだと思っていた。置いておくと産まれるのだと。でも、ほとんどの卵のなかに、命は入っていない。鶏が産み落とした、タンパク質でできた、なにか。 「変じゃない? タンパク質でできたな

          【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第五話 卵ってなに?