【長編小説】六花と父ちゃんの生きる道 第六話 六花のともだち
そのひとは六花のかごを取り上げて下に置き、両手を両手で包んできた。あまりにも真剣なおばさんの表情に、六花はとてもびっくりして固まってしまう。
「どうしたの! いままで、どうしてたの? うちの哲司が『六花ちゃんが学校に来てない』って言うから、心配してたのよ? ちゃんと食べてるの? 少し痩せたんじゃない? お父さんはどうしてるの?」
矢継ぎ早の質問に、どう答えたらいいか困惑していると、
「つらいだろうけど、みんな心配してるのよ? 学校に行くのが怖いんでしょう? みんなの