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先取りよりも、その時々で必要な取り組みを

こんにちは。早川琢也です。

ここ最近考えていた事を少しアウトプットしてみます。


競技におけるメンタル面の発達やトレーニングって、

フィジカル同様そのステージや競技レベルに応じた物に取り組むのがすごく大切だと感じます。

実際に、アメリカの競技団体やオーストラリアやカナダ辺りでは、

Long Term Athletic (Youth) Development Model(長期的な発達モデル)

と呼ばれるモデルを使って、

カテゴリーや発達度合いに応じたメンタル面の取り組みをガイドラインにしています。


このガイドラインは、ただ単にその時々に取り組むべき事を示しているだけでなく、

人生を通してスポーツに関わり楽しむために、という大目標があります。


例えば、オーストラリアバスケットボール協会の長期的な発達モデルは、

トップレベルでプレーするグループと、

レクリエーションとして楽しむグループの2つが存在する前提で

モデルが組まれています。

そしてトップレベルでプレーした選手も、

第一線を退いた後はレクリエーションとして楽しむグループに入って、

楽しむ目的でプレーする流れを示しています。

(英語ですが、下記のリンクからカリキュラムやモデルが参照出来ます)


一方で、トップレベルを目指す選手に向けてのガイドラインもしっかり組まれています。

このモデルでは、フィジカル、技術、メンタルだけでなく、

人として望ましい人間性や各ステージで親やコーチがどのように接すればいいかまで、

かなり幅広く説明されています。



このモデルを見た時にすごく印象に残っているのは、

「トップアスリートを目指す子どもであっても、スポーツを楽しむことがスタートになっている」

という事でした。


やっぱり、小さい時にそのスポーツを楽しいと思うから、

大人になってもスポーツを楽しめたり、

競技性が高くなって負荷が高くなっても続けることが出来るのだと思います。


スポーツ心理学の研究でも、やらされてプレーするような外発的なやる気よりも、

スポーツに対する興味や好きといった内発的なやる気を持っている方が、

結果的に長くプレーも出来るし頑張れる。

その点については、エキスパートになるための練習方法として紹介されているDeliberate practice(限界的練習)でも、

同じように最初はそのスポーツやアクティビティを楽しむ気持ちが大切だとされています。


やっぱり、小学生や中学生までは、

もっとスポーツを楽しむ環境を用意してあげた方がいいのではないだろうか。

まずはプレーする楽しさや競う楽しさをもっと味わわせてあげれば、

もっと突き詰めたいと思う子は自然と頑張れる。

逆に、小さい頃から激しく競争させたり勝敗のプレッシャーに晒してしまうと、

途中で辞めるリスクが高くなってしまう。


スポーツって、本来は大人になっても楽しめるし、

試合をするから勝たないといけないという物でもない。

競って頂点目指す以外のカタチもあって良いと思うし、

レクリエーションリーグみたいに、

ただただプレーするのを楽しむのだって良いと思う。

それも高い競技性でプレーするのと同じくらい価値のある事だと思う。


スポーツをもっと楽しめたら、

きっと幸せを感じられる人も増えると思う。

体を動かすことでストレスが和らいだり、

新しい交流を持てたり、

スポーツだからこそ出来ることやもたらしてくれる事って、

いっぱいあります。


だからこそ、もっとスポーツそのものが楽しめる環境が出来て欲しいし、

そのために貢献できる研究や心理面のサポート活動をしていきたい。


改めてそんな事を思いました。


早川琢也

よろしければサポートして下さると嬉しいです。いただいたサポートは研究活動とこちらでの情報発信で還元していきたいと思っております。