ANYCOLORという会社を知っていますか?(3)
⇒ ANYCOLOR 大いなる期待感 Vol.1
⇒ ANYCOLOR 大いなる期待感 Vol.2
今回が最終回となります。
そこで、今回は今までとは別の視点からANYCOLORを考えています。
そのためのデータはBUSINESS INSIDER から抽出します。
とても興味深い記事を投稿しています。
✲ ANYCOLORと「にじさんじ」とは何か?
「ANYCOLORは、2017年に早稲田大学の学生だった田角陸氏が設立した『いちから株式会社』が前身のエンターテインメント企業」。
いちから始めるという意味で最初の社名を決めたらしいです。
その後「誰もがVTuberになれるスマートフォン向けアプリ『にじさんじアプリ』の事業を企図」しましたが、「宣伝のためにオーディションで採用したライバー『にじさんじ1期生』が人気を博したことなどから、タレント事業への運営へシフトした」ということです。
いちから・にじさんじへと進行したため、1・2・3かと思いますが、違います。にじさんじは2次元・3次元を表しています。
ANYCOLORはエンタメ企業であり、VTuberの発掘、育成、支援を行うプロダクション企業でもあります。
企業ポリシーは「魔法のような、新体験を」で、このキャッチコピーで表現したことを実体験させること、ワクワクさせることを目指しています。
✲ 業績好調
2022年4月期の単独売上高は132億円、営業利益は37億円、純利益は24億円を見込む。
実際の決算はどうだったでしょうか?
2022年6月14日に2022年4月期の決算短信をご覧ください。
予想を上回る数字でした。
予想 実績(単位:百万円)
売上高 13,259 14,164
営業利益 3,785 4,191
経常利益 3,753 4,149
当期純利益 2,497 2,793
売上高に対する各利益率が驚異的に高いことです。
(実績)
営業利益率 29.5%
経常利益率 29.2%
純利益率 19.7%
⭐ 出典元: 株探 ANYCOLOR 決算短信
経済産業省が公表しているデータをご覧ください。
一桁台が非常に多いです。
売上高営業利益率(出典元: 経済産業省 最終更新日:2007.10.1)
2007年10月1日のデータですので、少々古いですが、現状と大きく変わっていないと考えています。
製造企業・卸売企業・小売企業・飲食企業のいずれと比較しても大きく上回っています。
✲ 高収益の理由
成長著しいANYCOLOR、その収益の柱は大きく4つに分けられる
① ホームグラウンドであるYouTubeで各ライバーが配信した際、視聴者から受け取る投げ銭「スーパーチャット」や月額コミュニティ(YouTubeメンバーシップなど)の収益
② ライバーがデザインしたTシャツやマグカップなどのオリジナルグッズや「ボイス」と呼ばれる音声コンテンツなどの売り上げ
③ 所属ライバーのコンサートなどのリアルの場でのイベント収益
④ プロモーション。「案件」とも呼ばれ、企業の新商品やゲーム、サービスなどのPRで得られる収益
✅ 4本柱で稼ぐ仕組みが確立している。
✅ 1つに依存しすぎないように考えている。
✲ 躍進を遂げる「にじさんじ」の魅力はどこにあるのか。
「まず挙げられるのが総勢約150名のライバーによる日々の配信だ」
所属ライバーには、有名な人たち(あるいはVTuber)がいます。
とは言うものの、私は初めて知りました。
例えば次のライバーです。
「所属ライバーには「にじさんじ」の顔とも言われる月ノ美兎(つきのみと)さんやAPEXなどのゲーム配信や巧みなトークスキルと歌唱力で人気となり、事務所初となるチャンネル登録者数100万人を突破した葛葉(くずは)さんらを筆頭に強烈な個性を持つタレントが揃う」
「月ノ美兎さんは絵画や美術、B級映画に関する深い知識をもち、文筆の才能もあって単著でコラム集も発表。アーティストとしてソニー・ミュージックからメジャーソロデビューも果たしている。真骨頂は「体験レポ」と呼ばれる雑談。イラストや自ら撮影した写真をもとに、日々の体験を独特の感性と言葉で伝える配信には、他に類を見ない面白さがある」
【Apex】VCC 伝説の一夜【 山田涼介 3,スタヌ 3 】
何と12時間近く続きますので、時間のある時にご覧ください。
なかなか時間が取れないでしょうが。
さらにいきなりブレークしたVTuberもいます。
「最近では、5月末のデビューからわずか約2週間でチャンネル登録者100万人を突破した壱百満天原サロメ(ひゃくまんてんばら・さろめ)さんが話題だ。
お嬢様になりたい一般人というキャラクターで「〜ですわ!」という中毒性のある語尾、初配信で自身の胃カメラ画像を公開、ほぼ毎日「バイオハザード7」ゲーム実況など、色々な意味で多くの人々に衝撃を与えた」
【初配信】壱百満天原サロメですわ!!!【ですわ】
こちらは30分程度です。
アーティスト活動も活発だそうです。
「いち早くメジャーデビューを遂げ、その後の「にじさんじ」メンバーがアーティストデビューする先鞭をつけた1期生出身の樋口楓さんの功績は大きい」
「抜群の歌唱力でカバー楽曲動画がいくつも数百万再生を超える戌亥とこ(いぬい・とこ)さんなど、音楽シーンで活躍する面々もいる」
RE:I AM/Aimer covered by 戌亥とこ
6分くらいです。 既存のメジャーアーティストよりうまいですよ。
✲ 業界としては課題もある。所属ライバーに対する誹謗中傷への対策だ。
ネット上で横行しているのは誹謗中傷です。 心ない人物が自分の身元も顔も明かさず、言葉の暴力で痛めつけます。 こうした対策はどうしているのでしょうか?
「ANYCOLORは、いちから時代の2020年9月には「攻撃的行為及び誹謗中傷行為対策チーム」を設置。所属ライバーや従業員に対する「攻撃的行為」や「誹謗中傷行為」が発生した場合の対応を明確化し、通報窓口も設置した」
⭐ 出典元: BUSINESS INSIDER Jun. 08, 2022, 03:55 PM
ここで終わりにしようと思っていたのですが、BUSINESS INSIDERから今日(2022.06.15)続報が配信されました。
6月14日に2022年4月期の決算が発表されたからです。
その資料に基づいて解説していきます。
もう少しお付き合いください。
✲ 「にじさんじ」のANYCOLORが売上高141億円、営業利益42億円。業績予想上回った上場後初決算を読み解く
「ANYCOLOR(エニーカラー)が6月14日、上場後初となる2022年4月期(2021年5月〜2022年4月)の通期決算を発表した」
まず、次の資料を見ていただきたい。
売上高・売上総利益(粗利益)・営業利益(本業における儲け)・当期純利益のすべてにおいて前期決算の数字を大きく上回っています。
IPO(新規株式公開)した企業が上場した期から利益を上げることは容易ではありません。上場したばかりの企業は、増収減益(売上増加・利益減少)や増収赤字(売上増加・赤字)というケースが多くあります。
IPOまでに無理をしていたり、ビジネスモデルが脆弱だからです。上場できたことで経営者が満足してしまうということもあるかもしれません。上場で終わりではなく、スタートであるはずです。
増収増益を継続しているANYCOLOR(5032)の経営戦略が、上手く行っていることを物語っています。
しかも、来期いや今期(2023年4月期)も前期を上回ることが予想されています。
現状、足元は盤石です。
ちなみにANYCOLOR(5032)は東証の分類では33業種中どの業種に属するか想像してみてください。
ANYCOLOR(5032)は「情報・通信業」に分類されています。
さらに、資料を見てみましょう。
上記は決算発表前の資料です。実際の決算数字と比較するために掲載しました。
どんどん行きましょう。
上記の資料は売上高(四半期)の推移です。伸びていることがひと目でわかりますね。
通期業績推移です。売上高・売上総利益/売上総利益率・営業利益/営業利益率・当期純利益/当期純利益率のすべてにおいて著しい進捗を示していることが分かります。
所属VTuber数とYouTube再生時間(四半期)推移です。
彼らの活動がANYCOLORの業績に貢献していることは明らかです。
「にじさんじオフィシャルストア」での購入や「にじさんじFAN CLUB」への加入といった売上・収益に直結する重要な数値です。
売上総利益は若干凸凹がありますが、四半期ごとの推移なので季節要因(イベントの時期や規模)に左右されることはあるでしょう。
利益を増やすためには、売上を増大させるのは当然ですが、もう一つの…要因は販管費(販売費及び一般管理費)を圧縮することです。
ANYCOLORは広告宣伝費をあまり使わないことが各利益に大きく貢献していると考えています。
営業利益(四半期)の推移です。本業における儲けを示す数値です。四半期を前年同期比を見るとQ1~Q4まですべてが上回っています。
従業員数(四半期)の推移です。業績の大幅向上であるのにあまり従業員は増えていません。 生産性が高いことが読み取れます。
⭐ 出典元: BUSINESS INSIDER Jun. 15, 2022, 09:35 AM
以上3回にわたってANYCOLORについてお伝えしました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ちなみに、私は6月15日にANYCOLORの株主になりました。ほんのわずかな株数しか保有していません。 今後も時期を見て買い増ししていくつもりです。
私は評論家でもアナリストでもありません。 個人投資家です。
リスクを負っています。 リスクを負わずにコメントすることはありません。
🔶 追記 (2022年6月16日 23:05)
ANYCOLORは東証グロース市場の時価総額ランキングで首位になりました。
6月16日の終値は 前日比 1,120円高 (+14.55%) の8,820円でした。
この結果、時価総額 (終値 ✖ 発行済み株式数)は 264,542百万円となりました。
2,645億円です。
東証グロース市場の時価総額ランキングで1位となりました。
6月8日に上場したばかりですよ!
⭐ 出典元: Yahoo! ファイナンス 時価総額上位
2022年6月16日の5位までを掲載します。
時価総額上位 1〜50件 / 467件中 (更新日時:2022/06/16 18:40)
順位・名称・コード・市場取引値・発行済み株式数・時価総額(百万円)
1 ANYCOLOR(株) 5032 8,820 15:00 29,993,435株 264,542百万円
2 ビジョナル(株) 4194 6,230 15:00 35,879,800株 223,531百万円
3 フリー(株) 4478 3,165 15:00 56,510,903株 178,857百万円
4 (株)JTOWER 4485 5,360 15:00 22,009,418株 117,970百万円
5 ウェルスナビ(株) 7342 1,859 15:00 47,334,400株 87,995百万円
毎日変動します。
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