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新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26 Vol.77 1/2  2014-06-16 20:50:17

日経ビジネスの特集記事 Vol.77

新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26 Vol.77 1/2  2014-06-16 20:50:17

<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>


今週号の特集記事のテーマは

通信業界で、世界的規模の覇権交代が進んでいる。
LINEなどメッセージアプリを開発する新興事業者が一気に主導権を握リ始めた。
「産業の主役」が変わる時、何が起き、企業の明暗はどこで分かれるのか


ということです。

街なかを歩いていると、道のそこかしこでスマホを片手に、やや前屈みになって歩いている人をよく見かけます。

たいがい、LINEかツイッターで「友だち」と連絡しあっているか、「パズドラ」などのオンラインゲームをしているのでしょう。

周囲の様子は目に入らず、音も耳に入らないようで、スマホに目を落とし、一心不乱に指を動かしています。

私は、スマホをしながら向かい側を歩いてくる人には、自転車同様に注意を払っています。相手の動きをよく見ていないと、正面衝突するおそれがあるからです。

余計なお世話かもしれませんが、猫背とストレートネックにならないことを祈ります。

ちなみに、私はいまだにガラケー(従来の携帯電話 注意:当時)を使っています。

通話がメインですが、それ以外に、思いついたことを忘れないうちに、自分の携帯とPCにメール送信しておくこと、メルマガを受信すること、外出時にGoogle検索することが、ほとんど全てだからです。


序章 フェイスブックが抱える「恐怖」の正体

ハーバード大学出身のマーク・ザッカーバーグが創業し、瞬く間に世界中に利用者が広まったフェイスブックが、危機感を抱えている、と日経ビジネス最新号(2014.05.26)は伝えています。

フェイスブックの危機感は、どこから生まれたのでしょうか?

日経ビジネスは、「スマートフォン(スマホ)向けメッセンジャーアプリ『WhatsApp』を提供する米ワッツアップを190億ドル(1.9兆円)で買収する、と2014年2月に発表した」(p. 030)ことにある、としています。

そもそも『WhatsApp』とは具体的にどのようなアプリで、LINEとどう違うのか、知りたいですよね?

順に見ていくことにしましょう。

日経ビジネスの解説を見てみましょう。

WhatsAppはスマホで文字や画像、動画などを簡単にやり取りできる、日本ではおなじみの「LINE」のようなサービスで、買収発表時点での利用者は月間4億5000万人に上る。

新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26
p. 030


これだけでは、買収する理由ははっきりしません。
「ソニーや東芝、任天堂すら買える巨額資金」(p. 030)であるからです。
それだけの価値があるのか、と投資家や専門家から疑問視されています。

この疑問に対する、ザッカーバーグの回答は、
「買収したのは、190億ドル以上の価値があるからだ」
(p. 030)とシンプルなものでした。

この回答だけでは、買収の本質は見えてきません。
深刻な問題を抱えていました。

英調査会社グローバルウェブインデックスによれば、16~19歳の米国人におけるフェイスブックの利用者は、2012年第4四半期の79%をピークに2013年第3四半期では63%に減少。

米国以外の32カ国でも2013年第1四半期の76%をピークに2013年第3四半期では56%に減少している。

新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26
p. 030


つまり、米国でも、米国以外でも若者たちのフェイスブック離れが進行しているということです。

日経ビジネスの見方はこのようなものでした。

ここ最近、同社(フェイスブック)の成長性に対して、一部の投資家から憂慮の声が上がっているのは、事実だ。

新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26
p. 030


では、いったい若者たちはどこへ向かっているのでしょうか?

その行き先こそ、ワッツアップをはじめとする通信新勢力が提供するメッセージアプリだ。

新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26
p. 030


今、通信業界では熾烈な覇権争いが起きています。
今まで圧倒的な勢力を誇ってきたキャリアと呼ばれる大手通信事業者に取って代わり、新勢力が台頭し、既存勢力の存続をも揺るがしかねない状況になってきています。

こうした動きも、利用者にプラスに働けば大歓迎なのですが、時に、利用者をないがしろにした事業者間だけの争いに終始することがあります。それだけは避けてもらいたいですね! そう思いませんか?

LINEやWhatsAppなどスマホ専用アプリの登場で利便性が劇的に向上。キャリアや既存の通信サービス業者はこの瞬間も、事業領域を侵食され続けている。

フェイスブックが突如、踏み切った巨額買収。

それは、通信産業の覇権交代を前に、同社がひそかに抱え込む「恐怖」の裏返しでもある。

新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26
p. 030


Why did Facebook buy WhatsApp?



PART 1 加速する覇権交代 世界のキャリア 戦々恐々

韓国では、スマホの普及率は9割近いそうです。
サムスン電子やLG電子のAndroid携帯が圧倒的なシェアを占めていると思われます。
 
ただ、スマホのアプリは日本で普及している、「LINE」ではなく、「Kakao Talk(カカオトーク、以下カカオ)」が席巻しています。

カカオは「国民の誰しもが知っている韓国を代表するスマホ向けアプリ」(p. 032)ということです。

カカオは韓国内では「敵なし」の地位を築いています。

新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26


ライバルも出てきましたが、すべて撥ね退けています。
それは「メッセージアプリは、圧倒的に先行者有利の市場だ」(p. 033)からです。

「先行すれば、市場からのフィードバックで使い勝手にも磨きがかかっていく」(p. 033)という経験則が働くからです。

「先行者有利」で思い出しましたが、コンビニエンスストア業界でも先行者有利が働いています。

セブン-イレブンが業界を先駆けてPOSレジや関連機器、システムを導入しています。POSレジなどのメーカーはセブン-イレブンに納入すると、2年経過しないと同業他社(ローソン、ファミリーマート、サークルK・サンクスなど)に販売できないことになっています。

別の言い方をすれば、セブン-イレブン以外のコンビニは2年遅れでシステム等を導入することになります。

この2年の遅れは取り戻せません。
2年経った時には、セブン-イレブンはさらに先行しているのです。この状況では、国内においては他社コンビニに勝ち目はありません。

セブン-イレブンの一人勝ちです。

他社コンビニが「商機と勝機」を得るためには、国内に留まらず、海外、特にインドネシアやタイなどの成長が見込まれる国や地域に進出し、新市場を開拓することです。


話を戻します。
韓国の携帯電話会社が危機に瀕しています。

2012年6月、携帯電話事業者が最も懸念していた事態が起こる。カカオが無料音声通話「Voice Talk(ボイストーク)」の試験サービスを開始したのだ。

これが普及し、文字のやり取りのみならず通話までカカオ経由になれば、携帯電話会社は通信インフラを提供するだけの存在、業界で言うところの「土管」に成り果ててしまう。

新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26
p. 033



では、日本ではどうでしょうか?
NTTドコモ、KDDI(AU)、ソフトバンクの3社の寡占状態が続いています。これまで月毎の純増契約数で競ってきましたが、すでに数字の公表を取りやめています。

短期契約し、キャリアを何度も乗り換える利用者がいて、長期契約者の利益を損ねるという弊害が生じているからです。

iPhone導入で出遅れたNTTドコモは、巻き返しに躍起になっています。
iPhoneを含めた、巻き返し策を6月から導入します。

NTTドコモが6月、新サービスの「カケホーダイ」を開始する。スマホでは月額2700円で、国内の携帯電話や固定電話への通話が無制限で可能になる、という日本では初の完全定額の音声通話サービスだ。

新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26
p. 033
新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26


表向きは、KDDIやソフトバンクへの対策のように見えますが、真意は別のところにある、と指摘している専門家がいます。

野村総合研究所の桑津浩太郎・主席コンサルタントは「最大の狙いはメッセージアプリ対策」と断言する。

新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26
p. 033


さて、ではLINEは今後どのような戦略を採っていくのでしょうか?

現行の事業と今後の見通しを概観してみましょう。

LINEは今年3月、メッセージアプリだけでなく、「LINE電話」と呼ぶ無料の通話サービスを開始した。長らく携帯電話会社の金城湯池だった「通話」にまで、メッセージアプリ事業者が侵食してくるのは韓国と同じ状況だ。

新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26
p. 034


NTTドコモは、このLINEの新サービスへの対策を打ち出しました。日経ビジネスは、その対策に疑問を投げかけています。

6月下旬からは国内初となる「VoLTE(ボルテ)」と呼ぶ新技術を使った音声通話サービスを開始する。接続時間が従来の2分の1以下になり、高音域が聞き取りやすいのが特徴という。

通話サービスの定額化と品質向上によりLINEの勢いを抑えにかかるドコモ。だがその戦略もまた、どこまで功を奏するかは未知数だ。

新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26
p. 034


米国の事情はどうなっているでしょうか?

米携帯市場の2強、ベライゾン・ワイヤレスとAT&Tは2010年から2011年にかけデータ通信料金の定額プランの新規加入を停止。以降、従量課金プランしか提供していない。

新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26
p. 035


新・通信覇者 アプリVSキャリア、乱戦の行方 2014.05.26


たとえ「土管」になっても、利益は確保できる、と考えているからです。

他の地域ではどうでしょうか。
メッセージアプリを規制している国もあるそうです。例えば、ベトナムがそうです。

その理由は、「国の歳入減につながるという懸念による措置であることは疑いない」(p. 035)からです。

サウジアラビアでも同様な措置をとっているそうです。

裏返せば、「それだけメッセージアプリが猛威を振るっている証拠と言える」(p. 035)のです。



次回は、

PART 2 変わるのか業界の秩序 新覇者候補はどこか


をお伝えします。

世界の主なメッセージアプリを知ることができますよ。


🔷編集後記

この特集記事(元記事)が公開されたのは、9年前のことで、アメブロでも9年前(2014-06-16 20:50:17)のものです。加筆修正してあります。

Facebook(現Meta Platforms)のついての詳細な記事が掲載されていましたので、関連記事を取り上げます。

ネット広告収入はどうなっているのか関心があったからです。

Facebookの広告収入とMeta Platforms に社名変更してからの広告収入はどうなっているか、Bing AIに質問してみました。
分かったことはネットの広告収入は莫大だということです!
言い換えれば、広告収入に依存しているのです。
つまり、広告収入の減少は即、業績に跳ね返ってくるということです。

Facebookの広告収入は、2020年Q4に271.8億ドルでした。これは、FacebookQ4の収益全体の281億ドルのうち96.8%を占めています。2021年にはデジタル広告が39兆396億円(前年比32.7%増)となり、広告市場全体の成長を大幅に牽引している

Meta Platforms(旧Facebook)の2021年度の収益は約1179億ドルで、そのうち約1157億ドルを広告収入が占めています。2022年第1四半期(1~3月)の決算は、売上高は前年同期比7%増の279億800万ドル、純利益は21%減の74億6500万ドル。Meta Platformsの広告収入は、「28億人(DAU)」✕「11.57ドル(ARPU)」で326億ドルです。」

DAUとは、Daily Active Users(デイリー・アクティブ・ユーザー)の略
ARPUとは、ひとりあたりの平均売上金額を表す指標。英語の「Average Revenue Per User」の頭文字を取った略語
以上の定義は下記のウェブサイトから引用しました。



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