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堀 紘一 名言集 『リーダーシップの本質』(31)

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』(31)

 『リーダーシップの本質』(初版 2003年6月26日 ダイヤモンド社)は、堀 紘一氏が満を持して上梓した優れたビジネス書です。

 略歴は著者紹介に譲るとして、堀 紘一氏はボストンコンサルティンググループ日本法人代表、ドリームインキュベータ創業者となり東京証券取引所に上場させた、単なる経営コンサルタントではありません。
 優れたビジネス書を数多く執筆しています。


建前の裏にある、相手の本音を読みとる力を備えたリーダーこそ、本当の意味のリーダーシップを発揮することができると言えるだろう

 人は必ずしも本心で語るわけではない。誰しも建前と本音を持っている。心証をよくしようと、上司に対して心にもないことを言う場合もある。だから、表面的な言葉だけで相手を理解するわけにはいかない。
 建前の裏にある、相手の本音を読みとる力を備えたリーダーこそ、本当の意味のリーダーシップを発揮することができると言えるだろう

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 1 <91>                  


道筋を示す際に、もう一つ忘れてはならないことがある。それは、結論に至るまでの過程をできる限り透明にすることである

 シンキング・パス、つまり考え方の道筋を示すことがいかに大事かについてはおわかりいただけたと思う。その道筋を示す際に、もう一つ忘れてはならないことがある。それは、結論に至るまでの過程をできる限り透明にすることである
 透明性を持たせることは、反対する人や異なった意見を持つ人の納得を得るためにも必要だと思う。だが、それを実行していくのは簡単ではない。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 2 <92>                  


透明性を持つといっても、周囲に見せてはいけない部分もあることを忘れてはいけない

 つまり、透明性を持つといっても、周囲に見せてはいけない部分もあることを忘れてはいけない。しかし、そうでない部分はすべて基本的にガラス張りにしていくことで、社員は納得できるのである。

『リーダーシップの本質』 堀 紘一の名言 3 <93>                  


✔ 出典元

『リーダーシップの本質 真のリーダーシップとは何か』
2003年6月26日 第1刷発行 ダイヤモンド社


✍ 編集後記

🔶  『リーダーシップの本質』は堀氏の経歴に違わない内容の本です。重要な点は「本質」です。すぐに廃れてしまうハウツーものとは根本的に違います。

私たちは新奇さに目を奪われることなく、常に「本質」とは何かに着目する姿勢を貫きたいですね。

勉強は一生続けることが大切です。世の中は常に進歩しているのですから。劇的な変化にも予兆はあります。感度の良いアンテナを張り、見逃し、聞き逃ししないようにしましょう!

何歳でも、何歳からでも勉強はできます。書籍を手許に置いておけば、いつでも何度でも参照することができます。

「この本は良書だ」と思ったらその1冊の本を何度も読み返すことが重要です。
一度読んだくらいですぐに理解できたという著書は、中身は大したことはないと判断するべきでしょう。「韋編三絶」という言葉がありますね。


🔷 「道筋を示す際に、もう一つ忘れてはならないことがある。それは、結論に至るまでの過程をできる限り透明にすることである」

この言葉は、言い換えると「見える化」するというです。

私の解釈では次のようになります。
A地点(出発点)からB地点(途中)、C地点(目的地)へ向かうとします。

まず、A地点ではどういうことに注意すべきか、あるいはどのタイミングでスタートすべきかを明らかにします。

次に、B地点ではどのような点に注意を払うべきか。C地点に向かう別のルートはあるのかないのか、をそれぞれ明示します。

最後に、C地点は本当に目的地なのか。他ではないのか。その理由とA地点からB地点、そしてC地点に至るまでにはどれだけの時間と作業、行動が不可欠なのかを詳細に説明する。

それぞれのポイントを数値やチャートで示すことによって「見える化」することが可能になります。

言い換えますと、

リーダーは目的を明確化し(戦略の策定)、リーダーの下でメンバーは戦術あるいは戦技(数値目標の策定)を練り、実行することで、リーダー・メンバー共通の目的を達成することが求められる。

このようなに考えています。




✒ 堀 紘一氏の略歴

ドリームインキュベータ代表取締役社長。
1945年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学大学院経営学修士(MBA with High Distinction)。読売新聞、三菱商事、ボストンコンサルティンググループ(BCG)社長を経て、2000年にドリームインキュベータ(DI)創業。
BCG時代には、金融、ハイテク、消費財、Eコマース、中期戦略など数多くの戦略策定及び実行を支援。
『知恵は金なり』『強い会社はこうしてつくれ』『成功する頭の使い方』(PHP研究所)、『人と違うことをやれ!』『どんな「壁」でも突破できる』(三笠書房)、『挑戦! 夢があるからビジネスだ』『脱皮できない蛇は死ぬ』(プレジデント社)、『できることから始めよう!』(ダイヤモンド社)、『ホワイトカラー改造計画』『21世紀の企業システム』(朝日出版社)など著書多数。
(『リーダーシップの本質』の著者紹介から)


✒ 堀 紘一氏の略歴補足

2020年に堀氏はDIの取締役を退任し、DIは電通の傘下となりました。
近況は下記をご覧ください。
「セカンドライフ」を謳歌しているようです。


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