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デッドライン 「恐怖の極限」とは何か?あるホラー作家の衝撃の体験!(1980)

マリオ・アゾパルディ監督の1980年作品『デッドライン 「恐怖の極限」とは何か?あるホラー作家の衝撃の体験!』を見た。

冒頭、何の前触れもなく女性のシャワーシーンが出てきて、何じゃこのB級感は!? と思っていたら、真っ赤な血のシャワーになって… 突如、作家がタイプライターに向かっている姿の映像に変わる。ああ、なるほど、そういう作りか…

本作の主人公は残虐なB級ホラーの小説や脚本を書いているスティーブンという作家で、作品がヒットしてお金儲けは出来ている一方、「金儲け主義のグロ作家」などとこき下ろされる日々。それでも低俗かつ刺激的な彼の作品は売れるので、プロデューサーからは次々と新作をせがまれている。

自宅で執筆活動をするスティーブンには妻と3人の子供がいて、子供たちは大声出して暴れるわ、喧嘩するわ、遊んでくれとせがむは、勉強教えてとやってくるわで、なかなか執筆に集中できない。締め切りが迫る中、スティーブンは妻との約束もすっぽかし、家庭不和も増すばかりだ。

作品は下世話だと揶揄される。でも、そんな作品が売れるのでどんどん書けと言われる。家族との関係も壊滅的。締め切り(デッドライン)が迫る。映画は、にっちもさっちも行かなくなった、追い込まれた作家の姿を延々と描いていく。

だけなら、つまんない映画になってしまうので、彼が執筆している最中に頭の中でイメージしているホラー映画の場面を短尺の映像にして、途中途中に挟んでくる。これがわかりやすく極端なB級ホラー映像として良く出来ていて、ホラー映画名場面集みたいな作りに。

それが冒頭の"血のシャワー"を見たときの「なるほど、そういう作りか…」という感想になるわけです。

物語の展開もどんどん悲惨な方に向かっていくので、まるで楽しい気分にはなれないが、途中に挟まれるB級ホラー映像はそれなりに楽しいし、なかなか体感できないギクシャク感が新鮮なので、これはこれで良し。

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