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対峙(2021)

フラン・クランツ監督「対峙」を観た。これは、普通の映画とはちょっと違う意味で凄い!

多くの学生が犠牲になった高校銃乱射事件から6年。息子の死を受け入れられずにいるペリー夫妻は、セラピストの勧めで、加害者の両親と会って話をすることになる。

教会の奥の、質素で小さな部屋でテーブルを挟んで対峙する2組の夫婦。映画はほぼ全編、この部屋の中の4人の対話だけで進行する。

小さな部屋の中で対話する4人を映すだけで観客を惹きつけ続けることはたやすくないが、この作品は、その難しい仕事を見事にやってのける。

被害者と加害者という相容れない立場で交わされる会話の中身がヒリヒリするほどのリアリティを伴い、4人の役者の演技が、本当の事件の関係者によるドキュメンタリー映像かと感じるほど真に迫っている。

エンタメというには程遠いが、こういった内容の映画がこのクオリティで仕上がる機会は滅多にないと思うので、ぜひスクリーンで観てほしい。対話劇なだけに、4人の対話や表情に集中できる劇場が圧倒的にオススメです。

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