見出し画像

ゴーストワールド(2001)

昨年11月からリバイバル公開されてスマッシュヒットしているという、テリー・ツワイゴフ監督の2001年作品「ゴーストワールド」を久しぶりに見た。3回目かな。

1990年代アメリカ、都市郊外の名もなき町。高校の卒業式を迎えた、幼なじみで親友のイーニドとレベッカ。バカな同級生たちともオサラバできて嬉しいが、高校を卒業したからといって進学する気はないし、就職して働きたいわけでもない。冷めた2人は世の中に悪態を吐きながら、あてもなく町をぶらついては面白いことを探して過ごしていた。

そんなある日、新聞の出会い系広告を見つた2人は、いたずらで広告主を呼び出してみる。現れたのはいかにもモテなさそうなダサい中年男・シーモア。しばらく待ちぼうけを食らっていた彼は、やがて自分が騙されたことに気づくと怒って店を出て行ってしまうが、すかさず2人は男を尾行して自宅を突き止める。

後日、ふたたび男の家を訪れると、ガレージセールを行っているシーモアの姿があった。彼はブルース・レコードのコレクターで、ブルースについて喋り出すと止まらなくなるのだった。孤独でも自分の世界に生きるシーモアに関心を持ったイーニドは、彼の”理解者”として交流を深め、奇妙な友情関係を築いていく。

一方、アパートを借りるために地元のコーヒーショップに就職し、社会と折り合いをつけて自立しようとするレベッカは仕事中心の生活になっていく。同居を計画していた二人の間には次第に距離が生まれ…

とにかく、この拗れた女子2人組の魅力に尽きる作品。映画前半の2人が並んで町を歩いている姿だけでも見飽きない。そして、最初は完全にシンクロしていたはずの2人の"世の中に対するスタンス"が、徐々にズレていき、イーニドがどんどん孤独になっていく様は、自業自得とはいえ見ていて胸が痛む。

この年代独特の自意識と、個性としての美意識と(アーティスティックなファッションが可愛い)、子供と大人の中間点にいる微妙な雰囲気を実に上手く描いたなぁ…と感心。

イーニドを演じるソーラ・バーチ、レベッカを演じるスカーレット・ヨハンソンはこの役にピッタリすぎるし、シーモア役のスティーブ・ブシェミが見事に脇を固めている。ブシェミ、最高。大好き!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?