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ドクター・モローの島(1977)

当時の特殊メイクについて調べていた流れで、1977年公開のドン・テイラー監督「ドクター・モローの島」を久しぶりに見た。

1911年。嵐で沈没した船から脱出した青年アンドリューは、救命ボートである孤島に流れ着いた。そこは、ドクター・モローという人物と助手のモンゴメリー、マリアという美しい女性、無口で奇妙な召使たちが住む屋敷以外はジャングルしかない、世間から隔絶された世界であった。

モローはアンドリューに「夜の森には近づくな」と注意するが、動物の咆哮のような声が聞こえるこの森にはいったい何がいるのか、ここでモローたちは何をしているのか、アンドリューはその秘密を探ろうとする。

【以下、ネタバレ】
実はこのドクター・モロー、もともと優秀な学者だったのだが、研究内容が独創的すぎて追放され、ひとりこの島にこもって"遺伝子操作で動物を人間にする実験をしている"ことが判明。

動物に人間の遺伝子を注射して(このへんが古き良き映画なわけですが)、人間に寄せていくのだ。しかし、そこはやはり動物なので、理性的な行動が出来ない。そこでモローが考えたのが、「二本足で歩け」「血を流すな」などの「人間としての掟」を守らせることだった。

映画中盤で森の中には人間にされた多くの動物たちが、この「掟」だけを「心のよりどころ」にして暮らしていることが明かされるが、やがて、この「掟」をアンドリューが破ってしまうことからモローと動物人間たちの均衡が破れ、島の秩序が崩壊していく。

という、ざっくりこんな物語。何せ1970年代の特撮なので、今見るとメイクもちゃちかったりするが、当時はこれでも十分怖かった。

あと、後半に動物人間と動物が入り乱れて格闘するシーンがあるが、当時のことなのでリアルにスタントマンが動物と戦っている姿は凄まじい。

そして、子供の頃に見て、今でも忘れられないめっちゃ嫌な後味が残る衝撃のラストシーンへ… え? あれ? ないの??? ハッピーエンド!? という別の意味で衝撃の結末を迎えたのであった。

※ 日本劇場公開版と1980年のTV放映版はバッドエンド。アメリカ劇場公開版と、それがベースのパッケージ版はハッピーエンドなのだそうです。

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