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エバー航空の機内サービスは推せる


はじめに

先日の台湾旅行では、往復とも台湾を代表する航空会社の一つであるエバー航空のフライトを利用しました。
エバー航空は航空サービス調査機関「SKYTRAX」から2016年以来8年連続で5つ星航空会社として認定されている、世界でも指折りの評価の高い航空会社で、「ハローキティジェット」の運航やビジネスクラスの「鼎泰豊」監修の機内食などで各方面の話題をさらってきました。
前置きが長くなりましたが、今回の台湾往復の際のフライトでの様子を中心に、エバー航空のサービスの素晴らしさについてお話しします。

桃園国際空港のハローキティジェット専用自動チェックイン機
エバー航空A330-300「ハローキティジェット」(2018年)

1.美味しい機内食

国際線フライトの最大の楽しみといえば機内食ですが、エバー航空の日台路線のエコノミークラスの機内食は通常だと以下の構成になっています。

・メイン(肉料理or魚料理+ご飯or麺+温野菜)
・サラダ
・カットフルーツ
・パン(バジル入り)

これにソフトドリンクorお酒、食後のコーヒー、中国茶が付く形になります。ちなみにビールについてですが、キリン一番搾りと台湾啤酒、ハイネケンが搭載されていることが多いです。

往路(BR177便)の機内食
復路(BR130便)の機内食

今回は往路の大阪→台北間(BR177便)では日本風に薄味で仕上げた鶏肉の照り焼きが、復路の台北→大阪間(BR130便)では台湾風に味付けられた鶏肉の炒め物がそれぞれメインディッシュとして供されました。
特に、復路で供された鶏肉の炒め物は、旅行中に立ち寄ったレストランで提供された料理に似た胡椒の利いた味付けで、旅の最後まで台湾を味わせてくれる至高の一品でした。

また、時期やフライトによっては、エコノミークラスでもメインディッシュとして魯肉飯や排骨飯など台湾の名物料理が提供されることもあるそうで、いつか機会があればお目にかかりたいものです。

2.充実した機内映画 

エバー航空の機内エンターテイメントプログラムは「STAR GALLERY」という名称で、数多くの映画や音楽のプログラムを取り揃えています。
このうち映画のプログラムは「スカイハリウッド」という名称で、乗客(注)は世界各国から選りすぐりの約150種類の映画を鑑賞することができます。
「スカイハリウッド」で鑑賞できる映画は台湾をはじめとする中華圏のものが中心ですが、邦画もそれなりに多くラインナップされており
2024年7月時点では、
「翔んで埼玉~琵琶湖より愛をこめて~」
「サイレントラブ」
「正欲」
「カラオケに行こ!」
「すずめの戸締まり」

がラインナップされていました。

「スカイハリウッド」メニュー画面

大阪・福岡~台湾間のフライトを利用される方の場合は飛行時間が短いため、映画を充分楽しむのは困難かもしれませんが、東京・札幌~台湾間のフライトを利用される方はせっかくの長い飛行時間に充実した機内映画を楽しんでみるのも良いかもしれません。
(注)ただし、エアバスA321-200のエコノミークラスについては個人用モニターがないため、乗客たちが鑑賞できる映像番組は頭上のモニターで放映される限定されたプログラムのみとなります。

3.機内音楽にはJ-POPの神曲がずらり

アジア系の大手航空会社のなかには、機内エンターテイメントプログラムのJ-POPのコンテンツに力を入れているキャリアが少なくありませんが、エバー航空の機内エンターテイメントプログラムも充実したJ-POPの番組を取り揃えています。

2024年7月時点のエバー航空の機内音楽プログラム「スカイコンサートホール」では、宇多田ヒカルさんの「First Love」、乃木坂46の「人は夢を二度見る」・「好きというのはロックだぜ!」、Perfume特集,
YOASOBI特集などが収録されていました。

また、アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」のサウンドトラックやアニソンチャンネル、藍井エイルさんのアルバム「Kaleidoscope」などアニメ音楽のコンテンツも充実しており、サブカル系の方も退屈せず楽しめるようになっています。

ただ、あくまで外国のエアラインの機内エンターテイメント番組ということでツッコミどころも多々あるので要注意です。
たとえば、「日本演歌精選」という名称のチャンネルがありましたが、そこに収録されている演歌歌手のナンバーは由紀さおりさんの歌謡曲カバーと坂本冬美さんの楽曲の計2曲だけでした。
この2曲以外の楽曲は、1980~2010年代の懐かしのJ-POPのナンバー。西野カナさんやChemistryのナンバーが「演歌」という扱いだったのには拍子抜けしました。

また、「スカイコンサートホール」ではJ-POPのほかにもK-POPや台湾をはじめとする中華圏のポップスのプログラムが数多く用意されており、日本のみならずアジアのポップス全般が好きな方ならば間違いなく満足できるのではと思います。

宇多田ヒカルさんの「First Love」を聴きながら台湾に向かいました

4.化粧室のアメニティ

エバー航空では機内の化粧室に、フランスのコスメブランドであるPAYOTのハンドソープ、コロン、ハンドクリームを備え付けています。
何気なく入ってみた化粧室に、良い香りのハンドソープが備え付けてあると利用者としては嬉しいものです。

「PAYOT」ブランドのハンドソープなど

5.新鋭機材が多い

現在、エバー航空が保有している機材は以下のとおりです。

・エアバスA330-300(2011年~)
・エアバスA321-200(2012年~)
・ボーイングB777-300ER(2005年~)※B787シリーズに置換え中
・ボーイングB787-9(2018年~)
・ボーイングB787-10(2019年~)

いずれも製造後数年~10数年の最新鋭機材ばかりとなっています。

特に、2018年から日台路線に就航しているB787シリーズはエコノミークラスでも足元のスペースが広く、12インチの大型個人モニターを装備した座席を設置しており、大阪~台北間片道2時間半強のフライトタイムを快適に過ごすことができました。

エバー航空B787-10のエコノミークラス
エバー航空B787-10エコノミークラス座席の足元

6.B777-300ERの「乗り得」プレミアムエコノミー席

エバー航空の機材のうち、台湾と欧米を結ぶ長距離路線の主力であるボーイングB777-300ERにはビジネスクラス・エコノミークラスに加え、両クラスの中間にあたるクラスであるプレミアムエコノミーが設置されています。
このB777-300ER、長距離路線の間合いで日台路線の運用に入ることも多々あるのですが、日台路線ではプレミアムエコノミー運賃の設定がないため、プレミアムエコノミー区画の座席はエコノミークラスの乗客に開放されています。
プレミアムエコノミーの座席は通路を挟んで横に2+4+2列のゆったり配置。
ちょっと昔のビジネスクラスに匹敵する大ぶりの座席が並んでおり、エコノミークラスのものより上等な枕やヘッドホンが備え付けられています。
もし、エバー航空の日台路線でB777-300ERが運用されるフライトのエコノミークラスに搭乗される際は、事前の座席指定で前方の座席をリクエストしてみてください。長距離路線ならばプレミアムエコノミーとして扱われる乗り得座席で、ゆるりと寛いで日台間を移動することができるのでお勧めです。

エバー航空B777-300ERのプレミアムエコノミー席

7.創業以来死亡事故・全損事故0件の記録を更新中

機内サービスからは話題が逸れますが、エバー航空は1991年7月1日の就航以来33年間、乗員・乗客に死亡者を出す事故を1件も起こしていません。
また、機体の全損を伴う事故も起こしていません。
同社が航空会社の格付けでは常に上位にランクされ、また多くの利用者に支持される一つの理由が、この安全性の高さにあります。

結び

エバー航空は学生時代の初めての台湾一人旅でお世話になって以来、私にとって一推しの海外エアラインの一つですが、上で挙げたように機内食も機内エンターテイメントも競合他社と比べてかなり質が高いものになっています。
現在の日台間の航空路線は台湾・日本両国のフルサービスキャリア、LCC各社のほか、以遠権を用いて乗り入れてくる香港のキャセイパシフィック航空や東南アジアのLCC各社も参入している一大激戦区で、選択肢には事欠かない状況ですが、どの航空会社が良いか悩まれている方はぜひ一度エバー航空を利用してみてください。

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