竹内一仁

享栄高校硬式野球部主将から大阪産業大学硬式野球部。社会人を経て名東野球道場スタート。自…

竹内一仁

享栄高校硬式野球部主将から大阪産業大学硬式野球部。社会人を経て名東野球道場スタート。自身の経験から、育てるべきは野球の技術だけでなく「人」だと感じ、勝ち負けが最優先になってしまうチームではなく、子供達とより深く向き合えるよう道場という形を選んだ。

最近の記事

何のために野球をやってきたか

人は何のために野球をやっているのか... 様々色々あると思う。 プロ野球選手、今ならメジャーリーガー、さらに甲子園、たくさんの子供たちは目標や夢に向けて野球を頑張っていると思う。   そこまでの高い夢や目標まではないが、野球が好き、運動が大事だから、親が野球を好きだから...そう思って野球をしている子供もいると思うが、そこに正しい正しくないは一切ない。 人それぞれ、どんな思いで野球をやろうとそれは自由。 何のために...が分かって野球をやっているだけで良いと思う。 なぜこ

    • やっぱり信念は曲げられない(後編)

      セカンドオピニオンに行った病院は、プロ野球の球団のチームドクターもやっている先生だった。 ここまでの経緯を説明し、全身のチェックから肘のあらゆる検査をして診察へと進んだ。 その先生の判断として、今までの歩みと現在の肘の症状を診ると、保存療法での回復は痛めてる範囲が広いため難しいという判断であった。 手術をして約半年後、普通に投球できる事を目標に進んでみてはどうかと先生からの提案があった。 「この肘はきちんと治るから大丈夫」「また野球は普通にやれるから心配しなくていい」「我慢

      • やっぱり信念は曲げられない(前編)

        私のチームの中に、小学6年生で出会い、中学1年生になってから本格的に一緒に練習をし始めた1人の選手がいる。 彼は、小学校低学年から野球を始め、毎週末野球に打ち込んできた。 季節問わず土日は試合試合の日々を送り、ピッチャーもやっていた彼は、土日合わせて300球近く投げる時もよくあったという。 「休みたくない」「勝つために」「指導者に物申す空気ではない」...そんな中で何年も野球を続けてきた。 小学6年生の時、チームで肩と肘の健診を受けた時に肘に異常がある事を知らされた。 自覚症

        • 人のせいにしたくない

          私は色々な事で悩んでいる。 選手達の育成計画や、日々どのように向き合ってあげたらいいのかを考え続けている。 選手達のために最大限できるサポートをするためには、私自身がどうしたらいいのか...。 もちろん、選手達も我慢して辛抱して、自分の野球人生のために頑張って欲しい気持ちもある。 ただ、うまくいかなかった事、失敗やミスの繰り返しに対して、一方的に厳しく責める事は好きではない。 選手がうまくいかなかった事は、私自身への課題でもある。 私のアドバイスやサポート、指導も何か足

        何のために野球をやってきたか

          考え方はブレたらいけない

          指導者の勉強をまた新たに始めた私。 練習メニューや技術論に関しては、時代の変化を感じる事が多い。 そこは、取り入れるべきものは取り入れ、小・中学生に必要な練習は形にしてあげたい。 考え方や育て方についてもよく聞かれる。 そこだけは絶対にブレるつもりはない。 よく聞かれるのは小・中学生の育成について。 試合にも良さはあるが、高校に行くまでは、まずしっかり基礎基本の練習をするべき。それがあっての試合だと思う。 高校から上の世界は、細かな技術指導や個別に指導を受けられる世界で

          考え方はブレたらいけない

          親父...

          8月3日午前10時30分、父が息を引き取った...。 親父なんて呼んだ事はないが、一度呼んでみたかったので、 このnoteを綴る時だけは父を親父と呼ぼうと思う。 親父との思い出は、野球でずっと叱られた事、野球で厳しく育てられた事以外はあまり思い出せない。 プロ野球選手だった親父だが、幼かった私は、親父の現役時代を知らない。 「変な癖がつくから、まだ野球をやらなくていい」と小学生の間は野球をやらなかった。サッカーに明け暮れる日々だった。 小学校時代、サッカーにのめり込み

          ありがとう。心からありがとう。

          スケジュールの都合がついたので、高校野球・夏の大会、教え子達の試合の応援に行ってきた。 高校野球のテレビ中継の解説などもする私だが、教え子達の試合を観に行くのはあまり好きではない。試合内容や試合結果にはあまり興味がないのに、教え子達に気持ちが入りすぎて感情が涙となって溢れてしまうからだ。 今回も案の定、試合前のノックから、笑顔で元気よく一生懸命やってる姿を見ただけで涙が出てしまった...。 小さい頃から高校に行くまで、一緒に野球をやってきた事を思い出し、逞しくなった姿に感

          ありがとう。心からありがとう。

          大切な教え子達

          高校野球・夏の大会が無事にスタートしている。 新型コロナの影響はまだあるが、昨年よりも少し前進できていると思う。 感染対策をしながら、無事に大会が進む事を祈るばかりだ。 今年最後の夏を迎える道場の教え子達もたくさんいる。 親元を離れ、寮生活で身の回りの事から自分でやってきた選手、自宅から通っていたが、早朝に家を出て夜遅くに帰ってくる生活を送ってきた選手、学校によって生活スタイルも様々。 ケガに苦しんだり、理不尽な部活のルールに苦しんだり、なかなか簡単には結果が出ない世界で

          大切な教え子達

          求めても無理な事は求め過ぎない・比較しない

          野球をやっていると、天性の才能を持った選手をたくさん目にする事はある。 少年野球の世界でも、中学の強豪クラブチームにスカウトされそうな選手はいる。 中学のクラブチームにも、有名強豪高校にスカウトされそうな選手はいる。 体格に恵まれ、体の柔らかさに恵まれ、持って生まれたパワーに恵まれ、足の速さ、肩の強さなど、天性の才能を持っている選手はたくさんいる。 しかし、みんながみんなそんな選手ばかりではない。 不器用であったり、体が小さかったり、体が硬かったり、体の力が弱かったり.

          求めても無理な事は求め過ぎない・比較しない

          考え方の軸は変えてはいけない

          考え方や指導方法について、色々言われる事がある。 もっと厳しくした方がいい、ピリピリした空気感が必要、選手達をもっと管理すべき...こんな事をよく言われるが、それは私の考え方の軸にはならない。もし本当に必要な場面があれば取り入れる可能性もあるが、必要だと感じた事はあまりない。 野球界の体質は古い。子供を大切にするよりは、酷使し、厳しく抑えつけて言う事を聞かす感じは今も昔と変わらない。 子供達が指導者など大人の顔色を伺い、叱られないようにやる、叱られたから一生懸命やる。そん

          考え方の軸は変えてはいけない

          本当に大事なものは、野球のその先にある

          道場で、毎日一緒に野球をしている子供達には、心から野球がうまくなって欲しい、そのためには果てしない努力をしたいと思っている。 ただ、それと同時に子供達に伝えている事がある。 野球は永遠に追えるものではない。 野球進学、甲子園、大学野球、プロ野球...夢を持てるものは野球にはたくさんあるが、夢を追うには年齢的に限界はある。 草野球など楽しむ事はできるが、夢見る野球は難しくなる。 いつかは野球から離れなくてはいけない時が来る。 30歳40歳になってプロ野球の夢は追う事はでき

          本当に大事なものは、野球のその先にある

          自己中心的ではいけない

          野球界の人口減少がネットニュースなどの記事になる時代だが、なぜそうなるか、そうならないためにどうしたらいいか...を野球界の人間がどこまで考えているかが大切のように思う。 野球教室やレクリエーションとして野球体験は行われているが、実際にチームなどに入って続けていく事は少ないという。 以前も綴ってきたが、親の負担や縛りの多い野球界の古い体質など、飛び込むには勇気がいる世界になっている。 ただ、私はそれ以上に大きな原因があると思う。 それは、指導者や選手達の受け入れる・迎え入

          自己中心的ではいけない

          基本を大切に

          私も含め、野球をやってきた人は、「基本を大事にしろ!」と一度は言われた事があると思う。 私も本当によく言われた。 その時は、毎日やっている練習や毎日毎日言われている事が基本だと思い込んでいた。 指導してくださった指導者のみなさんには感謝しかない。 ただ、指導者となった私は、今思うと、小さい頃から言われてきた「基本」をそのまま次世代の子供達に伝えていく事は違うと思う。 技術的な部分も、色々な考え方がある。 守備の基本はキャッチボール。それは間違いない。 キャッチボールが上

          基本を大切に

          変わるべきは大人(3)

          野球界が考えていかなくてはいけない事、大人が変わるべき事をここまで綴ってきたが、今回最後に考えたいのが子供の野球にかかる親の負担について。 子供の野球離れなどがニュースになる時代だが、その要素の一つに親の大変さがあると思う。 お茶当番、父親の練習準備、遠征の帯同、土日の野球への拘束時間、進学面などを考え指導者にものを言えない服従の関係性、お金の面での負担など、私が子供の頃からこれらの常識のような決まりは変わっていない。 野球界では当たり前、子供が野球をやる以上仕方ない、そ

          変わるべきは大人(3)

          変わるべきは大人 (2)

          前回から、子供達の野球について、大人が変えるべき事を少しずつ綴っている。 今回は子供達が発した言葉のトラブルや失敗について考えたいと思う。 前回のnoteにも綴ったが、私はグランドの中で、子供達がコミュニケーションを取る事を良い事だと思っている。 練習開始前や練習終了後は、グランドでおもいっきり遊んでくれて良い。 キャッチボールをやったり、子供同士でノックをやったり、ピッチャー気分になって投げてる子供達もいる。 私は観察するだけで、口は絶対に挟まない。 その自由の場で無心

          変わるべきは大人 (2)

          変わるべきは大人 (1)

          私自身が野球界に身を置いて約30年になる。 途中、社会に出た時は野球から離れた事もあったが、 それでも長い間野球に携わっていると思う。 本格的に指導者を始めて10年以上になる。 時代とともに、野球界も子供達も変化してきている。 決して時代の流れが速いとは思えないが、少しずつ変化している。ただ、変化しているのは外見の事が多い気がする。 今では高校野球でも当たり前だが、私の現役時代は使用できなかったバッティンググローブ やエルボーガードや自打球ガードが認められた。 反発力

          変わるべきは大人 (1)