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はじまりの一冊。『軽くなる生き方(著:松浦弥太郎)』

人からアドバイスをもらったとき、同じ内容でも、納得できる人とそうでない人がいます。タイミングにもよると思いますが、誰が言うのか、が重要な気がしています。

それは肩書きの有無という意味ではなく、なぜその人が言うのか(言う必要があるのか)と言う意味です。言い方を変えると、頭から出た言葉より、腹から出た言葉の方が納得ができます。

本でも同じだと思っていて、同じような主張や言葉を並べていても、納得ができるほんとそうでない本があります。やはり、その著者が発する言葉の背景がわからないと中々腑に落ちないものです。

本書に書かれている人や物との関わり方や仕事の仕方は、プロとしてのシビアさはあるけれど、どれもシンプルで軽やか。『正直・親切』『あいさつは「人生のお守り」になる』など、当たり前のような、理想的な言葉たち。その言葉を支えているのは、著者の暗い過去。

中高生の時代、自衛隊受験や高校ラグビーでの大怪我などの挫折を繰り返し、逃げるようにアメリカに飛び立ったこと。乞食のような暮らしをし、自分を保つために嘘を繰り返し、信頼を無くしたこと。そんな過去があるからこそ、言葉に力を感じます。

書店では文庫版がありますが、僕は単行本が好きです。タイトルが右肩上がりなのも、写真の少年からも自由を感じます。

この本と出会ったのは20歳のときでしたが、今でも変わらず、気づきを与えてくれている一冊です。


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