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アメリカを学ぶ

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アメリカ関連の記事をまとめているマガジンです。
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#安全保障

なぜ大国の脅しが失敗するのか?: Coercion, Survival, and War(2015)の紹介

国力に優れた大国は、自国の要求を他国に押し付けやすくなるというイメージがありますが、実際…

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論文紹介 国際法は武力行使の支持態度にどれほど影響を及ぼすのか?

国家が武力行使を選択したとき、人々がそれを支持しているかどうかは、再選を目指す指導者にと…

宇宙領域の冷戦史『世界史を動かすスパイ衛星』(1990)の紹介

1992年9月、アメリカ国防総省は初めて国家偵察局(National Reconnaissance Office)の存在を…

冷戦期の米軍の変化を社会学的に捉えたThe Professional Soldiers(1960)の紹介

モーリス・ジャノヴィッツは軍事社会学の分野で業績を残している研究者であり、その主著として…

大国の情報活動が成功するとは限らない:Why Intelligence Fails(2010)

大国は世界で何が起きているのか、何が起きそうなのかを知るため、多くの予算を情報活動に割り…

論文紹介 国際法で戦争が違法化されたことで、国際政治にどのような影響があったか?

現代の国際法の枠組みは、第一次世界大戦が終結した時点で有効だった枠組みと比較すると、まっ…

論文紹介 1980年代の中東情勢と米軍の対ソ戦略に対するウォルツの考察

1979年9月1日、アメリカ上院外交委員会では中東地域に配備する新しい部隊として即応展開部隊(Rapid Deployment Force, RDF)を新編することが提案されました。それまでのアメリカ軍ではヨーロッパ地域や東アジア地域の態勢を充実させることが重視されてきましたが、この提案を踏まえて中東地域の態勢が見直されることになり、1980年3月1日に編成作業が完了しました。 当時のアメリカではベトナム戦争の記憶が鮮明であり、即応展開部隊を新たに配備する際にも議論が起きて

論文紹介 情報活動においてヒューミントが劣化することの危険性

情報活動では情報源の性質に応じて獲得した情報を区分することが一般的です。通信を傍受して得…

論文紹介 冷戦期の米国でCIAの情報活動の質の悪さを指摘した研究者の批判

ロバート・ジャーヴィスは、国際政治を理解するためには、人間の認知が対外政策の形成に与える…

なぜ抑止戦略の研究で評判が問題になるのか?

現代の軍隊が達成すべき任務の一つは、自国に脅威を及ぼす恐れがある他国に武力の行使を思いと…

なぜ軍隊は調達戦略を策定し、防衛産業基盤を管理すべきなのか?

ガンスラー(Jacques Gansler)は防衛経済学の研究者であり、彼の最初の著作である『防衛産業…

核兵器使用の恐れが差し迫ったとき、アメリカ国民はどう反応するのか?

核兵器の使用の恐れがある国際的危機に際して、普通の人々がどのような反応を示すのかを詳しく…

現代世界を形作った歴史を振り返る『冷戦史』の紹介

アメリカとソ連の冷戦は1991年にソ連の崩壊という形で終わりを迎えました。しかし、冷戦の影響…

論文紹介 NATOの領域を東欧へ拡大しないという「誓約」は存在したのか?

1990年にアメリカとソ連は東西ドイツを再統一させる交渉の中で、ある「誓約」を交わしていたという議論があります。その議論によれば、アメリカはソ連にワルシャワ条約機構の加盟国だった国々を北大西洋条約機構(NATO)に加盟させないことを保証したはずでした。 ところが、1990年代後半にワルシャワ条約機構の加盟国だった国々は続々とNATOに加盟し、集団防衛の領域は東へ大きく拡大しました。当時、ロシア政府関係者がアメリカは「誓約」に違反したと主張しましたが、アメリカ政府関係者がこれ

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