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アメリカを学ぶ

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アメリカ関連の記事をまとめているマガジンです。
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#アメリカ

なぜ大国の脅しが失敗するのか?: Coercion, Survival, and War(2015)の紹介

国力に優れた大国は、自国の要求を他国に押し付けやすくなるというイメージがありますが、実際…

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論文紹介 1970年代に米国で生み出された軍備競争の戦略思想

戦略研究者アンドリュー・マーシャルは、ランド研究所で勤務していた1972年にアメリカがソ連に…

メモ 軍種間の予算獲得競争で促進された米海軍の潜水艦発射弾道ミサイル開発

軍隊の中で最大の組織区分として陸海空軍といった軍種がありますが、この軍種間で起こる政策競…

宇宙領域の冷戦史『世界史を動かすスパイ衛星』(1990)の紹介

1992年9月、アメリカ国防総省は初めて国家偵察局(National Reconnaissance Office)の存在を…

軍事と外交を統合する戦略を探求したジョージの強制外交理論 The Limits of Coercive …

強制外交(coercive diplomacy)は、すでに何らかの望ましくない行動を開始している相手に対し…

宇宙開発の政治史を記述した先駆的研究The Heavens and the Earth(1985)の紹介

1957年にソ連が打ち上げた人工衛星スプートニク1号はその後の国際政治の展開に大きな影響を及…

冷戦期の米国はどのように対外援助を利用していたか?Foreign Aid as Foreign Policy(2007)の紹介

国際政治では、対外政策の手段として軍事力だけでなく、経済力が使用されてきました。貿易や投資を通じて経済的相互依存を深めるという方法もありますが、対外開発援助のような方法もあります。冷戦期のアメリカはこの方面で多くの事例を残しており、その効果について研究者が調査を進めています。 歴史的に注目すべき事例の一つとして、ジョン・F・ケネディ大統領(在任1961~1963)のラテンアメリカに対する援助があります。ケネディ大統領は個別に行われていた開発援助を一元的に管理する体制を構築し

論文紹介 ジョンソン政権のベトナム政策と国内におけるエリートの統制

国際関係論の理論では、その国の政治体制のタイプが対外政策の選択に重要な影響を及ぼすと考え…

大国の情報活動が成功するとは限らない:Why Intelligence Fails(2010)

大国は世界で何が起きているのか、何が起きそうなのかを知るため、多くの予算を情報活動に割り…

論文紹介 朝鮮戦争とベトナム戦争で米軍が消耗戦を選んだ理由は何か?

消耗戦(attrition warfare)が望ましくないもの、非合理なものと見なされることが多い主な理…

軍事上の必要性と社会の価値観をいかに調和させるか?『市民と軍人』(1985)の紹介

現代の国際社会でアメリカが指導的地位を維持できている要因の一つは、その軍事的能力の優越に…

論文紹介 国際法で戦争が違法化されたことで、国際政治にどのような影響があったか?

現代の国際法の枠組みは、第一次世界大戦が終結した時点で有効だった枠組みと比較すると、まっ…

論文紹介 中国の原子力潜水艦の核打撃能力は地理の影響を受ける

核戦略は国家安全保障の目的を達成するために核戦力を準備し、運用する方策を指定する戦略の一…

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論文紹介 情報活動においてヒューミントが劣化することの危険性

情報活動では情報源の性質に応じて獲得した情報を区分することが一般的です。通信を傍受して得るシギント(SIGINT, Signal Intelligence)、人工衛星の写真などから導き出されるイミント(IMINT, Imagery intelligence)、地理空間に注目するジオイント(GEOINT, Geospatial Intelligence)、技術を分析するテキント(TECHINT, Technical Intelligence)、計測や痕跡を調べて獲得するマシント