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作戦を学ぶ

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戦略と戦術の中間にあたる作戦を学ぶためのマガジンです。
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記事一覧

論文紹介 中東欧に構築されたソ連式の兵站システムの長期的影響

軍事思想を読み解く上で、兵站は二つの側面において重要な意味を持っています。第一に、兵站は…

第一次世界大戦におけるフランス軍の戦略と作戦を分析したPyrrhic Victory(2008)の紹…

第一次世界大戦(1914~1918)でフランスは西部戦線の作戦で中心的な役割を果たしました。フラ…

メモ 1967年の第三次中東戦争でイスラエルが実施した空軍による奇襲

イスラエルは建国当初から周辺諸国と対立してきましたが、国土が狭隘であったために、軍事態勢…

メモ 機甲師団はどのような編成で運用されるべきなのか?

1955年に主権を回復し、再軍備を開始した西ドイツは、北大西洋条約機構(NATO)の一員としてソ…

論文紹介 朝鮮戦争とベトナム戦争で米軍が消耗戦を選んだ理由は何か?

消耗戦(attrition warfare)が望ましくないもの、非合理なものと見なされることが多い主な理…

メモ 時代によって軍事的プロフェッショナリズムの内容は変化していく

近世ヨーロッパにおいて軍人、特に将校の階級は貴族の男性だけに開放されており、金銭で職位が…

資料紹介 湾岸戦争で米軍の兵站家が指摘した作戦兵站の課題は何か?

1990年にイラクがクウェートに侵攻し、湾岸戦争が始まったとき、アメリカ陸軍軍人ウィリアム・パゴニスはアメリカ軍の戦力投入を指揮した兵站家として知られています。回顧録が有名ですが、自らの経験をもとにして作戦兵站の特性を論じた報告書「作戦兵站と湾岸戦争(Operational Logistics and the Gulf War)」の著者でもあります。クラウス・ミッチェルとの共著の報告書です。そもそも、作戦兵站がどのようなものであるかというところから議論を始め、湾岸戦争で自らが

情報技術の視点で20世紀の海軍史を捉え直すNetwork-centric Warfare(2009)の紹介

ネットワーク中心の戦い(network-centric warfare)とは、遠く離れた離れた部隊を広域的な通…

メモ クラスター弾などの無誘導爆弾だけで戦局を一変できるわけではない

クラスター弾とは、複数の子弾を内蔵し、それを目標に向けて散布できるように設計された砲弾、…

軍事史で指揮システムの発達過程を追ったCommand in War(1987)の紹介

指揮(command)とは、組織から与えられた権限に基づいて、部隊や個人に対して自らの意志を示…

ベトナム戦争の後で米陸軍の訓練と人事はどのように立て直されてきたのか?

ベトナム戦争に深く関与したことは、アメリカ陸軍にとって大きな損失をもたらしました。多数の…

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論文紹介 精密誘導ミサイルの使用が当たり前になることは何を意味するのか?

現代戦の特徴の一つは、長射程ミサイルによる打撃の精度、正確さがますます高くなっていること…

軍隊の作戦を学ぶ:作戦の段階における決勝・策動・保持行動を中心に

作戦(operations)とは、共通の目的または統一的な課題を伴った戦術行動の連鎖を意味します。…

現代の陸軍の新しい組織構造を大胆に提案したBreaking the Phalanx(1997)の紹介

1990年代に発表された陸上戦の研究成果の中で、特に注目された著作の一つにアメリカ陸軍軍人ダグラス・マクレガー(Douglas A. Macgregor)が発表した『ファランクスを撃破する(Breaking the Phalanx)』(1997)があります。マクレガーは1991年に湾岸戦争で起きた73イースティングの戦闘(Battle of 73 Easting)で戦車部隊を指揮しており、機動戦に深い理解を持つ専門家です。 彼の『ファランクスを撃破する』は、独自の機動戦の考

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