「選択的夫婦別姓」を求める活動に企業として参加することを決めた理由

こんにちは、平安伸銅工業の竹内香予子です。4月1日、今日は何の日?エイプリルフールですが、本日から選択的夫婦別姓にむけた法改正を働きかける「Think Name Project」が始まります。これは嘘じゃなくてホントの話。今の婚姻制度は、平安伸銅が目指す「私らしい暮らし」の実現を阻害すると考え、同じ考えを持つ企業で始まった活動に、私たちも参加することを決めました。

この活動に参加するきっかけはさかのぼること、約5~6年前。サイボウズさんから「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」をご紹介されたことがきっかけでした。こちらの活動のように、同社はこれまでも様々な社会課題へのスタンスを明確にすることで、会社としての信頼や共感を得ていることを知りました。

私自身、経営者かつ女性で改姓した立場であったり、女性社員も多い会社であることから、今の婚姻制度に不自由や違和感を持つことがありました。なので私個人としては活動に賛同していました。

しかし、会社と私個人は別の存在。会社のスタンスが明確でない中で中途半端に活動に参加しても、会社の実体と取り組みにギャップがあり、それが社内外に見透かされることで、かえって信頼を失い、企業ブランドを毀損することにつながるような怖さがありました。なので、企業として大っぴらに参加することは避け、私個人としてほそぼそと活動することにしました。

その後、会社としてどう社会課題と向き合うかコーポレートブランディングを担う部署と議論を重ね、サステナビリティ方針を策定。平安伸銅のビジョン達成のために絶対必要であり、平安伸銅として貢献できる課題を特定し、中長期的な視点でどう貢献していくか、テーマを絞ることができました。(その公開は今後いたします)

ええかっこするためのポーズではなく、本気で社会課題に向き合う覚悟ができた今、改めて平安伸銅の社名を出して活動に参加することを決め、今日の「Think Name Project」のスタートを迎えました。

平安伸銅は「選択できる」ことが、「私らしさ」を実現できる重要な要素だと考えています。

そのスタンスは「私たちの商品」に色濃く表れています。平安伸銅を代表する「つっぱり棒」は伸縮性や仮設性が高く、家の間取りや家具に個人の暮らしを合わせるのではなく、一人ひとりの暮らしに合わせて住空間や収納用品をカスタマイズすることができます。

じゃあ、自分の名前はどうか?結婚したらどちらかの姓しか選べないって、人によっては不自由ですよね。でも選択肢を増やすことでその不自由を減らすことができる。それが私たちの考えです。

私個人としては、結婚を機に夫の姓に改姓しました。家業を継ぐという立場であったので、旧姓を引き継ぐ方が仕事がしやすく、しばらくは通名として旧姓を使っていた時期もありました。

しかし、夫が会社に入るタイミグで、今度は「夫婦で会社をしているのに性別が別なのはおかしい」ということになり、実名で仕事をすることになりました。

じゃあ都合よく「実名」「通名」を使い分ければよいという意見もあるかもしれませんが、私はそれでは社会は変わらないと思っています。

私は、本当に変えたいのは、現行制度の裏にある、「女性は男性の家に『嫁に入る』」という慣習自体です。私自身が夫に姓を変えてもらうことを求めたら、そもそもこの婚姻自体がどうなっていたか?当時の私は、破談になることが怖かったんです。社会全体を覆う見えない力を恐れて、問いを立てることすらできませんでした。

誤解を恐れずに話すと、現行の婚姻制度社自体が、現代における婚姻における男女の役割に対するバイアスを助長することにつながっていると私は考えています。

別に、女性の姓になっても、男性の性になっても、別の姓を選んでも、家族の在り方はそれぞれの家庭で決めること。別姓も含めて選択肢が増えることで、それぞれのパートナーシップにおいて、家庭生活や家族との関係をどう構築するか、当事者自身で議論して構築することがもっと自然にできるようになると思うんです。

選択的夫婦別姓には、反対意見もあり、活動に賛同しない方もいることは承知しています。そのことも含め、対話を重ね、多様な意見を包含した制度ができることを、私は強く望んでいますし、そのために企業として一助になるよう努めていきたいと考えています。

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