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【コラムその1】なんで事務所内でも先生って呼ぶの?

noteを読んでいて既にお気付きの方もいるかもしれませんが、アルシエンでは所属している弁護士も互いに「先生」という敬称を付けて呼んでます。
それには理由があり、私が最初に入った事務所のボスであった小笠原耕司先生の教えだからです。

古巣事務所に入ったとき、生意気盛りだった私は小笠原先生に対して、

「依頼者の前で事務所内の弁護士を呼ぶとき(二人称で呼ぶとき)に××先生と付けるのはおかしい。」

「事務所内で先生って呼び合うのは気持ち悪い。」

「1年目なのに先生と呼ぶのは変だ」

みたいなことを言いました。
※本当に失礼な奴だったなと反省しています。

小笠原先生は、私の生意気な発言も真正面から受け止めてくれて、なぜ事務所内の弁護士にも先生と敬称をつけて呼んでいるのかその理由を説明してくれました。

弁護士は弁護士になったその日から専門職なんだ。
弁護士に1年目も20年目もなく、弁護士になった1日目からプロとして依頼者に対して専門的知識を提供する立場になるのだし、依頼者も1日目の弁護士のこともプロだと思って接している。
弁護士になったのであれば1日目からプロとしての自覚を持ちなさい。

そして、それは法律事務所内でも同じだ。私(ボス)の意見も1日目の新人弁護士の意見も対等であり、ボスがイソ弁に知識を教えるという関係ではない。プロ同士で意見を交して、協力してよりよい解決を考えているのだ。
だから私は事務所内の弁護士を呼ぶときにも先生と付けるし、依頼者の前でも独立した一人のプロフェッショナルとして扱うために先生と付けて呼んでいる。

もし、弁護士1年目で先生と呼ばれることに抵抗があるのであれば、先生と呼ばれるにふさわしいと思えるくらいしっかりと自己研鑽をしなさい。


自分が先生と呼ばれるだけの自己研鑽を積めているかは自信がありませんが、ただの生意気な発言に正面から答えてくれた小笠原先生がカッコいいなと思い、それ以来、私もボスに習って事務所内の弁護士も「先生」という敬称を付けて呼ぶようにしています。

ちなみに、小笠原先生は、他の弁護士は××先生と呼ぶのに、なぜが私のことだけは古巣事務所を辞めるまでずっと「武内くん」と呼んでいたというオチが付きます。
もちろん親愛の意を込めてということなのは分かっていたので、むしろ嬉しかったです。

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