パートナー同士の別れのルールも決まってます
前回の記事で定着率が高いということを書きましたが、アルシエンでは、万が一、パートナー同士で別れる時のために、別れのルールもあらかじめ決めています。
ケンカ別れをしないための工夫
アルシエンは僕のロースクール時代の友人である木村先生と私が最初に所属した法律事務所の同期入所であった清水先生の3人で設立しました。
事務所の運営方針が違えば別れることはあるかもしれませんが、元々の友人なのでケンカ別れだけはしたくない。
そこで、いざという時にケンカ別れをしないように、アルシエンを設立する際に別れる際のルールも決めておきました。
設立メンバーの別れのルール
設立者の3人は、事務所を脱退する際には、
・元入金を全部放棄していくということ
・事務所運転資金の6か月分(の負担分なのでその3分の1)を手切金として支払うこと
というルールになっています。
このルールであれば一人辞めても6か月間はそのままの事務所運営ができます。
残る2人はその6か月の間に事務所を移転して縮小するか新しいエクイティパートナーを探すという選択肢を選ぶという余裕が生まれます。
逆にいえば、6か月分の運転資金の3分の1さえ払えば、設立者であってもいつでも気軽に辞めてもよいというルールになっています。
パートナーは乗り降り自由
設立メンバー以外のパートナー弁護士はもっと簡単です。
パートナーの先生はいつアルシエンを辞めても構いません。乗り降り自由です。
パートナー弁護士がアルシエンを辞めたという例はないのでどうなるか分かりませんが、辞めたいと言われたらもちろん理由は聞きますし、それでも一緒にできる方法はないか考えて慰留すると思います。
でも時期的な制限や金銭的負担を課すことはありません。
だって、元々、一緒にいたくて寄り添ってるだけなのだから、アルシエンの外に出たいと思ったら外に出れば良いだけじゃないですか。
それにアルシエンから出ることを決意した人を時期や金銭で縛るのも、気軽に集まっているというアルシエンの雰囲気にそぐわないと思います。
これもまだいないですが、勤務弁護士からパートナーに就任する際には、もし勤務弁護士に戻りたくなったらそれもまたOKよと伝えています。
元々一人でやっていける実力が十分にあるからパートナーになってるのですから、そのような先生が勤務弁護士に戻ってくれるなんて、こちらからすればむしろ大歓迎です。
いつでも辞められるのが逆に強み?
こないだ北周士先生のFacebookのコメント欄にアルシエンの強みはこれじゃないですかとずいぶん古いアルシエンの取材記事を指摘されている方がいました。
※3人とも若い!!
「お互いが組む前に“仲違いしないためのルール”“別れる場合のルール”まで、きちんと話し合った。飛び込みの相談依頼があった時の担当の決め方、共同顧問する場合の仕事の分担方法、さらには事務所運営用の積立出資金処理の仕方まで(笑)。事前に“もめる要素”を洗い出し、それを潰すルールを決めました。」
その方のコメントを読んで鋭いご指摘だなと思いました。
アルシエンのメンバーは辞めたければいつでも辞められるのです。
でも、いつでも辞められると思うと逆に今辞めなくてもよいかって思うことってないですか?
ということで、いつでも辞められるような自由な雰囲気にした結果、ほとんど誰も辞めない事務所になっているのではないかなと思います。
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