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郷にいればゴウに従え?

May 8, 2023

Transcription

In Ukraine, at least five people are injured in Russian missile strikes on Kyiv. Officials said Ukraine shot down 35 Iranian-made drones.

In Taiwan, Foxconn founder Terry Gou says he will "preserve peace" if elected in the self-ruled island's presidential election next January.

In Sudan, a cease-fire between warring sides went into effect in Khartoum as talks began to end the fighting.

And the Indonesian town of Labuan Bajo prepares for an ASEAN meeting as the 10-nation Southeast Asian group aims to discuss sea borders, Myanmar and the other issues.

訳例

ウクライナでは、ロシアのキーウへのミサイル攻撃で少なくとも5人が負傷しました。当局によると、ウクライナはイラン製の無人機35機を撃墜したとのことです。

台湾では、フォックスコン創業者のテリー・ゴウ(郭台銘)氏が、来年1月の台湾総統選挙で当選した場合、「平和維持」に努めるとしています。

スーダンでは、ハルツームで戦闘終結に向けた協議が開始され、対立する勢力の停戦が発効しました。

そして、インドネシアのラブアンバジョでは、東南アジアの10カ国からなるグループ(=ASEAN)が、海の国境やミャンマーなどの問題を話し合うために、ASEAN会議の準備に取り掛かっています。

勝手に探究

つくづく「平和」って難しいと感じます。

台湾総統選の立候補者である鴻海の創業者のテリー・ゴウ氏が、「当選したら平和を保つ」と言っているようですが、それってどういうことでしょう。「当選したら戦争する」なんて公言する候補者が台湾にいるんですかね?

候補者が揃って目指す「平和」。舞台が台湾であることを考えると、その意味合いも他国とは違ってきそうです。彼らはどういった平和を目指しているのでしょうか。

「戦争状態」でなければ「平和である」と定義するなら、チベットも香港もまぁ「平和」です。しかし、台湾の人たちがそんな平和を望んでいるとは思えません。

おそらくゴウ氏の "preserve peace"=「平和を保つ」は、「現状の平和を保つ」ことであり、今台湾国民が享受している精神の自由や言論の自由なども含む、広義の平和を今後も維持したいという意志の現れでしょう!

ちょっと彼がどんな人物かチェックしてみます。

<最大野党、中国国民党(国民党)で公認の獲得を目指す>って、あれ、国民党なの?

<台湾北部選出のある国民党の立法委員(国会議員)は「郭氏(※テリー・ゴウ氏のこと)は親中色が強すぎて、台湾の有権者の広い支持を得られない」として、「(総統選と)同日に行われる立法委員選挙で国民党が議席を上積みするためにも親中色が薄い侯氏が好ましい」と明かす>※は筆者

野党の国民党の議員からですら「親中色が強すぎる」と言われるゴウ氏。こりゃ筋金入りでっせ!

たしかに、シャープの親会社でもある鴻海精密工業の創業者ですから、わざわざ市場規模の大きな中国と揉めるような政策は掲げないか。

ゴウ氏には瀕死となったシャープを救ってもらった恩はあるのですが、台湾が香港になるのは嫌だなぁ。台湾に親近感のある私としては、ゴウ氏は支持しかねます。

※上記のページは少し古い記事(2019年8月29日)ですが、シャープが、というかどうして輝いていた日本企業が躓いてしまったのか明快に説明されている素晴らしいインタビューです。ぜひご覧ください。

今のところ国民党の候補者で1番人気は新北市長の侯友宜氏で、<李登輝元総統と同様、党内の親中派と距離を置く「台湾派」>だそうです。それなら、政権が交代しても今の台湾が大きく変わることはなさそう。たのむぜ、侯氏!

それにしても。

つくづく「平和」って難しいと感じます(2回目)。

平和は(自由も権利もですが)あって当たり前のものではなく、守るために出来ることをしなくなれば簡単に失われてしまうものです。権利を主張して理想を追求するだけではいわゆる「平和ボケ」に陥り、物事の本質を見失ってしまうのではないか、と改めて感じます。

台湾にいたら否が応でも敏感になる国際政治。そんな人たちが選ぶ次の総統です。どんな台湾を目指すのでしょう。外野の私たちは台湾の人たちの選択を応援するのみです。それがゴウ氏であっても。

ゴウです!

こっちではありません、ってどんなオチだよ。

参考にしたページ


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