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仕組まれた「勝てない競争」に巻き込まれないために

March 13, 2023

Transcription

Iranian media report the country’s supreme leader has pardoned 22,000 people. That is about one-fourth of people arrested in protests since September over the death of a young woman in police detention.

U.S. Treasury officials seize New York-based Signature Bank, which failed along with Silicon Valley Bank in California.

Japan’s government eases mask requirements although many people continue to wear face coverings.

And Michelle Yeoh wins the best actress Oscar for her work in Everything Everywhere All at Once. The film gained top honors at Hollywood’s Academy Awards.

訳例

イランのメディアは、同国の最高指導者が22,000人の恩赦を行ったと報じています。これは、9月以降、警察に拘束された若い女性の死をめぐる抗議行動で逮捕された人々の約4分の1に相当します。

米国財務省は、カリフォルニア州のシリコンバレー銀行とともに破綻したニューヨークを拠点とするシグネチャー銀行を差し押さえました。

日本政府はマスクの着用義務を緩和しましたが、多くの人がマスクの着用を続けています。

そして、ミシェル・ヨー氏が『Everything Everywhere All at Once』でアカデミー賞主演女優賞を受賞しました。同作品はハリウッドのアカデミー賞で最優秀賞を受賞しています。

勝手に探究

イランの恩赦について。

イスラム教の指導者もようやく寛容なところを見せたかと思ったのですが、ちょっと調べてみると、全然そんなことありません。

以下は先月のニュースですが、看過できない状況になっています。

<サデク・ラヒミ司法次官は、恩赦を受ける資格のある受刑者は、自分のしたことを後悔していると文書で誓約しなければ解放されないと説明した>

<ノルウェーに本拠を置く非営利人権団体「イラン・ヒューマン・ライツ」は、拘束されている約100人が死刑を言い渡されているとみている。また、この人々が「自分の弁護士と連絡を取ったり、適切な手続きや公正な裁判を受けたりする権利を奪われている」と指摘している。

一連の反政府デモに絡み、これまでに4人の死刑が執行された。1月に死刑となった2人は、抗議中にイランの治安部隊員を殺した罪に問われていた。

この2人は控訴中、拷問されてうその自白を強いられたと主張していた

また、上記のページ内で治安部隊のデモ鎮圧方法に疑問を投げかけています(下にリンクと同じ内容です)。

政府と戦うとはどういうことでしょうか。

国情を考慮すれば、お気楽に体制反対を訴えて「無傷」で済むわけがありません。声を挙げるか否かは確かにその人の自由ではありますが、その結果を受け入れることができないなら下手に抗議などすべきではありません。

ここは穏当に、納得できなければ合法的な手段で影響力のある人を動かすか、自分の理想とする社会を実現している国や地域に行くかどちらかで行きましょうよ。理想に殉じる若者なんて見てられません。

命がけで理想を追求する人たちからすればこれは軟弱な意見で、我ながら情けないかとも感じますが、「民主化を煽る勢力」は現地の人と違って何かを犠牲にしているわけではありません。

「こっちのほうがいいよ~」なんて歴史も考え方も違う国に無責任に言うだけなんですよ。そんな人たちに乗せられて安易に危険に身をさらさないでください。

それに、民主化の先の「自由」だって、本当に現地の人たちが思い描いた自由なのか怪しいものです。彼らの生活は果たして民主化によって「豊か」になるのでしょうか。同じような運動があった国々はどうなっているのでしょう。

<アラブの春が起こった国では、内戦やテロの増大による無政府状態になるなど混乱が広がる国や、再クーデターで反動化し、アラブの春以前よりも状況が悪化した国が多数であるが、チュニジアはアラブの春が起こった国の中で唯一、民主体制への移行と安定維持の両立が実現した>

なんとか民主化できたのはチュニジアだけのようです。しかし、民主化して資本主義なんかになったりすると、単に競争に負けて貧しくなったりします。

長~い目で見れば民主化することは間違いではないような気はするのですが、世界には「新たな市場」が開かれるのを待っているヤバイ連中がいることを忘れてはいけません。彼らはおそらく専制主義国家の独裁者よりも厄介です。何せ姿を見せませんから。そして、権利や資源を買い漁り、現地民を低賃金労働者にしてしまいます。

政府にとって最も大事なことは、国民の生活を守ること。国際ルールに従っての自由競争にさらされる資本主義陣営に加わって勝機があるのならいいのですが、さて、何で勝負するつもりなんでしょう。

・・・思ったことをつらつら書いていたら、話は脱線してしまいました。

イランのデモは、スカーフの着用方法を巡って女性が道徳警察に「殺された」事件を発端とした、最高指導者アリ・ハメネイ師に対する抗議運動でした。指導者が代わり、強権的な治安維持をしないようになればそれでいいのかもしれません。

とはいえ、それが達成されればその次、またその次と体制を揺るがすデモが続くことも予想され、政府や指導者もそう簡単にはデモを受け入れることはできません。

<イランのゴラムホセイン・モフセニ=エジェイ司法長官はこのほど、こうしたヒジャブ強制反対の背後には外国勢力がいるという見方を示した>

インターネットで世界が繋がる時代、情報の統制は難しくなっています。「外国勢力」が特定の諜報機関なのか、単なるYouTuberなのかは分かりませんが、「今まで統治できていたという理由だけでこれからもそのままで行く」のはもうムリなのかもしれません。

外国勢力の排除が目的ならば、なぜ排除しなければならないのかを明言し、その内容で国民の支持を受けるべきです。そして、デモがあってもなくても、指導者層にはより柔軟な発想で国民を守る施策を打ってもらいたいと思います。

参考にしたページ


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