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イスラム教の学校で柔道のワークショップ

今ターム2校目は、イスラム教をベースとしたIllim College(イリムカレッジ)でのワークショップ。

この学校は小学校から高校まであって、今回は「Year 5と6(小学校の5・6年生)」と「Year3と4(小学校の3・4年生)」の二つのグループに週に一回ずつ、60分の授業を4週間することになった。

最初、連絡が来た時は正直顔がちょっとこわばった。

というのも、イスラム教って聞いてジハードのニュースが頭をよぎったから。そして、イスラム教についてルールやマナー、常識を何も知らんから。イスラム教の人全員が危ないことをするわけではないし、まずメルボルンにいるイスラム教の人たちが危ないことをするわけがないっていうことはももちろんわかってる。

僕自身、中学・高校を真言宗をベースとする男子校に通った。毎朝、全校朝礼があって、そこで校長も含めた教員全員、生徒全員で般若心経を唱える。

遠足で行くのは真言宗のお寺や真言宗に関連した場所。学校を停学になったら家で般若心経をひたすら写経しなあかん。

中学の時は、僕のおったスポーツクラスでは週に一回、曼荼羅(マンダラ)のある部屋で朝礼の前に瞑想をしなあかんかった。

宗教をベースとした学校には他の学校とは少し違った習慣やルールがある。

まぁ色々と不安はあったけど、結局OKをした。イスラム系の学校がどんなものか見たかったし、この機会を逃したら2度とこのチャンスはないかもしれへんし。

初日学校に着いて、警備のすごさに驚いた。頑丈な高い鉄の柵に学校全体が囲まれてて、いたるところに監視カメラがある。

僕はユダヤ系の人がいっぱい住んでいるエリアに住んでいて、家のまわりにユダヤ系の学校がたくさんあるが、この警備の厳重さはこれはユダヤ系の学校と同じだ。

柵の外にカメラ付きのインターホンがあって、それを通して名前と要件を伝えて門を開けてもらう。

車が入る門。イヤホンで受付に連絡したのち開けてもらう。

受付に行って、挨拶と身分証の提出を済ませる。

受付の女性2人が映画でよく見るイスラムの女性がしているのと同じ服装をしている。正直に「イスラム系の学校に来るのは初めてなんだけど、何か気をつけないといけないことある?」って聞いたら、笑いながら「特にないから心配しなくていいよ」っていう。

そう言われても半信半疑。

受付から体育館に案内されている途中に校舎の壁に宗教関連だと思われる絵を見つけた。

この右側に体育館への入り口がある
購買部の建物

体育館に到着。次の四週間はここで柔道のワークショップをする。

体育館

クラスが始まる時間になって、僕に連絡してきた男子の体育の先生が生徒たちを連れて体育館に入ってきた。

女子生徒は全員、長袖、長ズボンの体操着を着て、受け付けの女性と同じものを頭に巻いている。この巻物、ヒジャブって言うらしい。受付の女の人たちは確か色がついたのを身につけていたが、生徒は全員白のものを身につけている。体育以外の時間は制服の上にヒジャブを巻いているらしい。

男子は半袖、短パンの体操着を着ている。他には特に何もしていない。

このヒジャブ、驚いたのが、回転運動をしても、寝技をしても、大腰で投げあっても取れへん、ズレることがない。四週間で一回も見たことがない。

女子生徒に聞いてみると、半袖・短パンを着ても良いらしい。けど、手足の肌を見せへんように“何か”をつけなあかんらしい。“何か”が何かは聞き取れなかった。

あと、もう一つ僕が気になっていたのは、柔道を教えるときに女子生徒に触っていいのかどうか。

あんなに肌や髪の毛を隠してるから、僕のような男の部外者が女子に触れてはいけないってルールがあってもおかしくない。

僕が女の子に触った瞬間体育の先生に注意されたり、女子生徒に不審者を見る目で見られてはたまったもんじゃない。

だからとりあえず女子には触れないで、口で説明しながら様子を見て授業をすることにした。

そしたら、前転をできない女子生徒の頭を先生がグイグイ押しながら前転をさせているのが見えた。それを見て僕も、恐る恐る女子生徒に触れながら前転を手伝ったが特に何の反応もない。僕の考えすぎで特に気にすることでもなかったみたいだ。

四週間の授業で気になったのはそんなもんで、他は特に何もなかった。生徒たちも学校いたって普通、他の学校となんら変わりはない。みんな最後まで楽しく柔道の授業を受けてくれたし、先生も満足してくれた。

今年の学校でのワークショップはこれで終わり。来年の1学期、どんな学校に行けるか今から楽しみです。

他にも校内で撮らさせてもらった写真を載せておきます。

コンクリートの校庭
右奥に新しい校舎を建設中
両側に中学生の教室
右に小学生の校舎
芝生の運動場が奥まで広がっている。
オレンジの建物の左にあるのが高校生の校舎。

最後まで読んでいただいてありがとうございます。

2015年からメルボルンの学校で柔道のワークショップを始めて(コロナ期間中2020年、2021年は結局一校も行けませんでしたが)、かれこれ40校以上の学校で柔道のワークショップをしてきました。

小学校から大学まで、公立、私立、男子校、女子校、共学、厳しそうな学校、ちょっとややこしそうな学校と本当に色々な学校がありました。

そこで、オーストラリアの学校がどんな感じか知ってもらうために、学校でワークショップをするたびにどんな学校だったか紹介していきたいと思います。

また、ブログで使用している写真は学校の許可を得て載せています。


自己紹介です。
僕の柔道経歴や、いつオーストラリアに来て、いつ永住権を取ったかなどなど書いています。まだ読んでいない方は是非読んでください。


これから僕がしたいこと「日本人の柔道家が海外に出て行くのをサポートしたい」ということを詳しく書いています。興味がある方は是非読んでください。


Taketani Judo Academyでは海外で柔道をしてみたいと思っている方を年齢、経験に関わらずサポートしたいと思っています。

僕自身小さい頃から海外で柔道を指導をすることを夢みて日々の稽古に励んできました。大学在学中にメルボルンに行くことを決断し、英語の勉強、ビザ等々の準備を始めました。

最初は一年間という予定が、メルボルンの人や文化に出会い、日本にはない魅力に気づきここに住み続けたいと思うようになりました。

2015年に無事永住権を取得し、現在は自分の道場を経営し柔道を指導しています。

長期でも短期でもメルボルンのうちの道場に来たいという方は大歓迎です。もちろん他の都市や国に行きたい方もお気軽に連絡ください。ビザのこと、準備すること色々とアドバイスできると思います。

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