しゃぼん玉

息子が公園に行きたがったのは、新しく買ったおもちゃを試したかったからだろう。百均で買ったお砂場遊びセットとシャボン玉のおもちゃ。
後者は、黄色いひよこを模した水鉄砲のようになっており、引き金を引くと水の代わりに勢いよく空気が出てくる。別売りのシャボン玉の液体に嘴を浸してから、引き金を引くとシャボン玉が出る仕組みだ。
まずは砂場遊びから始まった。子供がたまたま会った保育園の友人と2人で池を作っていると、息子が水路を作り出す。私も手伝ってそこにつながる池を掘る。それを見た他の子供が、「流れてる!」と言いながら参加してくる。最終的には6人で、5他の池をつなぐ大事業になった。しかし、それにも飽きて突然に子供達は他の遊びを始めていく。1人2人とすらすると抜けていき、あっという間に池は取り残された。
息子もひよこのシャボン玉のおもちゃを取り出す。蓋を開けてシャボン玉液をつけて、チョンチョンとつける。初めはうまくシャボン玉を出せなかったが、すぐに慣れる。大きいシャボン玉、小さいシャボン玉が、暮れ始めた夕焼けの中に浮かぶ。引き金を引いても、すぐに風になり横に流される。少し薄暗い中で、集中した表情で息子がそれを見ている。
パパ、シャボン玉を叩いてよ、と言われる。息子の前に立ち、新しく浮かび、流れていくシャボン玉を手で撃ち落としていく。息子がニコニコと笑う。

この歳になっても、色々キャリアとか、お金とか、あるいは健康に悩んだりする。
でも、こういう幸せもある。日常にある。

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育児日記

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