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よく分からない欲

 自分の中で、よく分からない欲がある。
 それは、「ライター以外の機能で、ライター学校の知人の役に立ちたい」という欲だ。

 一番典型的なのは、「仕事を探して、ライター学校の知人に紹介したい」という欲だ。実際、いくつか見つけて、紹介することが出来た。そして、それが終わると、とてもうれしい。
 とある冊子を作る案件も、プロジェクト管理的な役割を勝手に引き受けた。冊子を手渡す締切から逆算して、「今何をやるべき」か、そして何をすればいいか分からない所は「誰に訊けばいいか」を考えてタスクを明確化する。その繰り返し。

 いやいや。ライター学校に入ったんだから、ライター業なりライター修行なりに集中すべきじゃないか、と思う。それが目的だろう、と。
 そうは思えど、勝手にそんなことを考えてしまう。
 「この課題に、あの人を紹介したら、双方メリットあるかなぁ」
 「プロ管の役割で入ったら、役に立つのかなぁ」
 そして、それを考えることは、たのしい。

 色々考えたけれども、書くことよりもその方が「やれる」気がしてしまうのだろう。
 状況を考えて、はまる提案をすること。あるいは、プロジェクトの管理をすること。機能や事業は違えど、そんなことを会社でずっとやって来た

 村上春樹の『ノルウェイの森』のこんな言葉を思い出す。

 ほら、ドストエフスキーが賭博について書いたものがあったろう?
 あれと同じだよ。つまりさ、可能性がまわりに充ちているときに、それをやりすごして通りすぎるというのは大変にむずかしいことなんだ。

『ノルウェイの森』

 ずっとこの言葉が胸に留まっているのは、「真理を突いているよなぁ」と思ったからだと思う。
 「出来る」ことはをやりたくなってしまう。
 人にはそういう部分が確かにあると思う。

 折角なら、この能力は、会社外でもうまく使えないものかな、と思ったりもする。
 どういう掛け算がいいのかねぇ。

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