このままラノベを読んでいくと

GW前からラノベを大量に読んでいる。
きっかけは無料マンガで『妹さえいればいい』というラノベ原作の漫画をなんとなく斜め読みして、はじめの数話を読んでみたのがきっかけだった。
その数話も劇的に面白かったわけではない。でも、「これ、タイトルと全然違うところに本質がある話なのでは?」という直感があった。簡単に言えば「妹萌え」の作品ではなく、「リアルな出版業界のお仕事モノ」なんじゃなんじゃないか、、、という気がした。
そして、漫画の続きと想定された3巻の小説の単行本をkindleで買った。そこからは止まらなかった。たまたま半額セールをやっていたことも後押しとなり『妹さえいればいい』を14冊読み切り、同一作者の『変人のサラダボール』4冊、『締め切り前には百合が捗る』2冊、『僕は友だちが少ない』12冊まで読んだ。今は他の作者の本にも手を出しはじめている。

振り返ってみて、こんなにラノベを読んでいるのだろう。
一つは、圧倒的な読みやすさだと思う。とにかく読んでいてストレスが少ない。それは、会話中心でギャグ味が高い文章もそうだし、ある種定型化された人物配置もそうだと思う。一冊読む負担が一般書より全然低い。感覚的には漫画を3冊読む感覚で、ラノベ一冊が読める。
同時に、ページのめくる手が止まらなくなるような興奮も時々ある、ことだ。『妹さえいればいい』は、「作家・編集者ってこういう所あるのかも」と思わせる描写も多く、そこに由来する熱い展開もある。その他の作品も、全く先の読めない展開が多い。許されそうなネタバレで言えば、よくある異世界から人が来ちゃった系話の『変人のサラダボール』は、四巻でいきなり法廷モノになってびっくりした。しかも、しっかり法的などんでん返しが、ラノベでしかなさそうな人物描写と相まって面白い。
この2作の作者の平坂読が特にすごいのかもしれないが、手を出しはじめた他の作品もけっこう面白い。

簡単に読めて、しっかり面白い。その意味では、ただ、すばらしい。
一方で、読み続けていると、いわゆるラノベではない小説も読みたくなってくる。
私は社会人になってから、小説からはなぜか離れていた。大学まではかなりの量の小説を読んでいたのに、読まなくなってしまった。ビジネス書などは読むし、映画・漫画は見る。でも、新しい小説はかなり散発的にしか読まず、昔の好きな本を時々読み返すだけだった。
この流れに従っていくと、どこに辿り着くんだろうか。すこし楽しみな自分がいる。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。とても嬉しいです 頂いたサポートで本を買い、書評を書くのが夢です!