8年ぶりの小旅行

 昔の友達と泊りがけの旅行に行った。

 大体が高校生の時に知り合った友人だ。当時、自分は二次創作の小説を書いていて、そこで知り合った仲間たちだった。もともとはそれぞれが書いている作品を通じて知り合い、チャットで雑談を交わし、オフ会で時折会うようになった。誰かの家に泊まりに遊びに行くこともあった。珍しかったのは、そこから全員で泊りがけの旅行まで発展したことだった。もともと東北、関東、関西と住んでいるところもバラバラで、かつそのメンツはほとんどが同世代だったこと大きかったのだと思う。気もノリもあった。
 当時は、年1回ぐらいは旅行をしていたと思う。だが、年を取るごとにすこしづつ疎遠になった。2-3年に1回、誰かが珍しくあったとか、子供が生まれたとかそんな近況だけをLineグループで聞く状況だった。
 そして、今回の旅行は8年ぶりに旅行だった。

 当日。会う前から、口元の笑いが止まらない状況だった。そんな自分を見て、よほど楽しみだったんだなと改めて感じるほどだった。
 そして、電車のホームに友人たちが乗った「踊り子」の青い車体が滑り込んでくる。1号車、2号車……友人が乗っているはずの9号車まで心の中でカウントをする。8、9。窓の向こうで友人たちが手を振って、ニヤニヤしているのが見える。
 ああ、まったく変わってない。つくづくそう思った。

 旅行は、最高で最低だった。最高に楽しく、最低にしょうもなかった。オタクの男子高校生を10人近く集めて、大量のビールと日本酒を振りかけたら、それはそれはロクな話はしない。それが最高に楽しい。
 ほとんどずっとボードゲームと麻雀だけをして一日が終わった。残念ながら私は麻雀ができないため、ボードゲームをするか、TVで流していたMリーグの話を聞いたりしていた。話を聞くと、麻雀をする組はオンラインで麻雀をしながらDiscordでだべったりしているらしい。まったく知らなかった。
 翌朝、メンバーの一人と散歩をしながら取り留めなく雑談をしていた。仕事で障碍者雇用で雇われた後輩の面倒を見ている話、結婚した義実家との甥の話。当たり前だけど、気近況を聞くと知り合った高校生の頃とは全くお互いの生活は変わっている。開いていた和菓子屋で出てきたモンブランを食べながら二人で写真を撮った。お互いの髪がうっすら白くなっているのを改めて感じた。

 幸せの一つの形は、親しい友人とただ楽しく時間を過ごすことなのだと思う。その時、新しい友人を作ることも大事だけれども、過去特別な時間を過ごした友人との関係を再構築するのも重要なのだと思う。
 特に海外転勤と結婚の関係で疎遠になってしまった友人が多くいる。ただ、最近、子供もすこし大きくなり生活の自由度が多少とはいえ高まってきた。その時、昔の友人たちと会いたいとよく思うようになった。友人関係を続けていく努力は、今後時間を掛けてもいいと思う。
 ということで、麻雀アプリをDLした。最低限打てるように覚えていこうと思う。

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