声域が広がって気づくこと
ヴォーカルトレーナーの竹本です!
本日も音楽ブログをお届けします。
先日、声域を広げることについてのブログをお届けしました。
『声域を広げるということ』(2021.9.5)
『その高さを出したことがない人にとって、それは新しい感覚の声です。』とお伝えしたように、『声域が広がる』ということは、『新しい感覚の声を手に入れる』ということでもあります。
それではボイストレーニングに熱心に取り組んで声域(出せる声の音域)が広がった結果気づくこととは、どのようなものなのでしょうか。
『音域によって声の音色が変わる』
幅広い音域の声を出せるようになってくると、低い声と高い声では随分と音色や響きが変わることに気づきます。
低い声と高い声は全く違う種類の声にも感じるでしょう。決して低い声の出し方のままでは高い声は出せないと実感するはずです。
『今まで何をやってたんだ』と過去の自分を悔やむのは、この頃です。
『声が切り替わっていく感覚がある』
音域によっての音色や共鳴の変化に気づくと、低音域〜中音域〜高音域を高さが上がり下がりする時に、声が切り替わっていく感覚が芽生えてきます。
大きくは3段階。細かく分析していくと、切り替わりの前後で微妙に音色が変化していくことにも気づきます。
ちなみに、3段階の声それぞれに名前が付いています。
・低音域の声『チェストボイス』・・・話し声の音域の声でもある。出した時に胸元に声の振動を感じる
・中音域の声『ミドルボイス』・・・一番ヤバイ音域(後述)
・高音域の声『ヘッドボイス』・・・みんなが憧れるハイトーンヴォイス。出せるようになると案外楽に出る。
実際には声帯の動き方が変化していき、このような体感の変化が起きていきます。声帯は見えない番長です。
『ブレイクポイント(換声点)の存在に気づく』
各ボイスの切り替わりの場所を、『ブレイクポイント(換声点)』という呼び方があります。
声域が広がってくると、それまでは感じなかった高いような低いような“壁”の存在を感じるようになります。男女で違い(追求していくと共通しているとも言える)、みんな同じところにその壁があるのが、人体の不思議です。段々、壁の外の世界を知りたくて仕方なくなります。
『高い声は軽い・楽』
ヘッドボイスを初めて出した人の多くが、『こんなに軽い声でいいの?』『こんなに楽でいいの?』と拍子抜けしたような顔をします。特に初期段階の声は弱々しく、蚊の鳴くような声かもしれません。ブーンブーン。
『問題はミドルボイス・・・』
各ボイスが出せるようになって気づくのが、ミドルボイスの“ヤバさ”です。
チェストとヘッドを繋ぐような音域でもあり、一音一音で変化していくためコントロールがとても難しい・・・のに一番使う音域なのです。ヘッドヴォイスの世界が楽園に感じるようになります。
『コントロールは低い方が難しい』
ミドルボイスのヤバさはお伝えしましたが、音程や安定した発声など総じてコントロールが難しいのは、むしろ“低音域”です。
声質の個性が出やすいのも低〜中域。高い声だけでなく低い声の大切さに気づきます。一旦、無限の課題に途方に暮れるが、伸び代しかないことに気づき、一筋の光が差し込みます。
『広い声域を使いこなすのも自分次第』
先日のブログでも触れましたが、『声域の広さが必ずしも歌のうまさには繋がらない』ということに、徐々に気づいていきます。
声域が広がれば出来ることも増え、余裕も出来てきます。その分、コントロールも難しくなり課題が次々にやってきます。広い声域のメリットを『生かすも殺すも自分次第』であることに気づきます。リングの上でゴングの音が聞こえ、個性とのガチンコ勝負が始まります。
まだまだたくさんのことに気づいていきます!
きっと、まだ到達できていない人には頭の中が『???』の嵐だと思います。
到達できている人は『そうそう!』となるのではないでしょうか。
発展途上の人にとって、新しい声を手に入れることは、雲を掴むようなもの。
迷子になったり、途中でしゃがみ込んで進めなくなったり、歩みを止めてしまう人すらいます。諦めず歩いていったその先には、初めての景色がたくさん広がっています。
『今まで出来なかったことが出来るようになる』
そんな未来の自分を思い描いてみませんか?
それでは次のブログでお会いしましょう!
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