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原曲キーで歌えないことは『負け』なのか

ヴォーカルトレーナーの竹本です。
今日も音楽ブログをお届けします。

歌を歌う時『曲のキーを変えたくない』『原曲キーのままで歌いたい』と思う人が多いのではないでしょうか。
好きなアーティストに近づきたい憧れの気持ちであったり、理由は人それぞれだと思うのですが、多くの人は・・・

『負けた気がする』
からではないでしょうか・・・?(笑)

キーを変えることが悔しいという気持ちは、とてもわかります。
僕がトレーニングを受けていた若かりし頃は問答無用でキー変更されていたので、毎回未熟さと現実の自分と戦っていました。何度悔し涙を流したことか。。。(それは大袈裟)
敗北感もハンパなかった青春の淡い思い出です。

果たしてヴォーカリストにとって曲のキーを変えることは『負け』なのでしょうか?

答えはNOです。

荒療治で無理矢理に出していきながら掴んでいくというスポ根的な方法も、時には必要なのかもしれませんが、荒療治も過ぎれば大怪我に繋がります。
とはいえ、転んで怪我をしながら掴んでいく、そういった経験も役に立つことがあります。イバラの道を進むのもあなた次第!

イバラの道を進むより近道があるとしたら、どうしますか?

トレーナー目線から見れば『その人に適切なキーで練習した方が上達が早い』と言えます。無理な発声を続ければ声帯の負担になりますし、発声にとってとても大切な“脱力”からも遠のいていくでしょう。独学で10年、20年無理矢理歌ってきた人が、ものの数ヶ月でそれまでとは比べものにならないくらい楽に歌えるようになることは、よくある話です。

そもそも“原曲キー”というのは誰のためのキーなのでしょうか。

ヴォーカリスト優先で作られた楽曲であれば、そのヴォーカリストの魅力が一番伝わるキー設定かもしれません。
『このキーであることに意味がある』というクリエーター目線のキーかもしれません。
管楽器やギターの音が一番生きるキーなのかもしれません。

原曲キーで歌えることで、
『原曲のイメージどおり歌える』
『ドヤれる』
という魅力はあるでしょう。

しかし、それは歌い手のあなた自身にとって適切なキーではないかもしれない、ということは頭に入れておきましょう。
キーを変えたからといって、決して負けたわけではありません。それはあなたの楽器(喉)の個性なのです!

“急がば回れ”
自分に合った高さで練習する方が、実は一番の上達への近道と言えます。

歌の上達だけを考えれば、特に発声法が身についていない初期の段階では、自分の出しやすいキーで練習することをオススメします!
(編曲の都合諸々は完全に無視!笑)

ただ、少しずつ負荷をかけることで育つ筋肉のように、ほんの少しの挑戦が次のステップへの足がかりになってきます。

『いや、まだ早い!』
『そろそろ挑戦してみよう!』

と、そのタイミングやペースは、信頼できるトレーナーに相談しながら決めていくのが、一番安心で幸せな方法です。

そして、自分の声が一番生きる高さを知っておくことも、とても大切です。

深みのある低い声に魅力がある人
雰囲気たっぷりの中音域に魅力がある人
抜けのいい高音域に魅力のある人

自分の声の魅力・個性が一番発揮できる音域を、自分自身で理解しておきましょう!

あなたがもしシンガーソングライターなら尚更です!
自分の声が生かせるキーで曲を作り歌うことができます!

トレニーニングを積んだその先に、『あ、どっちのキーでも大丈夫ですよ!』とサラッと言ってのける自分がいると想像したら、ワクワクしませんか?
自分にとって、早く確実に成長する方法を選んだ方が、その未来に早く到達できます!

もし伸び悩んでいるなら、“原曲キー至上主義”の思想は、ちょっとその辺に置いていってみませんか?

それでは次のブログでお会いしましょう!

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